• 締切済み

もののあわれ

「もののあわれ」について教えていただきたいのです。 それに、「もののあわれ」を表している具体的な作品も知りたいのです。 よろしくお願いします

みんなの回答

  • cyototu
  • ベストアンサー率28% (393/1368)
回答No.3

心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮 しみじみとしたもののあはれが目に浮かびますね。似たような歌に 夕されば野辺の秋風身にしみて鶉なくなり深草の里(藤原俊成) というのもあります。他の方の解説からも伺えるように、もののあはれには女性的なはかなさの中に美を見出した、日本人の繊細さが凝縮されて居りますね。でも日本人の持っている心の底には、そんな女性的な繊細さばかりではなく、それを笑い飛ばすような男性的な面もありました。 ひとつとりふたつとりては焼いて食ふ鶉なくなる深草の里(四方赤良) 貧しい環境に生きた者は、何処でも生きて行ける野生を手に入れることができます。 裕福な環境に育った者は、人間の崇高さを理解する教育を受けられたことに感謝できるときが来ます。 みずからの心の深淵を覗きこんだ者には、虚しさを笑い飛ばしている自分の力強さを感じる秋(とき)がやって来ます。

  • easy_all
  • ベストアンサー率60% (17/28)
回答No.2

No.1のご回答、みごとな文章で、敬服しました。 本居宣長「石上私淑言」に沿って、引いて行きます。 本居は歌論の一大展望を、古事記スサノヲ「八雲たつ」・万葉集の赤人「あめつちの分れし時ゆ」から説き起して、こう語る。 『さてあはれといふは、深く心に感ずることば也。 是も後世には、ただかなしき事をのみいひて、哀の字をかけども、 哀はただあはれの中の一つにて、あはれは哀の心にはかぎらぬ也。』 『あはれはもと嘆息のことばにて、 何事にても心に深く思ふ事をいひて、上にも下にも嘆ずることば也。』 (岩波文庫2003「排蘆小船・石上私淑言」170-180頁) No.1で引かれた西行の歌については、 『されば物のあはれ知る人を心ある人と言ひ、 知らぬを心なき人と言ふなり』とする。(同189頁) ついに本居は、こう断じる。 『ある人難じて曰く、 歌は物のあはれを旨として、儒仏の教えにかかはらず、すぢ異なる道なりと謂はるる、 いと心得ぬ事也。』(同283頁) 江戸期に全盛だった、儒者の朱子学への教化主義を排斥したのだ。 (津田左右吉「文学に現れたる国民思想の研究」4巻528頁、岩波書店、S50) 源氏物語・若菜の下「あはれとだに宣はせば、それを承りてまかでなむ」との言葉を指すと考えるのだが、 源氏の正妻・女三の宮に薫を生ませた、この柏木の道ならぬ恋を、 源氏は『因果応報と観じた』と、津田はする。(同1巻359頁) ただの哀しみではない、宿命に翻弄される恋を嘆じる。。。 そんな源氏物語に、本居は、日本文学の脈流を見いだした。と考えます

回答No.1

   感情移入 ~ 古代の科学から中世の詠嘆へ ~    仏教思想の「生きとし生けるもの」は、人間だけではなく、すべての 生物が、けなげに生きながら「輪廻転生」する風情を尊いと観たのです。  このような文学的感傷が、とりわけ日本において進化したのでしょう。   ♪ 心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮(西行法師) http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/tosiseibi/machi/keikan/50sen_100sen/kenchikubutsu100/p010.htm  鴫立沢は神奈川県大磯町の西端、大淀三千風の鴫立庵がある。   ♀紫 式部   作家 0973ca‥ 京都   1014‥‥ 41 /天延 1.ca‥~長和 3.以後  西行     歌人 1118‥‥ 京都   11900323 72 /元永 1.‥‥~文治 6.0216  本居 宣長  国学 17300621 伊勢   18011105 71 /享保15.0507~享和 1.0929   ── 本居宣長は、源氏物語の本質を「もののあはれ」、すなわち 「あぁ美しい」と感じる「素直な心」であると唱えました。  愛する悦びと、それ故の悲しみ・憎しみという「人間の心の大きな、 揺れ・動き」を100万字余りの文字、約800首もの歌を、54巻 で著したのが、紫式部の「源氏物語」なのです。 http://www.kirameki-story.tv/back100.html http://www.norinagakinenkan.com/norinaga/kaisetsu/momnonoaware36.html   ♀樋口 一葉  作家 18720502 東京   18961123 26 /明治 5.0325~《にごりゑ》  芥川 龍之介 作家 18920301 東京   19270724 36 /睡眠薬自殺~《羅生門》  川端 康成  作家 18990611 大阪 逗子 19720416 72 /ガス自殺~《雪国》    貧しい環境に生きる者は、しばしば死に直面します。  裕福な環境に育った者も、いつか不条理の影を直視してしまいます。  みずからの心の深淵を覗きこんだ者は、虚しさに堪えられないのです。  

関連するQ&A