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「いとまばゆき人の・・・」の解釈(源氏物語)
宜しくお願いします。 源氏物語・桐壺の巻での文章解釈についてです。 ごく始めの方に「いとまばゆき人の御おぼえなり」という一節が出てきます。 ここの「人」は誰を指しているのでしょうか。 私は「帝(の気に入りよう)」と解釈したのですが、ある古典テストの問題で、「桐壺更衣」と解答されているものがありました。 解答が間違っているのか、とも思ったのですが、 是非、詳しい方々のご意見をお願い致します。
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この引用された本文が諸本に異同のないことを大前提にします。 古文を読む場合ははじめに品詞分解をしますよね? 取り敢えず、「いと・まばゆき・人・の・御おぼえ・なり」 ですから 「いと(副詞)」=極めて 「まばゆき(形容詞シ活用まばゆしの連体形」=ここの解釈をちょっと後回しにします。 「人(名詞)」 「の(助詞)」 「御おぼえ(名詞)」=ご寵愛 「なり(断定の助動詞なりの終止形)」 で良いかと思いますが、「極めてまばゆい人のご寵愛だ」と訳せます。問題は「まばゆい」の意味で、古語辞典を引くとわかると思いますが、「まばゆし」の意味が一般的に「目がくらむほど美しい」とするほかに「いとわしくてまともに見られない」なんて意味もあるんですよね…。 文脈上、上達部たちの言い分として、そのあと楊貴妃の例を挙げてますからおそらく後者の意味合いが強いんでしょう。また、この箇所のみでなく、全体を見渡して、『源氏物語』の特色でもある、高貴な身分の人に対する主語は極力省略する姿勢、というのを考えますと、問題集で「桐壺更衣」となるのも自然です。たしかにこの一文とその周辺のみだと「人=帝」としたいところですが、帝を「人」って言い切る度胸は並大抵の人間にはないかと…。(そしてちょっと読んだだけですが、ほかに帝を人、と呼ぶ箇所が見当たらない) ただ、私は源氏物語の専門家ではないので深くは存じませんが、おそらくこの箇所は諸説分かれるところかと思います。 専門家がそれぞれの説をとりあげていると思うので基本的な注釈本にあたってみると良いと思います。(角川・岩波・小学館あたりからでている古典全集が基本です。下手に眉唾な文献にはいきなり当たらないよう) ちなみに、『源氏物語』は作者自筆のものが現存せず(見つかったら世紀の大発見ですね★)すべて写本か版本になります。よって、その内容に読んでいて意味が通じない箇所というのはかなり多く出てきます。(うつしているんで適当なんですよ) だからあとあと、与謝野源氏とか谷崎源氏とか瀬戸内源氏とかあさきゆめみしだなんていう小説・漫画がさまざまな解釈でもって展開できるという自由もはらんでいるのですが…。 ついでにいうと、源氏物語だけで毎年新しい論文が100はでる、というのはこの方面ですと笑えない笑い話になっています。 なので、先だってのご質問から推測するにおそらく源氏初心者であろう質問者様が原文にいきなり体当たりをするのはかなり危険です。古典を専門にやってる人間ですら回避できるなら源氏は回避したいところ(笑)。今質問者様が取り上げた一文ですら、恐らく明瞭な解答というのは判然としないかと思います。 前回も少し申し上げましたが、いきなり細部に突入するのではなく、まず、『源氏物語』とは何か、程度の入門書なんかを手に取られて、外堀から埋めていった方が源氏解釈には近道になると思いますよ。私なんかは高校の時に、「源氏は取り敢えずあさきゆめみしでいいから全部内容を把握しなさいっ!話はそれからです!」という指導を国語の先生から受けましたが、今思うと妥当な手順だったと記憶しています。 源氏専門家が舌を巻くほど、『あさきゆめみし』作者の方の理解は深いので、こういったわかりやすい書物からまずお読みになっては如何でしょうか? おおよそを押さえた上で、だんだんと、深いところまで突っ込んでいけばいいのでは。 何事もいきなり細部に突撃するよりも、対象本体を把握してから理解へ入った方が、解釈が楽ですよ。
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- nomori
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あ、済みません。「まばゆし」は形容詞ク活用ですね(汗)。シ活用なんてありません。お恥ずかしい…。
補足
いえいえ! あれだけ長文打たれたら誰だって間違えます^^
補足
非常に長文で丁寧な回答、ありがとうございます! 確かに「人」と帝を呼ぶのはまずい気がしますね。 そう考えると更衣と考えるのが妥当かと・・・ お勧めの通り、漫画などを参考にしながら少しずつ理解をしようと頑張ってます^^; 源氏って難しいですねぇ