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交流磁化率測定の感度を上げる方法
- 交流磁化率測定の感度を上げる方法について教えてください。
- 現在、交流磁化率測定を行いたいが、試料の小ささから感度を上げる必要があります。
- 具体的な方法や注意点について教えてください。
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再度 tanceです。 ひとつ思い出しました。巻き数の少ないコイルからの微少信号を 低ノイズで増幅するための専門のアンプがあります。 その昔、アナログレコード全盛の時代には最高級ピックアップとして moving coil 型(MC型)のピックアップがありました。これは質量を 極力小さくするためにとにかく巻き数が少ないコイルで出来ていました。 このような低インピーダンスかつ低レベル信号を高S/Nでアンプする ために専用に設計された「MC用プリアンプ」がありました。また ステップアップトランスで電圧とインピーダンスを上げて、普通の プリアンプにつなぐという手法もありました。 オルトフォンというMCカートリッジの名門メーカがありましたが、今でも 頑張っているようです。下記のURLでトランスやアンプを見てください。 http://www.ortofon.jp/product/transformer/index.html 価格は高いですが、高級オーディオですからノイズは、ボリウムを 上げても気にならないくらい少ないはずです。 もちろんこんな高級品でなくても他にもあるかもしれません。 昔は自作派もいたので部品を集めてMC用プリアンプを組むことも できるかもしれません。それだと相当安くできます。 トランスの自作は難しいでしょう。ここもチェックしてみてください。 http://www.op316.com/tubes/schema2.htm http://www2.famille.ne.jp/~teddy/schema/index.htm 一般にトランジスタのエミッタを入力につかう「ベース接地回路」を 初段に使うと、低インピーダンスの信号源に対して適切なノイズ性能を 発揮できるとされています。 現在お使いのプリアンプがどのようなものかわかりませんが、一般の プリアンプは信号源インピーダンスがある程度高いことを想定した 設計になっているのもが多いので、このあたりの改善で相当ノイズが 減る可能性があります。 YAHOOオークションやeBayなどでもMC関連製品は手に入りそうです。 それと、せっかく極低温があるのですからアンプを冷やすというのも 手かもしれません。それなりに難しいことはあると思いますが、 ノイズレベルは絶対温度の平方根に比例します。(3Kでもたった1/10 ですから大変な割には効果は疑問かもしれないですね) 半導体は低温側ではあまり悪さはしないのですが、シリコンとパッケージ 材質との間の熱膨張係数の違いから機械的に破壊が起こることが懸念 されます。
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- tance
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tanceです。 やっと様子が見えてきました。確かに圧力空間内にコイルを入れるのは 大変そうですね。1次コイルはDAC(二つ使っていますか?) を含めて全体を包むように配置することができると思いますが、2次 コイルは悩ましいところです。 1次コイルは全体に磁界を与えれば良いので、大きくても問題なく、 十分な巻き線をすることができそうです。 問題は2次コイルです。感度を上げるには資料以外のものの影響を なくすために必要最小限の大きさにしたいところですが、圧力空間 内には置けないとすると、ガスケットごと2次コイルの中に置かなくては ならないと思います。(ここまでは合っていますか?) ガスケットがSUSであり、磁界の中にあるとすると、資料よりもSUSを 計っていることになってしまいます。 また、1次2次とも、コイル内に金属があるということは周波数を 高くできない要因となります。金属に高い周波数の交流磁界を与えると 渦電流が流れて発熱します。発熱だけではなく、内部の磁界を減らす ように働きます。(マイスナー効果ではなく電磁誘導による) これでますます周波数の選定が難しくなりました。 非金属のガスケットなんてないのでしょうね。あれば相当改善できる 可能性が出てきます。 どうするのが良いのか、いまのところ私には良い解決策が思い当たり ません。2次コイルをSQUIDにするとか・・・。 検出側を圧力空間内に入れるのはリード線の処理の見当がつきません。 現在のシステムの改良に徹して考えると、補償回路は是非設けて ください。相互インダクタという部品を使うというより、資料周辺の コイルをもう一組作り、そちらには資料を入れないで、両方のコイルの 出力の差をとると良いでしょう。その際、資料を入れない方はガスケット などの金属は同じものを用意した方がよいですが、DACまではなくても 良いかと思います。(ガスケットはあらかじめつぶしておく?) アースのとりかたは、それこそ装置の具体的な配置構成や距離などが 解らないと何とも言えません。ただ、前回の参考URLにあるように 同軸ケーブルの外皮をGNDでない使い方をすると、間違いなく問題を 起こします。 現在あるノイズの原因を突き止めてください。周囲のどれかの装置を とめたら無くなるノイズもあるかもしれませんし、1kHzの信号源の 持つ位相雑音が原因かもしれません。プリアンプの入力をショートして も残るノイズは限界を意味しているので、これが問題ならばもっとノイズ の少ないアンプに代えるしかありません。その際は信号源インピーダンス が重要な要素になります。どのような信号源インピーダンスでノイズ 特性が良くなるアンプなのかを見極めてください。これを誤ると全然 低ノイスではなくなってしまいます。 周波数が超伝導に影響する理由が解りませんが、カット&トライで 出来る限り高い周波数にしていくのが良いと思います。 大した内容もないのに長々と書いてしまいましたが、制限の多い難しい 計測に挑戦されていることだけは確かです。あまりお役に立てなくて スミマセン。
お礼
ありがとうございます! 私の拙い説明でかなりご理解いただけているようで感謝感激です!! 仰るとおり、2次コイルの中に金属ガスケットが入ることになります。確かに非金属のガスケットがあれば良いですよね。無理ならせめて出来る限り抵抗の高い金属でも使うしかないと思っています。 SQUIDも少し検討中です。 2つの逆巻き同形のコイルを使っての出力の差を0にしようとは思っているのですが、全く同じインダクタンスのコイルを作ることが難しく、0に調整するために、回路(相互インダクタンスなど)ですれば簡単なのかなと思っていました。 周波数の選定は、実際にトライしてみて選んでみます。 仰られたようにプリアンプのノイズ限界とノイズ特性を調べ、プリアンプの選定もしてみたいと思います。 大変参考になります。貴重なアドバイスありがとうございます!!
