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アニリンのスルホン化について
アニリンをスルホン化するとき反応がオルト、パラ配向性で進行するのはなぜでしょうか? 酸性条件化ではアミノ基はメタ配向性になるはずなのですが・・・
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#1の説明はおかしいです。 引用された文献中では、『硫酸アニリド』なんて出来ていません。そもそも『硫酸アニリド』というのが意味不明ですし、スルホンアミドのことであれば、スルホンアミドはそう簡単に加水分解されません。また、引用されている文献に出てくるのはアニリンの硫酸塩の式にしか見えませんし、論文の主旨も違います。 それで、ご質問の件について検索したところ、下記の文献を発見しました。 "Mechanism of the Sulfonation of Aromatic Amines. I. Sulfonation with Fuming Sulfuric Acid" BY ELLIOTR . ALEXANDER, J. Am .Chem. Soc., Vol. 68, p.969 (1949) Mechanism of the Sulfonation of Aromatic Amines. II. Sulfonation at Elevated Temperatures with Sulfuric Acid Elliot R. Alexander J. Am. Chem. Soc., 1947, 69 (7), pp 1599–1602 要するにフェニルスルファミン酸(Ph-NHSO3H)を経由するということのようです。 つまり、-NH2が-NH3+になると、ベンゼン環の電子密度が著しく低下します。それでも発煙硫酸を使えば直接的なスルホン化が進み、それはメタ配向性になる。しかし、硫酸では直接のスルホン化は進まず、フェニルスルファミン酸の生成の方が優先し、それが転位を起こす際に、オルトあるいはパラにSO3Hが移るということのようです。ちょっとFries転位に似ています。 ちなみに、-N(CH3)2ではフェニルスルファミン酸になれないので(なぜなら、N-CH3結合が切れないので)オルト、パラ-配向性にはならないということのようです。 まあ、あまりまじめに読んでいないので誤解があるかもしれません。納得できないようでしたらオリジナルをあたって下さい。
古い論文ですが、分かり易いですね。硫酸は脱水剤ですから、アニリンから硫酸アニリドができてそれが転移したり、スルホン化される。↓ http://pubs.acs.org/doi/pdf/10.1021/ie50399a012 スルホン化されたアニリドがあっても処理中に加水分解されてアニリンスルホン酸になる。