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刑事訴訟法:捜索の場に居合わせた者の所持物に対する捜索
7月21日に実施された旧司法試験・刑事訴訟法の問題です。 「第 1 問 警察官は,甲に対する覚せい剤所持被疑事件に関し,「甲が宿泊中のホテルの客室」を捜索場所,「覚せい剤」等を差し押さえるべき物とする捜索差押許可状の発付を受け,同客室に赴いた。証拠が隠滅されることをおそれた警察官は,ホテルの支配人に協力を求めてマスターキーを借り受け,来意を告げることなく,マスターキーでドアを開錠し,同客室内に立ち入った。 [ 中 略 ] 同客室内には甲の知人らしき乙が居合わせており,同人がボストンバッグを携帯していたことから,警察官は乙に同バッグの任意提出を求めた。しかし,乙がこれを拒否し同バッグを抱え込むような態度をとったため,警察官は,乙の抵抗を排除して同バッグを取り上げ,その中を捜索したところ,ビニール袋に入った覚せい剤を発見したので,これを差し押さえた 以上の警察官の行為は適法か。」 → 捜索の場に居合わせた被疑者以外の者の所持物に対する捜索の可否の問題です。 この点については,最高裁平成6年9月8日判決の趣旨等を考慮して,同居人等と同等に捜索対象物件の所持を認めうる状況にある場合,捜索場所の一部として,その者の身体や所持物に対する捜索が認められると理解しています。そして,乙について,捜索対象物件の所持を認めうる状況にあると認定し,乙のボストンバッグに対する捜索・差押えは適法であると論述しました。 【質問】 問題文は,「甲の知人の乙」という文言ではなく「甲の知人らしき乙」という文言を用いていますが,これは,解答の上でどう影響するのでしょうか?
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私はほとんど影響しないのではないかと思います。 ただ、「ホテルの客室」にいる「知人らしき人物」と、判例の事案における「マンション居室」の「同居人」とでは捜索差押の許容性に違いが生まれるのではないかと思います。もっとも、この違いも「知人」でも「知人らしき人物」であっても同じではないかと思います。
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- ok2007
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問題文の表現から判断するに、その警察官の目から見た事実関係を挙げているものと思われます。 そうであれば、「甲の知人らしき乙」という表現になりましょう。 あとは、実際に知人であったか否かが結論に影響すると判断されれば論述すべきでしょうし、影響しないと判断されれば論述しなくても大勢には影響がないでしょう(後者と判断したときは、「乙が実際には甲の知人でなかったとしても、結論は同様である」などとひとこと触れれば足りましょう)。
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ご回答ありがとうございます。 おっしゃるとおり,警察官の目から見た事実関係であることから,このような表現になっているのでしょう。 私も結論に影響するとは思えず,しかし,どう書いていいか分からなかったので,「知人」であるとして論述しました。 本件は覚せい剤被疑事犯であることもあって,ホテルの同室に居合わせた者は,判例の事案である同居人(被疑者の内妻)と同様に捜索・差押に係る目的物を所持している可能性が高いとして,捜索・差押を適法と論述しました。 このようなことから,知人でないとしても,結論に違いは生ぜず,たぶん,一言「仮に知人でないとしても,所持の可能性は異ならず,結論に影響しない」と添えればよかったのでしょうね。
お礼
ご回答ありがとうございます。 私も結論に影響するとは思えず,しかし,どう書いていいか分からなかったので,「知人」であるとして論述しました。 ご指摘の許容性の点,判例の事案と異なることは,私も分かりましたので,「許容されないとも思われる」とした上で,「しかし」として,本件が覚せい剤被疑事犯であることもあって,ホテルの同室に居合わせた者は,同居人と同様に捜索・差押に係る目的物を所持している可能性が高いとして,捜索・差押を適法と論述しました。 このようなことから,知人でないとしても,結論に違いは生ぜず,たぶん,一言「仮に知人でないとしても,所持の可能性は異ならず,結論に影響しない」と添えればよかったのでしょうね。