- tance
- ベストアンサー率57% (402/704)
tanceです。 なにやら相当シビアな装置ですね。圧力空間がそんなに小さいとは思って いませんでした。しかも、どうやら変形によって圧力をコントロール しているように解釈しましたが、(ピストンのようなもの?)その材質 とかコイルとの距離など、いろいろなファクターが効いてきそうです。 ところで、現在の問題は具体的にはどのようなことなのでしょうか。 感度が欲しいというのは解りましたが、何故感度が欲しいのでしょう。 より精度が必要なのでしょうか。何かの検出にもっと大きな信号が 必要なのでしょうか。または、ノイズと信号を明確に区別したいので しょうか。 現在の不具合点を明確にすることで、対策の方向が見えてきます。 場合によっては感度を上げるよりノイズや変動成分を減らすことが 有効かもしれないし、その他いろいろな可能性があるかもしれません。 コイルは数ターンではあまりにも少ないように思います。電気的に みて、資料の実効比透磁率はほとんど1なのだと思われるので、 インダクタンスの変化で見ようとすると、リアクタンスが大きくなる 周波数にせざるを得ません。つまり巻き数が少ないと高い周波数に しなくてはならないということです。 得られる電圧は N * dφ/dt (Nは巻き数、dφ/dtは磁束の時間変化率) ですからどちらかを大きくするしかないわけです。 かと言ってむやみに周波数を上げると、低周波では全く問題にならな かった様々な現象が問題になってきて、かえって逆効果になることも あり得ます。周波数の決定は簡単なことではないと思います。 ぜんぜん回答になっていませんが、システムがまだ解らないので 一般論の域を出られず、そろそろそれでは意味が無くなって来ている ように思います。
お礼
ご丁寧にありがとうございます! CuBe製のDAC(ダイヤモンドアンビルセル)という圧力セルを使います。試料の周辺には、ダイヤモンド、金属ガスケット(SUSなど)、圧力媒体(NaClなど)があります。 感度という言葉を、ノイズを減らすことなども含めた意味合いで使っていました。失礼しました。目標は、高圧力下において(微小な試料を用いても)交流磁化率測定ができるようにすること(超伝導転移や反強磁性転移などの変化を観測できるようにすること)です。 問題としては、信号が小さすぎるようで、超伝導転移などの変化量が、ノイズレベルを超えていない(観測できていない)点です。この原因として考えているのが、以下のことなどです。 1.コイルの形状(ターン数、距離) 2.2次コイル側のシグナルの不平衡(回路による調整) 3.アースの取り方 4.測定条件(周波数など) 現状、試料サイズを大きくすることや、コイルのターン数を増やしたり距離を縮めたりすることは難しいので、試料からの信号の増加を見込むのは難しいです。単純に周波数を上げると、超伝導などを壊す恐れや、インピーダンス整合の問題などもあると思いますので、まずは2と3から解決し、ノイズレベルを小さくすることでS/N比を上げる必要があるかと思っています。
- tance
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tanceです。 圧力に耐えるために薄い巻き枠が作れないということですね。だとすると やはり圧力中にコイルを置く方が良いと思います。コイルを小さくする ことは感度アップには大きく貢献するはずですので、万難を排して実現 するべきだと思います。 圧力空間内にコイルを入れると3ターンしか巻けなくて変形もする、 ということとでしょうか。これはどうしてでしょう。巻き数も1kHzに 見合った巻き数が感度アップには必要です。 単純に考えると巻き数は多い程良いのですが、上限の制約もあります。 たくさん巻くとどうしても外周は径が大きくなるので資料から遠くなり 効率が良くありません。また、寄生容量が増えて自己共振周波数が 下がって来ます。これにより、感度が共振状態の変動に大きく影響 されるようになります。従って、自己共振周波数は1kHzよりずっと高い 方が無難です。とはいえ、空芯で小さく巻くのですから何1000ターン も巻けるわけではないので、自己共振はほとんど忘れて良いと思います。 超伝導による影響はよくわかりません。極低温で動作するのでしたら 熱伝導の悪い線をつかう必要はないのでしょうか。そこまで低温に なると常温の常識は当てはまらないのでしょうか。コンスタンタン線 などを使っているケースをよく見ます。そうなると定電流駆動にした 方が安定なドライブができます。(線の抵抗が大きいから) (逆に途中の線で発熱されたらもっと困るのかもしれませんね) はんだにはスズが入っているから超伝導の圧力の影響が問題になるので しょうか。もしそうなら圧着とか別の接続方法を考える必要があるの かもしれません。(よくわかりません) 補償回路というのは、同じ作りのコイルを、資料を入れないで同じ環境に 置き、その出力との差をとることと解釈してよろしいでしょうか。 そうだとすると、差をとることで出力の無駄な部分が小さくなり、 信号が浮き彫りにされます。そうすると、もっとアンプすることができ 感度が上がります。 回路的には差動ブリッジのように組みます。参考URLも見てください。 (あまり良い例ではないかも) アースのとり方は本当にいろいろなことを考慮する必要があり、この テーマだけで本が何冊も出版されています。上記のブリッジ構成に すれば必然的にアースしない回路構成になります。
