• ベストアンサー

男性性、女性性とは…

男性であれ女性であれ、本来の性に関係なく男性性と女性性を持ち合わせていますよね。その中で、ともすれば人はある一部で生きていたり、自分の男性性、女性性を成長させないままに生き問題を抱えていたりします。 さて、ふと立ち止まって考えるに、この男性性、女性性なのですが、具体的にはどういったことを言うのでしょう。(男性性は…、女性性は…のようにお答えいただけると分かりやすくてありがたいです。)いろいろなお考えをいただきたいです。よろしくお願いします。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
回答No.2

  「男性性」「女性性」というとき、「身体的な性」と「ジェンダーとしての性」というものが、まず二つ分かれてきます。もっと細かく「性」を分けることもできるのですが、あまり細かい分け方をしても仕方ありません。 身体的な性というのは、身体の外見からして、男性と女性は違うということです。一次性徴、二次性徴において、男女の差は明確にあります。染色体による男女の違いも無論あります。 一次性徴のなかに、実は、生殖器官が含まれ、生殖器官のなかに、性ホルモン分泌器官があります。この有無で、男女の差が有意に出てきます。例えば、女性の方が、身体のホメオスタシス調整は精緻で微妙です。一見、女性の方が体調などで、不安定だと思えますが、実は、ホメオスタシス調整が微妙であるため、調整がうまく行かない、または調整の作業で、体調に影響が出てくるのです。 女性の方が、身体は丈夫であり、身体の調整もうまく取れていて、その結果、女性の平均年齢が、男性よりも高くなります。 男女の脳の違いは、胎児期や、その後の成長過程での性ホルモンの作用で出来てきます。男女の差は、身体的には、女性は、毎月、子供を作る準備を開始し、受精しなかった場合は、古くなった準備卵子を壊して捨て、新しい卵子を準備して、妊娠の準備をするという状態になっています。男性は、こういう周期はないのです。 心理の話ですから、ジェンダーの話になります。男性と女性は、生物的に、以上のような、違いがあり、特に、性ホルモンは、たとえ、子供を作らない女性でも、子供を作ることを前提に分泌されており、月経周期も、身体が、子供を作るに不適切な状態になるまで、50年近く継続します。 女性は、一ヶ月周期で、人格が変動しているとも極端に言えます。人格と言っても、個人が個人であることが変化するのではなく、感情とか思考とかに、周期的な影響が出てくるのです。 個人差が無論ありますが、男性の場合、何か外部で事件や異変がない限り、感情や思考は、一定のパターン、様式を維持しています。しかし、女性の場合、強弱の差はあっても、一ヶ月周期で変動しています。身体の周期変化と、この心理の周期変化は連関していて、調整の難しさが心理状態に反映します。身体の状態が不安定だと、男性でも、心理が不安定になり、敏感になります。 こういう意味で、心理の不安定さや敏感さが、女性性で、安定性が男性性だとも言えます。 しかし、ジェンダーは、社会的にも決まって来るのです。人間は社会的存在であるので、社会における役割や、社会が、どう男女を区別し、「あるべき姿」を社会的ノモス(ルール)として決めているかで、男性性、女性性は大きく決まっています。 この社会的ジェンダーは、母権制社会とか、父権制社会というような社会の態勢において、違って来ます。西欧は典型的な父権制社会です。日本などは、母権制社会であり、女性が社会の基盤にあったのです。徳川幕府のもとでは、女性の権利が制限されていたように見えますが、徳川将軍家や大名家、上級武士の家の仕組みなどを見ると、女性がそれなりの実権を持っていたことが分かります。儒教は、男尊女卑思想を主張し、徳川幕府は政治イデオロギーに儒教を使ったので、政治分野での女性の容喙は厳禁しましたが、それ以外の面では、庶民の家などは、女性中心であるとか、日本は母権制社会であったのです。 しかし、明治維新になって、西欧の真似をするため、上から父権制社会を強制しようとしました。天皇は、国家・国民の父であるとか、「家長」が家について、全権を持つとか、家父長制を押しつけようとして、そういう表層構造を造りました。 昭和後期は、敗戦後、経済復興を目指し、男は企業兵士となってがむしゃらに働いた時代が過ぎ、エコノミックアニマルでは、どうしようもないという時代になると、元々の母権社会が復活して来て、父権制を主張するにも、男は、その主張の「根拠」がなくなったのです。 元々、女性の身体や心理は、不安定であっても、強靱性があるのです。耐久性もあります。男の力は、瞬発力で、後が持続的にないのです。それは心理も同様で、同じような鬱屈した閉塞状態に置かれると、男性が心理的に参ってしまいます。女性はもっと耐えることができます。つまり、男性の心理で、女性の立場に立たせると、男性は、ほとんど、ダウンするのです。 平成になると、男女差がよく分からなくなったというのは、女性は元々の強靱さが、表に出てきたのであり、男性の方は、社会的に男性ジェンダーを支える現実的原理や基盤がなくなったので、役割が消えて、「男とは何か」が分からなくなったということです。 カール・グスタフ・ユングは、男女の差を、男性の心には、「アニマ」があり、女性の心には「アニムス」があるのが、その違いだと言いました。アニマとは何かというと説明していると複雑になるので簡単に言いますと、「ロマティック・アニマ」と呼ばれるものが理解しやすいでしょう。 ロマンティック・アニマは、男性には理解できない不思議な心を持ち、本心が分からず、変化する心と姿を持ち、非常に不思議で謎であり(スピンクスのようなものです)、しかも、魅力的で、心も体も魅惑されるような何かです。この不思議さは、一つに、男性の感情や思考は安定しているのに、女性の心理は、変動しやすく、何故、どういう風に変動したのか、男性には理解できないというところから生じています。またフェロモンで、男性は女性に魅惑されるということの心理的解釈なのです。 他方、女性の心のなかのアニムスは、合理的で、一貫し、冷静で、敵と戦い自分を守ってくれる戦士または戦士の集団として現れます。また、そういうアニムスにあこがれる心理が女性にはあります。『話を聞かない男、地図の読めない女』などという本があり、その本の受け売りを書いている人がいるようですが、一応、この本も一理あります。 ただし、「身体の性」と「ジェンダーの性」、更に「社会的性」というような概念を述べたように、性=ジェンダー一般は、非常に複雑です。男性脳と女性脳があり、これが、男女性であるというのも事実ですし、社会的ノモスの規定男女性役割・イメージがあるというのも事実です。それらに、更に、個人の経験や性格・才能で、個人的な男女性ができます。 アニマ・アニムスのイメージは、社会的に影響を受け、また身体的基盤による深層心理でも決まって来、個人のパーソナリティでも決まってくる(というか、アニマ・アニムスが個人のパーソナリティをあるところまで規定します)ということからすれば、男性性とは、アニムスの像であり、女性性とは、アニマの像だとも言えます。  

