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惑星移動による軌道の拡散
数ヶ月前にBSで放送されていた科学番組や、ここでの質問検索で、木星等の「惑星移動」が、近年の研究結果であることを知りました。 そこで、大分前に見た次のような内容の科学番組を思い出しました。 『冥王星等の軌道が8つの惑星と極端に違う(一定の角度内に公転軌道が納まっていない)のは、海王星の移動によるものである。コンピューターでシミュレートすると、実際の観測結果と非常に近い結果が出た。』 質問 1 海王星が近づいたら軌道が乱れるのは何となく理解できます。しかし単純に考えると、海王星が近づけば、海王星の重力の影響によって、公転軌道は寧ろ一定の角度内に収まると思うのですが、逆に拡散するというのはどうしてですか? もし、番組放送内容を誤解して記憶しているのであれば、その旨のご指摘と、正しい内容をお教え戴けると幸いです。 2 惑星移動について、何かお勧めの書籍は御座いませんか?出来れば、入門書程度のものを希望いたします。
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#2の者です。 <質問1>に関連して、「散乱」について少し補足します。 惑星に小天体が近づく場合(小天体に惑星が近づくと言っても同じ)、惑星に視点を固定してものごとを見ると、惑星の重力が他の力を圧倒する領域では、小天体は惑星との重力相互作用により、その運動の向きを変えます。向きを変えるだけで、速さは変わりません(惑星と小惑星の重力のみを考慮する場合)。 これを、太陽に対する速さに変換すると(単なる座標変換ですが)、次のようになります。 惑星の後方から近づく場合: 必ず加速 惑星の前方から近づく場合: 必ず減速 惑星も小天体も離心率のきわめて小さいケプラー回転をしている場合(きわめて円軌道に近い場合)、惑星の後方から(小天体が)近づくのは、小天体が惑星の軌道よりも内側の軌道にある場合に限ります。逆に惑星の前方から近づくのは、惑星の軌道よりも外側の軌道にある場合に限ります。惑星軌道の外側を巡る天体が「外へ弾き出される」と単純に言うことはまったくできません。 実際に解かなければならない問題は、太陽をも含む(制限)3体問題ではなく、あらゆる天体の重力を考慮する重力多体系の問題です。これを解くには、近年の計算機実験の発展を待たなければなりませんでした。
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- isa-98
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読んでくれてありがとう。 実際、あまり目を通していません。 >惑星の前方から近づく場合 トロヤ点に結び付き、軌道共鳴へ帰結するのでは?
- isa-98
- ベストアンサー率23% (205/859)
>逆に拡散するというのはどうしてですか? 簡単に言うと、 海王星は運動していますから、重力の影響を受けるのではなく、 他の天体は海王星の運動エネルギーを得てしまいます。 (重力(位置エネルギー)+公転速度と言う運動エネルギーmV) (mgh+1/2mV^2) エネルギーF=1/2mV^2 ですので、 軌道速度の遅い外天体には極めて高いエネルギーとなります。 これがスイングバイ加速の理論です。 軌道共鳴をしていない天体は十分に得られた運動エネルギーの為、 外へ弾き出されるのは自明となります。 >出来れば、入門書程度のものを希望いたします。 残念ながら私は質問者様の技量を推し量る事が出来ません。 御自分で合った物は御自分で探すしかありません。
お礼
「スイングバイ加速」と言う単語をみて、自分の中では小天体の軌道が変化する事に説明が付きました。 有難うございました。 どうも基礎知識が著しく欠落している事を昨今、痛感させられております。 これからもいい加減な単語を使った質問文を書くかもしれませんが、今回と同様に温かい目でご指導を頂ければ幸いです。
- g-space
