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東京の不発弾
戦時中の沖縄についての本を読んで疑問に思ったことです。 沖縄では未だ大量の不発弾が地面下に埋まっているそうなのです、 東京も空襲を受けたので不発弾があると思うのですが、 東京ではどの地域に不発弾が多いと予想されるのでしょうか。 また、あるとすれば東京全体で不発弾の数はどれくらいになるのでしょうか?
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地中に不発弾(爆弾・砲弾)が埋まるためには、不発弾にエネルギーが必要です。そのためには「スピード」か「重量」か「スピードと重量の両方」が必要です。さらに「地面に激突しても不発弾が壊れないだけの強度」が必要です。 No1さんが言われるように、東京都ですと立川市や武蔵野市あたりで「不発弾」が時々見つかり、住民を対比させて陸上自衛隊の不発弾処理班が処理を行う事件が最近でも起きます。 これは、この辺りに航空機を製造する工場が多くあり、それを目標にした「昼間精密爆撃」が行われたためです。 「昼間精密爆撃」とは、日本軍の迎撃戦闘機や高射砲の威力が及ばない(説明は略します)1万メートル程度の高高度から、工場を目標にB29に積めるだけの大きな爆弾を投下するものです。 この場合、爆弾が落下する間に気流の影響などで着弾地点がバラつき、どんなに精密な照準装置で狙っても、目標を直撃することは困難です。 B29は合計で5トン程度の爆弾を搭載することが出来ましたが、使用した爆弾は 4000ポンド爆弾 (2トン) 2000ポンド爆弾 (1トン) この辺りであったようです。B29は、4000ポンドなら2発、2000ポンドなら5発程度を余裕で積めました。 4000ポンド爆弾の場合、2トンの鉄の塊が1万メートルから落下した場合の対地激突速度は、物理の知識があれば概算できますがすさまじい速度になります。 信管が作動せずに不発となった場合、この爆弾は地中に深くのめりこむことになります。その結果、戦後60年以上経っても時々見つかるわけです。 一方、東京の現在で言う23区地域の「夜間無差別空襲」には、焼夷弾が主に使われました。 平塚空襲についてですが、「夜間無差別空襲」について簡単に書かれたサイトがあるので紹介します。 http://www.hirahaku.jp/hakubutsukan_archive/rekisi/00000057/9.html B29が焼夷弾を投下する高度は4000メートル程度、焼夷弾が空中で分解して多数の「小さな焼夷弾」をばら撒く高度は1500メートル程度だったと分かります。 焼夷弾本体は、500ポンド(250キロ)のものが主用されたようです。 空襲の描写で、「焼夷弾の直撃を受けた人が瞬時に火達磨になった」といったものがありますが、これは「小さな焼夷弾の一つが人の体に直撃した」場合です。 さて、焼夷弾が「不発弾」となるケースは (1) 500ポンドの焼夷弾が高度1500メートルで分解する装置が働かず、そのまま地面に落ちた場合 (2) 1500メートルの高度で分解した「小さな焼夷弾」が地面に落ちたが、発火しなかった場合 の二つの場合が考えられます。 (1)の場合、焼夷弾は着地の衝撃でバラバラになったと思われます。それと同時に「小さな焼夷弾」が発火して、全て燃えてしまったでしょう。 (2)の場合は結構多く生じました。 空襲で生き残った日本人は、不発の焼夷弾を拾い、中に入っているゼリー状の焼夷剤(石油を加工したもの)をバケツに入れて、燃料として利用したそうです。 薪で火を起こす時など、不発焼夷弾から取った焼夷剤が非常に役に立ったそうです。キャンプに行ったことがあれば、薪に火をつけるのにゼリー状の「着火剤」を使った記憶があるでしょうが、あれは焼夷弾の中身とだいたい同じものです。 危機管理評論家の佐々淳行氏の回想にこの話が出て来ます。 「戦時少年佐々淳行」 文春文庫 佐々淳行/著 http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/31092725 以上のような理由で、「夜間無差別爆撃」で主用された焼夷弾については、「戦後何十年経っても、不発弾が見つかる」という状況が生じにくかったことになります。
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東京は都心部(23区の範囲)は大体満遍なく焼夷弾爆撃を受けましたので、どの地域に集中してということはありません。被害が大きかったのは3月10日の下町ですが、投弾数はその後の山の手空襲などと変わりません。大体が焼夷弾ですので、不発弾という範疇ではないと思います。
- PENPENMAKKY
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沖縄の不発弾は日本軍を攻撃するために用いられた炸裂砲弾です。出てくる不発弾は炸裂し損ねた砲弾ですので何時爆発するかわからないものです。 これに対して東京にある不発弾は、工業地域ならば炸裂弾ですし民間地域なら焼夷弾です。炸裂弾はいつ爆発するかわからない状態にあります。焼夷弾の場合は油弾か閃光弾のいずれかですが、閃光弾はまず空中で自然発火しますので不発になりません。油弾の場合は、閃光弾が無いと燃えませんのでただの油とコンクリートが入った筒でしかありません。 危険な不発弾は立川など郊外地域で発見されやすく、都心部で発見されやすいのは焼夷弾です。