お礼
重ね重ねありがとうございます。 高圧力発生のため、試料が入るスペース(圧力空間)が、大きく見積もってもφ300μm×100μm(厚み)程度になります。圧力をかけていくと厚みは小さくなっていくので現在持っているφ0.04mmの被膜付銅線では、がんばっても2ターン程度になります。スパイラル状にしたとしても数ターンになります。ちなみに1kHzにみあった巻き数とは何ターンくらい必要かという目安があるのでしょうか? 補償回路と私が呼んでいたのは、参考URLで紹介いただいた図で言いますと、相互インダクタンスや抵抗のブリッジ回路などです。相互インダクタンスは、2次コイルの不平衡をなくすためなのは何となくわかるのですが、抵抗のブリッジ回路は、位相の調整のためですか? もしそうであれば、ロックインアンプで位相を0に調整する機能があると思うのですが、それはダメなのでしょうか?また抵抗値はどのように決めてらっしゃるのでしょうか? P.S. 相互インダクタンスを探しているのですが、ご存知であれば業者を紹介していただければ幸いです。
- tance
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磁化率自体の測定に詳しいわけではないのですが、一般に交流の微少 変化(差)を高感度に測定するための方法論をお話しします。 やはり、対象物が小さいのならコイルも小さくしないと感度は上がらない ように思います。スペースがなくて小さくできない、というところが ちょっと理解できません。φ0.05くらいの線をφ0.3くらいの径で巻く ことはできないでしょうか。 周波数の選定は問題ないように思います。1kHzという周波数は良いアンプ なら1/fが現れない周波数ですし、無駄な帯域によるランダムノイズも 少なくできます。ロックインアンプの性能もちょうど良い周波数なの ではないでしょうか。 インピーダンス整合は気にしなくて良いと思います。 銅線のコイルとケーブルの接続で信号損失が出るかという点ですが、 普通に半田付けすれば損失は出ません。 本当に微少な信号を測定する場合は接触電位差が問題になることも ありますが、両方が銅ならまず問題ありません。(半田とは異種金属の 接触になりますが、半田の部分に温度差はないと思われるので、問題 ない)そして、何よりACには接触電位差はまったく問題になりません。 あらゆる部分でインピーダンスマッチングは気にしなくてよいです。 1次コイルのドライブは定電流でのドライブの方が温度特性などが 良くなると思いますが、事実上どちらでも大差はないのではないで しょうか。 2次コイルはブリッジか何かになっているのでしょうか。 測定中のコイルの振動には気を付けた方がよいと思います。
お礼
回答ありがとうございます!! 少し説明不足ですいません。 スペースがないというのは、圧力セルを用いるので3mm以上くらいが限度でして、圧力が実際にかかる圧力空間内にコイルを入れることもできないことはないかもしれませんが、3ターン程度になり変形もしてLが変化すると思います。ご指摘いただいた形でのコイルも試してみたいと思います。 1次コイルのドライブは、実験で低温(~1K)まで冷やすので、1次コイルとロックインアンプを結ぶ経路に半田接続の部分があり、超伝導になると思うので、それが励起磁場を変化させ、平衡条件が変わるのではないかと思いました。 2次コイルは単純にコイルだけでして、補償回路を作らなければいけないとは思いながらも、回路に疎いものでジタバタしております。何かアドバイスをいただければうれしく思っております。 少しそれた質問になるのですが、アースのとり方も重要な気がするのですが、2次側のコイルの片方をアースしている回路や、アースしていない回路などありますが、信号が微小ならばアースしない方がいいとかありますか?わかりにくくてすいません。そのあたり知識ないもので。 よろしければ、ご教授お願いします。
お礼
ありがとうございます! プリアンプを冷凍機の中に入れることは難しいと思いますが、 MC用プリアンプを考えて見たいと思います。 また質問することがあるかと思いますがそのときはよろしくお願いします。 tance様ありがとうございました!!