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燃料電池の水素の電離
今化学の授業で電池のしくみをやっているんですが、燃料電池の負極で水素が電離する理由がわかりません。水素は共有結合によって作られた分子結晶で簡単には電離しないんじゃないですか?燃料電池のメカニズムはわかったんですがそこだけがどうもわかりません。教えてください。
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- jamf0421
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水素分子は共有結合ですが、水素ガスは分子結晶ではありません。 ここ何年も話題になっているPEFC(固体高分子燃料電池)を例にとりますと、電極にPt/カーボンが使われます。Pt上に水素は容易に解離吸着します。 Ptは空気中では表面はPtsO(Ptsは表面白金)になっていますが、これを室温で真空にし、注意して水素還元して表面酸素を除いてから脱気すれば金属表面が出ます。これに水素を入れてやれば室温で吸着します。 H2+2Pts→2H*Pts これが解離吸着であることも容易に証明されます。 燃料電池ではアノード(燃料極)で解離吸着した水素はH+(水素イオン)とe(電子)に別れ、H+はフッ素系ポリマー のスルフォン酸基を伝って、e-は回路を流れてカソード(酸素極)へ行きます。ここで電流が取り出せることになります。 2H*Pts→2Polymer-SO3-H+ + 2e-(回路)+2Pts ここでPtsH→[担体のカーボン]-H → e- + Polymer-SO3H+ の活性化エネルギーは小さく、容易に進行できます。(それでも触媒調製技術と電極調製技術の改良工夫は十分意味を持っています。) カソード電極でもPtが使われ、その触媒作用により (1/2)O2 + 2H+ +2e-→H2O で水となります。このように進ませる力は、電気分解で電圧をかけてエネルギーを入れて水を水素と酸素に分けたのと反対で、水素と酸素は結びついて水になった方が全体としてエネルギーが下がって得である、ということです。 しかし水素と酸素ただ混ぜて触媒を入れてしまうと、燃焼または爆発で熱エネルギーを放出し水になってしまいます。電子だけ通れる道と、水素イオンだけが通れる道と、酸素と反応する出口があれば、(そして途中のバリヤーが触媒などで低くなっているならば)、水を作って安定化するためにその方向へ進行し、電気エネルギーを放出するということす。(あんまり上手でない説明ですが...)
水素は比較的酸化されやすく、特に金属格子中では原子状態になって存在し、場合によっては金属を通り抜けてしまうことがシられています(最近流行らないがスピルオーバーなどと呼ばれたこともある) H2 → H2^+ + e^- H2^+ → H^+ + H^・(水素ラジカルないしは水素原子) H^・ → H^+ + e^- となります。