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臨界温度について
臨界温度をTc、ファンデルワールス定数をa,b、気体定数をRとしたとき、Tc=8a/27bRになることを習ったのですが、水における定数a=0.553(Pam^6mol^-2),b=0.0330×10^-3(m^3mol^-1),と気体定数として 8.314(Pam^3K^-1)を代入してみたんですが、水の臨界温度の374℃に近い値にならず、およそ324℃になってしまったんですが、これには何か原因があるのでしょうか。
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ファンデルワールスの状態方程式には調整可能な定数が2つあります。 この定数a、bを決めるために臨界点の温度、圧力、体積を使います。 測定から3つの値が入ってきますから3つの定数の調整が可能です。Rの値も調整の対象にすることが出来ます。 a=3PcVc^2、b=Vc/3、R=8PcVc/3Tc Tc、Pc、Vcの実測値を入れるとRの値は理想気体の時の値とは異なったものになります。この式で決めたH2Oの定数は (1) a=2.23barL^2/mol^2 b=0.019L/mol R=0.053barL/Kmol です。 (2) R=0.083barL/Kmolという普通の値を使って出すと a=5.52barL^2/mol^2 b=0.0304L/mol になります。 この時はRを与えていますので実測の量のどれかを外さなければいけません。 通常、Vc=3RTc/8Pcとして計算します。実測地でなく、計算値を使う事になります。 aもbもVcを含んでいますから実測には対応しなくなります。 このa、bを使って逆にTcを出したとします。実測のTcとは合わなくなります。 (1)の3つの値を使ってやればTcは実測に合う事になります。臨界点で実測に合うように決めたのですから当然です。 (ただしこの表のa、b、Rの値は2桁ですから温度を3桁で出すのは無理です。) (1)(2)の値はバーローの物理化学 第6版からの引用です。単位が少し違います。
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- htms42
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#2です。 気体定数RはPV=RTの式で決まります。 普遍、定数のように思ってしまいますがP→0で合わせています。 (温度は「気体である」範囲という意味での「高温」です。) 圧縮定数z=PV/RTはP=0で1になります。 Pの値が0から離れてくるにしたがって実在気体のzの値は1からずれてきます。 ファンデルワールスの状態方程式は臨界点で調整しました。理想気体でRを決めた状態と異なる状態ですのでRが異なってきても仕方がないのです。 理想気体はP=0を基準にしましたので「気体分子の種類によらず成り立つ」という際立った性質が出てきました。普遍定数のように思うのはこの性質があるからです。 ファンデルワールスの場合は臨界点という気体分子の個性を反映した状態を基準にしています。Rが変わってきても不思議ではないのです。 しかしRの値は全くの任意ではありません。 バーローの本の表を見ると aの値は分子の種類によって大きく変わっていますがRの値は 0.05~0.07barL/Kmolの範囲にあります。 aは分子間力の大きさを反映している量です。沸点が分子の種類によって大きく変わる事からaの値が大きく変わるだろうということは予想できることです。 臨界温度も分子間力の大きさを反映している量です。 温度、圧力、体積を臨界点での温度、圧力、体積でスケールすると分子の種類によらず成り立つという性質が出てきます。 相対温度、相対圧力、相対体積でzを求めた実測図がやはり、バーローの本には載っています。元のデータは1946年のものです。 「分子の種類によらず成り立つ」というのがよく分かります。
- c80s3xxx
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しょせん van der Waals 状態方程式も近似にすぎない. 分子間相互作用が強い系では van der Waals 式もその精度はたいしたことがない. それにしてはよく近い値を出しているもんだと,あらためて van der Waals の本質を見抜く眼力に感服.
お礼
詳しいご説明ありがとうございました。