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ヘモグロビンの酸素結合曲線について
ヘモグロビンの酸素結合曲線はシグモイド型であるみたいなのですが、 このようになる理由や利点がいまいちよくわかりません。 もしわかる方いましたら回答お願いします。
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メカニズムとしては、高等なヘモグロビンでは四量体をなすということが関係しています。あるサブユニットに酸素が結合すると、他のサブユニットに影響を与え酸素との親和性を高めます(ヘム間相互作用)。酸素と結合したサブユニットが増えるほど未結合のサブユニットの酸素親和性が高まるので、ある程度の酸素濃度を超えると急激に飽和度が高くなります。 試験管内の実験でpHをコントロールしているような場合、低酸素条件では酸素飽和曲線は直線的です。しかし生体内では、低酸素状態では、炭酸濃度が高く、またその影響でpHが低下します。また無酸素呼吸で増える解糖系の産物が増えます。低pH(ボーア効果)、炭酸やある解糖系の産物とヘモグロビンの結合は、どれも酸素親和性を下げヘモグロビンから酸素が解離しやすくなります。 以上の効果が合わさって、全体としてある程度より好気条件で急激に酸素飽和度が上昇し、嫌気条件で急激に低下するシグモイド曲線になります。 酸素を運搬するには酸素と親和性が高いほどいいですが、組織に酸素を与えるためには酸素が解離しやすくなければなりません。この相反する要求を満たすのがシグモイド型の酸素飽和曲線です。単に酸素濃度依存して直線的に酸素飽和度が決まり、濃度差による拡散だけで組織に酸素を与えるのでは、人間のような複雑な体制をもつ動物の隅々まで酸素を届けることができません。
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4量体(α×2、β×2)の事をおっしゃっているのでしたら、シグモイドと言うより履歴曲線(ヒステリシス)でしょうね。 酸素濃度が小さい所での結合定数が小さく、濃度の大きい所での結合定数が大きくなります。 これは酸素濃度の高い肺で大きな酸素吸収を、酸素濃度の小さい末梢組織で酸素放出を高めるのに向いています。
お礼
回答ありがとうございます。 大変よくわかりました。