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太刀と刀のこと
1. 太刀は佩くといい、刀は差すというのでしょうか? 2. 太刀は刃の方を下に、刀は刃を上にして帯びるとのことですが、その理由というか経緯はなぜなのでしょうか? 3. 刃を上にした場合と、それを下にした場合とでは遣い勝手は、どんな問題があるのでしょうか? 4. そのほか、太刀と刀ではどう違うのか、お教えください。
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厳密には太刀と刀は違いますが、混同されることもあります。 ここでは厳密に使うとします。 1. 太刀は佩く、刀は帯びるといいます。 腰の帯に差すのでおびるです。 太刀は刀より長く腰に差すと邪魔になり、帯に二箇所の吊り紐で下げます。 平安時代の馬上の武士絵をご覧ください。 古代腰の帯に飾りとして紐で玉を下げ、佩玉(はいぎょく)と言ったところから来ました。 2と3. 太刀は長く反りも大きいので、乗る馬の邪魔にならぬよう上向きに反らして佩びました。 刃は下向きになります。 刀は後ろの人に邪魔にならぬよう下向きに反らして帯びました。 これらは抜きやすい向きでもあります。 腰より低い位置に柄のある太刀と胸の位置に柄のある刀では、反対であることはやってみれば判ります。 4.前記にあるように太刀は長く(だいたい3尺以上)反りが大きく重いもので、切るより叩く使われかたでした。 刀の方はだいたい2尺8寸から2尺1寸で反りが小さく、切るとともに突き易く作られました。 脇差、短刀もありますが省略します。 江戸時代太刀は殆ど使われず、武士は刀と脇差のいわゆる二本差しが普通になりました。 平安から室町時代、太刀は徒歩でも使われましたが、徒歩では差せず供に持たせました。 名残に歌舞伎の「暫(しばらく)」など三本刀の豪傑が出ますが、刀、脇差の二本は下向きに、太刀は上向きに差しています。 いかにも強そうですが実際は不明。 江戸時代出版の本の挿絵には三本刀がありますが。
お礼
ありがとう御座いました。 素晴らしいご造詣で、いろいろな事項が自分の中で整理されました。 ありがとう御座いました。 幕末のいわゆる、只ならぬ世相の時には、剣に自信の志士や武士の塚は胸辺りにありますし、講釈などでは細い身の落とし差しなどで世の中を斜めに構えたりしてますね。 ありがとう御座いました。