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ショウジョウバエ胚における背腹軸性の成立
これについて、素人(といってもある程度の知識はありますが専門ではありません^^;)にも分かりやすく説明してくれる方を募集! 流れ図なんかで説明していただけるとうれしいです。 《例》(遺伝子名) ↓ ←作用など (産物名など) 文献を読んでるのですが、文章が複雑であたまが混乱している状況です。 よろしくお願いします☆
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えーと、もう解決してしまったでしょうか? ちょっとどこが具体的に分からないのか分からないので、簡単に概略を書いておきます。 まず、Tollという蛋白質のレセプターが腹側の胚表面に分布しています。 発生の初期には、Dorsalという蛋白質とそのmRNAが胚全体に分布しているのですが、胞胚期にTollレセプターに胚の外からTollが結合すると、一連の反応によって、レセプターがある腹側ではDorsalが胚表面の細胞の核に局在するようになります。 そして、腹側から背側の胚表面にかけてDorsal蛋白質の勾配ができます。 続いてこのDorsal(略称Dl)が核内で転写因子として働き、いくつかの遺伝子を活性化あるいは抑制して、さらに細かい背腹軸の極性を作っていきます。 具体的には、Dorsalの濃度が最も高い腹側ではtwistという遺伝子が発現し、Dorsalの濃度が最も低い背側ではdpp(←略称。=decapentaplegic)という遺伝子が発現します。 これはDorsalがtwistを活性化し、dppを抑制した結果です。 また腹側と背側の真ん中の部分では、dppは抑制されるがtwistが活性化されるほどではないDorsalの濃度のため、sog(←略称。=short gastrulation)という遺伝子が発現します。 DppとSogは互いに抑制し合うようです。 そして次にDppの濃度勾配によって、tail-up、u-shaped、pannier、tolloid、raceなどの遺伝子がそれぞれ違う位置で発現し、背側に特徴的な組織を形成していきます。 多分実際の流れはもっと複雑で、活性化や抑制のメカニズムも入り組んでると思うのですが、とりあえず概論としてはこれで十分だと思います。 (例えばSog―|活性化|→○○○―|抑制|→○○○―|活性化|→dpp mRNA のような流れの結果、"SogはDppを抑制する"と説明されたりなど。) 図で示すと、 Toll ↓(活性化) Toll Recepter@腹側 ↓(活性化) Dorsal―――――― ↓(活性化) ↓(抑制) Twist Dpp ↓ ↓(いろいろ) ? tail-up、u-shaped、pannier、tolloid、race ちなみに、どうしてDorsalは「背側」という意味の単語なのに腹側に分布するのかというと、Dorsalを欠損した突然変異体は、Dppを抑制できないために、胚全体が背側の特徴を持つようになってしまうためだそうです。 同じように、ショウジョウバエの目を赤くする遺伝子は、欠損すると目が白くなるため、名前がwhiteになっています。 ちょっとややこしいですが、こういう風に遺伝子の名前は決まるのだそうです。
お礼
うわ~☆overthisgraysky様!! またまた私の質問にお答えいただいてありがとうございます(>_<) 感謝感謝です~!! もうレポートはなんとか提出したのですが、課題にされた英文の通りのお答えで、訳に自信がなかったのですがほっといたしました☆本当にありがとうございました♪