国家II種 憲法

質問

国家II種　憲法の勉強をしています
まだ初めのほうなのですが憲法を裁判で使うときには
国ｖｓ私人、それ以外は私人vs私人と習いました。
では判例の「北方ジャーナル事件」は報道機関Ａは県知事選挙の立候補者であるＢの人格と私生活・・という判例で憲法を使っているのですから立候補者Ｂは国の人と考えてよいのでしょうか？

もう一つ、テキストの中の文章で、裁判所は、社会経済政策実現のための積極的規制につき「立法府の政策的技術的裁量にゆだねるほかなく、裁判所は、立法府の右裁量的判断を尊重するのを建前とし」・・とかかれているのですが右裁量的判断の右とは何を表しているのでしょうか？

回答No.1

Ganymede

立候補者Ｂは「国の人」ではありません。かと言って純然たる「私人」でもなく、言うなれば「公人」です。
Ｂは立候補するような人なのでプライバシーが制限される。たいていのことは報道されても仕方ない（Ａには報道の自由がある、市民には「知る権利」がある）。しかし次のような条件を満たす場合は、報道の事前差止めの仮処分が認められる。すなわち、虚偽である、または公益を図る目的でないことが明白であって、かつ、事前差止めしなければ回復は不能なほど重大なダメージがあって、……という判例です。
また、憲法が禁じる「検閲」とは、行政権が主体となって行うものであって、……と定義を示した判例です。（検閲を禁じた）憲法の条項は、この事件には当てはまらないと最高裁は判断しました。

「北方ジャーナル事件」最高裁判決（日本書籍出版協会）
http://www.jbpa.or.jp/nenshi/pdf/0305.pdf

「右」とは、「文章ですでに述べた、それを指す」という意味です。実際、「立法府の」「裁量」という語は、文章の前の方に出ているではありませんか。