堤中納言物語は面白いですよネ。
昔よく読みました。肩がこらないので好きです。
さて,問題の虫めづる姫君は按察使大納言の娘が主人公の段ですよネ。
按察使大納言は正三位相当ですから,今で言う政務次官であり,同時に按察使(地方行政査察官)を兼務していた方ということですネ。
そこそこの階級の方の娘ということになりますネ。
実在の方なのかどうかは存じません。
本名も知りません。
通り名として「按察使大納言の姫君」であったであろうということは想像できますけど。
ただ,按察使である父君と共に地方にもよく行かれていたのではないでしょうか。
そのために都の形式に囚われた文化ではなく,もっと開放的な進歩的な考えをもっていたのではないかと思います。
家来につけていたあだ名としては;けらを(螻蛄男;昆虫のオケラ),ひきまろ(蟇麻呂;ヒキガエル),かなかたち(カナヘビ),いなごまろ(蝗麻呂;イナゴ),あまびこ(雨彦;ヤスデ)といったものが例示されていますネ。
こんな名前で呼ばれた家来達も可哀相ですが。
堤中納言物語は当時の風習や生活などを記したものとされていますが,様々な思い入れによる誇張や創作も入っているのではないかと個人的には思っています。
文学については完全に素人ですから,ここに書いた自説は専門家からみると的外れかもしれませんが,ご参考までに。
以上kawakawaでした