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再婚者の遺産
いまある中年男女が結婚を考えているとします。それぞれ再婚であり、どちらにも子供がいて、どちらにもある程度の財産があります。問題は、その男女が結婚した場合の将来の子供への相続に関してです。結婚後に築く財産、結婚後に作る子供は今はないものとします。結婚前にそれぞれが持っていた財産は、遺言等を作らないとすると、だれが相続するのでしょう。両者の財産を足して、それをすべての子供で均等割りになるのか、それともそれぞれの財産はそれぞれの子供だけで均等割りになるのでしょうか。後者の場合、たとえば男性が先に亡くなったとしたら、男性の子供はその時点ですぐに男性のもともと持っていた財産を相続することになるのでしょうか。
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遺言書も何も作らずに、まず男性が、そして次にお相手の女性がお亡くなりになった場合には、helpusさんのおっしゃる最初のパターンの通りの相続になります。 例えば、男性をA(特有財産:6000万円)とし、その二人の子をB,C、再婚相手の女性をD(特有財産:2000万円)とし、その二人の子をE,Fとします。 最初にAが亡くなりますと、D:3000万円、B,C:各1500万円を相続します。 その後Dが亡くなりますと、2000万円+3000万円=5000万円をE,Fが相続することになるので、E,F:各2500万円を相続することになります。 つまり、おっしゃる通り、「最初に死んだほうの子供が損」という結果になります。 これを防ぐためには、まず「自分の財産は全てB,Cに与える」旨の遺言書を作成なさることです。 しかし、遺言書があっても、再婚相手のDさんには、上記の例の場合、法定相続分3000万円の半分の1500万円について遺留分として貰う権利を主張することが出来ます〔遺留分減殺請求権〕。 この遺留分減殺請求は、Dさんが、ご自分の遺留分を侵害されたことを知ってから1年、かつ相続が開始されてから10年以内にその権利を主張なさらなければ、Dさんはその主張する権利を失いますので、その場合にはB,Cさんが相続した分に関して確定するわけです。 このような、不安定な状態が1年間でも存在することが嫌な場合には、上記の遺言書を作成した上で、あらかじめDさんに『遺留分の放棄』をしてもらうことです。『遺留分の放棄』をあらかじめしていた場合、Aさんが亡くなった時点で、「やっぱり遺留分が欲しい。」とDさんが言い出しても、それは通りません。 この『遺留分の放棄』は、家庭裁判所に申述して、その許可を得ることによって行うことが出来ます。 以上をまとめますと、A,Dのそれぞれが「自分の財産は全てB,C(またはE,F)に与える」旨の遺言書を作成し、その上で、それぞれが『遺留分の放棄』を家庭裁判所に申述して、その許可を得れば、夫の特有財産は夫の実子へ、妻の特有財産は妻の実子へ、それぞれが死亡した段階ですぐに相続されるようにすることが出来ます。
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- takeup
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結婚前にもっていた財産を特有財産といいます。 この特有財産は、結婚後に形成された財産とともに相続開始後相続財産となりますが、 配偶者は特有財産を含めた相続財産全体の2分の1の相続権があり、 被相続人の実子ないし養子が残りを相続しますが、配偶者の連れ子には相続権は発生しません。 ただし、配偶者の連れ子に相続させる旨の遺言があれば、法定相続人の遺留分を侵害しない範囲内において相続可能です。 以上は、法定相続分がそうなっているというだけのことで、遺言に反しない限り、相続人が話し合いで、どう分けようと原則自由です。
補足
非常にわかりやすいご回答ありがとうございました。 下のabenokawamoti様のところにも再度質問を書きこんだのですが、配偶者に相続された特有財産の半分のその後の行方が気になります。 abenokawamoti様のご回答の下に書きこみました私の再度の質問に、takeup様にもお答えいただければ幸いです。 よろしくお願いいたします。
養子縁組をしない限り、再婚相手の連れ子であっても相続権は発生しません。 再婚後、遺言書も何もない状態で男性が先に死んだ場合、再婚前の男性の特有財産は、半分を再婚相手の妻が、残り半分を男性の子供たちが均等割りで相続する権利を有します。 相続に関して争いがなければこのまま確定できますが、争いがある場合、相続権を有する相続人全てで遺産分割協議を行い、上記の法定相続分とは異なった割合での相続も可能です。 遺産分割が正式に確定するまで、男性の財産は、相続権を有する相続人全員の『共有』という、特殊な状態にあるものと考えられています。 ただし、遺産分割協議が、例えば男性が死んでから10年後に確定したという場合、その10年間は相続人全員の『共有』の状態にあるのですが、扱いとしては、相続人それぞれが協議によって確定した分の財産を、男性が死んだ時点で最初から相続したものとされます。
補足
詳しいご説明ありがとうございました。いただいた回答を踏まえた上で、もう少しお聞きしたいことがあります。 まず、争いがないものと仮定します。 そして、男性が先に死んで、その後、その妻が死んだとします。 男性の再婚前の特有財産は、男性が死んだ段階で、妻が半分を相続するということはわかりました。では、さらに妻が死んだあとは、その妻が再婚前にもっていた特有財産は、おそらく今回のご回答の内容からすると、すべて妻の実子へ相続されるものと思われますが、正しいでしょうか。そして、妻が夫から相続した夫の特有財産の半分も、妻が相続した段階で妻の(結婚後の)財産となるわけですから、これは、夫の実子と妻の実子で均等割りになるのでしょうか。もしそうだとすると、妻の実子は妻の再婚前の特有財産プラス何がしかを相続し、夫の実子は夫の再婚前の特有財産から何がしかをマイナスした分しか相続できないという不公平が生じる気がします。 また、そうではなく、妻が相続した夫の特有財産の半分は、妻が死んだときには、夫の実子にすべて相続されるのだとしても、もし妻が夫の死後相続した財産の一部を使ってしまっていたら、夫の実子が妻の死亡時に相続分が減ることになります。一方、妻の実子は妻の再婚前の特有財産をまるまる相続します。 このように、私が考える二つのパターンのどちらの場合でも、妻の実子は妻の特有財産をすべて手に入れるのに対し、夫の実子は夫の特有財産をすべて相続できない可能性があるという結果になってしまいます。つまり、先に死んだ方の子供が損をするような気がします。 法律ではそのあたり、どのように定められているのでしょうか。 さらに具体的にお聞きするならば、夫の特有財産は夫の実子へ、妻の特有財産は妻の実子へ、それぞれが死亡した段階ですぐに相続されるようにするには(夫あるいは妻が死亡したら、その段階ですべて夫あるいは妻の実子へすべて相続させる)、どうすればよいのでしょうか。 長文になり、大変恐縮ですが、ご教授いただければ幸いです。
たしか、「両者の財産をそれぞれ個別の財産として」子供が相続することになるのではなかったかと思います。 ま、見た目には足して割ったのと同じですけどね(^_^; で、夫が先に死亡した場合ですが、たしか妻は夫の財産の半分を相続する権利があったはずです(残りの半分は子供その他)。 その昔、面白ゼミナールかなんかでそんなことを言ってたような気がするんですが……。
お礼
迅速なお答えありがとうございました。参考にさせていただきます。
お礼
とても丁寧に詳しく書いてくださり、勉強になりました。 高齢化社会になり、中高年の再婚も増えていくでしょうし、 今回のような問題は再婚を希望する親をもつの子供たちに 共通する関心事だと思います。 ありがとうございました。