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天王星や海王星が現在の公転軌道よりも内側の領域で形成され、その後移動して現在の軌道に落ち着いたというシナリオは、ここ10年ほどの研究によって描き出された理論的なものです。 太陽系外縁天体のうち比較的内側のものの軌道分布の成因をうまく説明できること、海王星との共鳴軌道にギャップがあることをうまく説明できることなどの観測面からの支持があり(というか、このような観測結果を説明しなければならないという要求と、惑星の形成時間の問題(従来の「非移動」理論では、天王星も海王星もいまだに形成途上にあることになってしまうという問題)をクリアできる理論が必要であるという要求、さらには系外惑星の形成をも含む理論が必要であるという要求から)、現在、最も確からしいシナリオとして多くの研究者に受け入れられています。 <質問1> 「重力によって軌道が乱される」という現象は、パチンコ玉が互いにぶつかるようなもので、基本的には「散乱」になります。 さて、太陽系の天体は原始太陽系星雲から誕生しました。惑星形成時にはガスが存在します。この状態で大きな天体によって小さな天体の軌道が"乱された"としてもガス抵抗があるために、その軌道は傾斜角も離心率も小さくなる方に変化します。 ところが、海王星等が移動した時期には、もはやガスはほとんど存在せず、軌道が"乱された"ら乱されたままで、そうそう簡単には、その後、惑星と同じ平面内での運動に近づくことはありません。基本的に重力相互作用があれば「散乱」(質問の表現では「拡散」)されるというのが普通の方向で、「単純に考えると」とおっしゃられている考え方の方が自然の成り行きに反しています。 <質問2> 『異形の惑星―系外惑星形成理論から』 (NHKブックス)井田 茂 (著) 『宇宙は「地球」であふれている -見えてきた系外惑星の素顔- (知りたい!サイエンス) 』 (技術評論社)井田 茂/佐藤 文衛/田村元秀 須藤 靖 (著) 『新しい太陽系―新書で入門』 (新潮新書)渡部 潤一 (著)
- FEX2053
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「移動」とうのは天文学では使わない言葉なので、何を求めておられるか 微妙に不明なんですが、こういう話はwikipediaの記述が結構信用できます。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%A5%E7%8E%8B%E6%98%9F (中ほどにある「軌道」項目を参照して下さい) 冥王星は「エッジワースカイパーベルト天体」の一つですから、海王星 共鳴軌道として安定して周回しています。天体の創成期に海王星に影響 を受けたことは確かでしょうが、海王星の重力につかまった云々という 話には当たりません。少なくとも現在は「軌道が乱れる」コトは無いです。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%B8%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88 天文学に関しては、wikipediaのリンクを辿るとかなりの知識が得られます。 政治経済などでは問題が多いwikipediaですが、天体や物理・数学のような 「検証がやりやすい事象」についての記述は、私の知る限り結構正確ですよ。
お礼
早速のご回答、有難う御座います。 こんなのは言い訳ですが、正しい単語を知らない為にネットでの検索も上手く出来ず、数週間悩んだ末に、今回の質問文になりました。 そんないい加減な単語をつかっている質問文に対して、無視せずに温かい目で回答をしていただけたことに、重ねて感謝いたします。 wikipediaに対しては、確かに偏見を持っていましたので、考えを改めます。
お礼
基礎知識に欠ける私にも判るレベルでの解説文や、再度に亙るご指導に感謝いたします。 また、お勧め図書の紹介にも感謝いたします。 早速、小遣いを遣り繰りして、先ずはどれか1冊を読んで見ます。 > 惑星軌道の外側を巡る天体が「外へ弾き出される」と > 単純に言うことはまったくできません。 確かに「散乱」については、シミュレートでは全てが外部へ弾き出されるのでは無く、海王星へ近づく天体も有りました。 > 実際に解かなければならない問題は、太陽をも含む(制限)3体問題ではなく、 > あらゆる天体の重力を考慮する重力多体系の問題です。 私は単純に「2つの物体は近づく」と考えており、其れが今回の質問の出発点でした。もともとの出発点が間違っていたので、変な質問になってしまいました。