えーと、もう解決してしまったでしょうか?
ちょっとどこが具体的に分からないのか分からないので、簡単に概略を書いておきます。
まず、Tollという蛋白質のレセプターが腹側の胚表面に分布しています。
発生の初期には、Dorsalという蛋白質とそのmRNAが胚全体に分布しているのですが、胞胚期にTollレセプターに胚の外からTollが結合すると、一連の反応によって、レセプターがある腹側ではDorsalが胚表面の細胞の核に局在するようになります。
そして、腹側から背側の胚表面にかけてDorsal蛋白質の勾配ができます。
続いてこのDorsal(略称Dl)が核内で転写因子として働き、いくつかの遺伝子を活性化あるいは抑制して、さらに細かい背腹軸の極性を作っていきます。
具体的には、Dorsalの濃度が最も高い腹側ではtwistという遺伝子が発現し、Dorsalの濃度が最も低い背側ではdpp(←略称。=decapentaplegic)という遺伝子が発現します。
これはDorsalがtwistを活性化し、dppを抑制した結果です。
また腹側と背側の真ん中の部分では、dppは抑制されるがtwistが活性化されるほどではないDorsalの濃度のため、sog(←略称。=short gastrulation)という遺伝子が発現します。
DppとSogは互いに抑制し合うようです。
そして次にDppの濃度勾配によって、tail-up、u-shaped、pannier、tolloid、raceなどの遺伝子がそれぞれ違う位置で発現し、背側に特徴的な組織を形成していきます。
多分実際の流れはもっと複雑で、活性化や抑制のメカニズムも入り組んでると思うのですが、とりあえず概論としてはこれで十分だと思います。
(例えばSog―|活性化|→○○○―|抑制|→○○○―|活性化|→dpp mRNA のような流れの結果、"SogはDppを抑制する"と説明されたりなど。)
図で示すと、
Toll
↓(活性化)
Toll Recepter@腹側
↓(活性化)
Dorsal――――――
↓(活性化) ↓(抑制)
Twist Dpp
↓ ↓(いろいろ)
? tail-up、u-shaped、pannier、tolloid、race
ちなみに、どうしてDorsalは「背側」という意味の単語なのに腹側に分布するのかというと、Dorsalを欠損した突然変異体は、Dppを抑制できないために、胚全体が背側の特徴を持つようになってしまうためだそうです。
同じように、ショウジョウバエの目を赤くする遺伝子は、欠損すると目が白くなるため、名前がwhiteになっています。
ちょっとややこしいですが、こういう風に遺伝子の名前は決まるのだそうです。
お礼
うわ~☆overthisgraysky様!! またまた私の質問にお答えいただいてありがとうございます(>_<) 感謝感謝です~!! もうレポートはなんとか提出したのですが、課題にされた英文の通りのお答えで、訳に自信がなかったのですがほっといたしました☆本当にありがとうございました♪