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実在しない「偽札(や債券類)」を単に所持していた場合
最近話題になっている国際的なニュースに、2人の日本人(?)が、スイス-イタリア国境で、13兆円にもなる巨額なアメリカの債券を所持していたという事でイタリア当局に事情聴取を受け、その後釈放された(?)というものがありました。現在でも情報が錯綜しており、細かい部分の真偽は不明です。 さて、どうやらこの債券は「偽物」だと言われているようです。額面が5億ドルというアメリカの債券は発行されていない、という情報も出ているようです。 現在流通されている紙幣の偽札の場合、作成した時点で違法となります。一方で、例えば「一億円札」というような、明らかに流通していない額面の紙幣が、似たような図柄で「おもちゃとして」存在し、販売されています。図柄には「子供銀行券」など、実在しない団体が発行したことになっている記載のデザインが多いです。しかし、そのような「おもちゃ」であっても、過去に、それを折り畳んで額面や詳細がわかりにくいようにして店で使用し、捕まった例があったかと思います。そこで、大きさが同じ物は規制された(あるいは自主規制?)され、現在は明らかに大きいものか、あるいは小さいものしか販売されていないようです。 上の状況から、おそらく「存在しない額面の紙幣」を作成したり、所持している事自体は違法ではない。しかし、それを、真券として使用し、商品なりと交換した場合は、詐欺(?)の犯罪になるのではないかと推測されます。 そこで疑問ですが、いくつかあります。 1) 今回のように、偽の有価証券類だが、額面やデザイン的に明らかに実在しないものを単に所持していた場合(行使していない場合)は、それ自体で、違法になるのかどうか。大きさが同じものと明らかに異なるものについて、もし扱いが異なるならば、その旨。 2) もしも、実在しない有価証券類ではあるが、デザインの中に記載された発行元が実在しているものを単に所持していた場合はどうなるか(子供銀行ではなく日本銀行と書いてあるなど)。 3) 以上のことは、一般の有価証券類ではなく、紙幣であった場合は何か異なるのか。 世界各国の法律によっても異なると思いますが、日本の場合は、で結構ですので、ご教示ください。
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ご質問については、刑法で下記のように規定されています。 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M40/M40HO045.html#1002000000016000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000 概ね、下記の条文に書いてある範囲で犯罪になると考えてOKです。 第十六章 通貨偽造の罪 (通貨偽造及び行使等) 第百四十八条 1 行使の目的で、通用する貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。 2 偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者も、前項と同様とする。 (外国通貨偽造及び行使等) 第百四十九条 1 行使の目的で、日本国内に流通している外国の貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造した者は、二年以上の有期懲役に処する。 2 偽造又は変造の外国の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者も、前項と同様とする。 (偽造通貨等収得) 第百五十条 行使の目的で、偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を収得した者は、三年以下の懲役に処する。 (収得後知情行使等) 第百五十二条 貨幣、紙幣又は銀行券を収得した後に、それが偽造又は変造のものであることを知って、これを行使し、又は行使の目的で人に交付した者は、その額面価格の三倍以下の罰金又は科料に処する。ただし、二千円以下にすることはできない。 第十八章 有価証券偽造の罪 (有価証券偽造等) 第百六十二条 1 行使の目的で、公債証書、官庁の証券、会社の株券その他の有価証券を偽造し、又は変造した者は、三月以上十年以下の懲役に処する。 2 行使の目的で、有価証券に虚偽の記入をした者も、前項と同様とする。 (偽造有価証券行使等) 第百六十三条 偽造若しくは変造の有価証券又は虚偽の記入がある有価証券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者は、三月以上十年以下の懲役に処する。
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- riddle09
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有価証券でも紙幣でも、行使の目的で偽造または変造すると、有価証券 偽造や通貨偽造になります。 逆に言えば、行使するつもりがなければ罪にならないことになります。 ただし、いくら本人にそのつもりがなくても客観的に見て行使目的だと 判断されれば罪になるのも事実です。誰が見ても『偽物』だとわかれば 行使目的ではないと判断できますが、ちょっと見たぐらいでは『偽物』 だとわからないようなものは逮捕されるでしょう。具体的には、額面や デザイン、色、材質、大きさといったものが本物と明らかに違う場合は セーフになる可能性が高い。または「見本」などと書かれていれば誰に でも本物ではないと分りますのでセーフでしょう。 以上を踏まえて考えれば、 1)違法になる可能性は低い。大きさ等が違うならば、なおさら低い。 2)違法になる可能性は低いが、完全に大丈夫とは言い切れない。 3)基本的な考え方はほぼ同じだが、罰条と刑罰の重さが違う。 また、紙幣は一般にデザインが良く知られているが、有価証券類は 知られていない場合が多いため、違法の判断基準が厳しい可能性が 高いと考えられる。(知られていない=行使しやすい、ため)
お礼
なるほど。ポイントは「行使の意図」でしょうか。もちろん「意図」は嘘で誤摩化すこともできるので、客観的にそのように判断されるような状況ならば、という事でもあるのでしょう。ありがとうございました。
お礼
大変くわしくありがとうございます。やはり、実際の法律の条文でも、額面やデザインなどの基準というよりも「行使の目的」が問題であり、そこが一番のポイントでしょうか。よく考えたら、デザインの剽窃が問題なのではなく、「騙す意図」が犯罪なわけですからね。ありがとうございました。