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フォノンの波長
キッテル固体物理学(下)の非晶質固体の熱伝導度の節に、 室温以上(デバイ温度以上)では、フォノンの大部分は原子間距離程度の半波長を持つと記してあります。 つまり、フォノンの波長がどの程度の長さなのか計算で求めることが出来るのですか?もし宜しければ、その計算式等を教えて下さい。
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- ichiro-hot
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回答No.1
>>「フォノンの大部分は原子間距離程度の半波長を持つ」と記してあります。 デバイ-アインシュタインの理論では、固体の比熱を求めるときにエネルギーの積分を+∞の範囲で行うと発散してしまうために、有限の値になるように積分範囲に上限を仮定しました。そのときの根拠が原子の振動の伝播には上限が有るという近似です。 ●を原子―を化学結合と考えて、 ―●―●―●―●― を伝わる波(これの端を振動させる)を考えます。 すると、原子の振動の重ねあわせによってフォノンが伝播するので、原子間隔より短い波は伝播しないと考えます。 図で原子間隔ぐらいの波長の波を考え、原子―原子間にsin波を書くと、間にもう1つ原子がないと振動が伝わらないと考えたものです。「フォノンの大部分は原子間距離程度の半波長を持つ」と近似すると実験値と良く合う値がえられるということです。原子間距離はイオン半径やファンデァワールス半径から求められるので、それを用いてデバイ温度を決めることになります。 古い本になると思いますが、黒沢達美著:「基礎物理学選書9『物性論』-固体を中心とした-」(「格子振動」;p24-29、「固体の比熱」;p34-42)に詳しい解説があり、わかりやすかったと思うのですが・・・。
お礼
詳しい解説、ありがとうございます。 黒沢達美著:「基礎物理学選書9『物性論』-固体を中心とした-」 を勉強させていただきます。