その他の回答 (1)

  • megumaru
  • ベストアンサー率50% (23/46)
回答No.1

性差があまり目立たなくなってきている世の中ですね。 「男らしい」とか「女の腐ったの」などという言葉は、時代錯誤ですよね。 主観で「男性性とは」「女性性とは」などと語ると、いたずらに人の反発を招きそうです……いちばん原点に帰って、性差とは、要するに子供を生むか生まないかではないかな、と思います。究極の目的は種の繁栄と保存ですから。 種の繁栄と保存のために、男性はなるべく多くの女性と接し、自分の種が生き残る確立を少しでも高めようとします。女性は妊娠期間中どうしても無防備になりやすいですから、男性を自分の庇護者とするために、一人の男性(お腹の子の父親)に執着するのではないかと思っています。 男性は戦って他のオスから女性を奪うため、または自分の子を宿した女性を外的から護るため、攻撃的になるホルモン(テストステロン)を分泌します。 環境ホルモンなどの問題で、男性がこのテストステロンをあまり分泌しなくなったのも性差が目立たなくなってきた一因であると思います。 また、現代の女性はあまりテストステロン分泌しまくりの男性をあまり好まなくなってきたようで、ますます性差は少なくなっていきます。 質問のカテゴリが「心理学」なので、答えが的外れかもしれません(^^; 生物学的な性差についてなんですが、 「脳に組み込まれたセックス―なぜ男と女なのか/デボラ ブラム (著)」 という本が面白いです。医学書でなく、ジャーナリストが書いた本なので、難しくなくて。

atsusaki
質問者

お礼

megumaruさんありがとうございます。 よく分かりました。 >答えが的外れかもしれません いえいえ、いろいろなご意見をお聞きしたかったので、全然構いませんよ。

関連するQ&A