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半導体 空乏層

半導体工学におけるPn接合をすると再結合により空乏層ができるが、 再結合はどのような原理で構成され、また、P,Nそれぞれの空乏層がどれぐらいの厚さなのですか? 詳しくお願いします。

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  • semikuma
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回答No.1

・再結合と空乏層の簡単な説明 電子が充満しているべき領域から電子が抜け出た"穴"が正孔です。 電子と正孔が出合えば、電子は"穴"に落ち込んで"再結合"します。 このとき、直接遷移型半導体であれば電子の持っていたエネルギーを光として放出しますが、間接遷移型であれば熱として放出します。 P型半導体には正孔が、N型半導体には電子が豊富に存在しますが、 これらを接合すると界面から正孔と電子がお互いに流れ込み、同数ずつ再結合して空乏層が構成されます。 ・もっと詳細な説明 多くの原子では最外郭電子がSP3混成軌道を構成し、この4本の軌道が各2個ずつ(計8個)の電子で埋められたときに最も安定化します。(最もエネルギーが低い状態となる)。 SiのようなIV族原子は最外郭電子が4個なので、隣り合う4個の原子と1個ずつの電子を共有することでダイヤモンド型結晶を構成し、安定化します。 ここにB(ホウ素)のようなIII族原子をドープすると、最外郭電子が3個なので不安定となり、隣の原子から電子を1個奪って安定化しようとします。 電子を奪われた原子は更に隣の原子から電子を奪い・・・と、次々に電子の不足状態が伝播するのが"正孔"です。 (だから正孔の移動速度は遅い=有効質量が大きい) このように正孔が豊富に存在するのがP型半導体です。 尚、ドープされたIII族原子(電子を受け取るので"アクセプタ"と呼ばれる)は、元々最外郭電子が3個だったのが4個となることで、その原子だけに注目すれば負に帯電しています。(巨視的には電気的に中性) 逆にN型半導体ではV族原子(電子を供給するため"ドナー"と呼ばれる)をドープすることで、電子が豊富な状態となります。 ドナーは正に帯電します。(あくまでも、巨視的には電気的に中性) P型半導体とN型半導体とを接合することで電子と正孔が再結合して消滅し、界面には帯電したドナーとアクセプタによる空間電荷が発生します。 帯電したドナー、アクセプタはそれぞれ正孔と電子に対して斥力を生じ、それらがバランスした状態でキャリアの流出が停止します。 そして界面付近にキャリアがない状態が生じたのが"空乏層"です。 ・空乏層の厚さ 階段接合の場合は、高校で習うコンデンサの式から簡単に計算できます。是非自分で計算してみてください。  コンデンサの容量 C=εS/d ε:誘電率 S:電極の面積 d:電極間の距離  蓄えられる電荷の量 Q=CV V:電極間の電圧 PN接合の場合、Vは正確にはドナー準位とアクセプタ準位のエネルギーレベル差ですが、ハイドープした場合はバンドギャップEgで近似できます。 (Siの場合Eg=1.12eV、1eV=q[V]) 空間電荷の量 ドナー濃度Nd[cm-3]、アクセプタ濃度Na[cm-3]、N型層内空乏層幅dn、P型層内空乏層幅dpとして、  Q = Nd・dn・S = Na・dp・S [個] 通常はNdもNaも10^(-15)から10^(-18)[cm-3]レベル 求める空乏層幅  d = dn + dp [cm] ※計算するときは単位に注意

kata0102
質問者

お礼

大変参考になりました。また機会がありましたら、回答のほどよろしくお願いします。

その他の回答 (1)

  • semikuma
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回答No.2

おっと、いくつかの誤記がありましたので訂正しておきます。 1eV=q[J]=1[V] NdもNaも10^15から10^18[cm-3]レベル (但しどちらも15乗レベルということはほとんどない)

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