企業研究というのは、その企業の業務内容、経営指針、業績、風土など、その企業のあらゆる情報を得ることでしょうね。結論を言えば、自分の夢の実現がその会社で可能かどうかを判断するための情報を得るために行うものだと思います。一社にどれくらい時間をかければいいかは人それぞれですが、志望する会社に対しては自然と熱が入り、その会社で働いている人に実際に会って、話を聞いたりすることもあるでしょうね。もちろん、学校の試験も大切ですから、まずはそれをクリアして下さい。活動時期については、申し訳ありません、私の時代から少し変化しているようで、正しいことが申し上げられないので、近い先輩などに聞いてもらえればと思います。
少し話がそれるかもしれませんが、参考までに私が行った就職活動について、感じたことをお話しします。私は平成6年の大学4年時に就職活動を行いました。最初の頃の面接では、自分という人間を演出して10あるところを20,30にして演じることに躍起になり、別人のように振舞っていましたが、活動も中盤に差し掛かる頃から、自分の今後40年の人生を決める出会いの場で自分を偽っていることに疑問を感じるようになり、後半は本当の自分をさらけだすことに努力した結果、最も志望の強かった3社を含む5社から内定を得ることができました。
私は、就職活動は、様々な業界で働いている方々から生の話を聞くことができる良きチャンスだと思い、活動序盤は、自分の第一志望でない業界の方にも積極的に会ってもらい、話を伺いました。そうすることで、多くの新しい発見が生まれたり、また自分の志望する業界についても、これまでとは違った視点から捉えられるようになりました。もちろん活動も佳境に入ってくればそんな余裕もなくなってくるでしょうが、時間の許す限りはなるべく多くの方にお会いして話を伺うことは非常に有益なことだと思います。
企業の選択にあたっては、「これから自分が何をしたいのか」「どのような人生を歩み、どういった夢を持って生きていくのか」ということを良く考えた上で、それを実現できる企業を選ぶべきだと考えました。しかし、就職活動においては、そうは言ってもイニシアチブは企業側にあることを痛感せざるを得ないし、それは否定できません。そんな中で必要なのは、自分がどのような人間であり、自分がその企業に入ったら何ができるのかを、十分かつ的確にアピールすることです。そのためには、おっしゃるような企業研究ももちろん重要ですが、自分自身についても十分な研究が必要になってくるのです。
今の時代も不景気で大変なときだと思いますが、私の時代も就職氷河期と呼ばれた厳しい時代でした。しかし、どんなときでも大切なのは、自分にはどんな能力があって、それをどのように活かせるかを。十分な裏づけを持って、主張することです。そうすれば例えどんな厳しい状況に身を置かれても、自ずと結果はついてくるものです。
今、振り返れば、就職活動は、これまでの自分を見つめなおし、これからの自分の生き方を真剣に考えることができる、非常に価値のあるものでした。自分の弱味を強制的に露にされることもありましたが、それを変えていかなければ、というポジティブな自分がそれによって生まれたのは確かです。当時、これから社会に出て行かなければいけないという不安だらけのなかに、就職活動を経験したことによって、ほんのちっぽけな矜持が生まれたような気がしました。
最後に、winterさんのこれからの充実した就職活動、そしてよい結果を、心よりご期待いたしております。