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分子軌道法
分子軌道法とは何かを教えて下さい。 そして水素分子は安定であり存在するが、ヘリウム分子は不安定で存在しないのはどうしてかを分子軌道法の観点から教えて下さい。 式ではなく言葉でお願いします。
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- jamf0421
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No1さんの言われるように至難の業と思います。いい加減な理解で知識不足の者の人間の初等的説明だと思って下さい。 水素原子が二つで分子をつくる時、電子1は運動エネルギーの他に、原子核1と2からの引力、電子間の斥力のポテンシャルエネルギーをもちます。電子2も同様です。電子間の斥力ポテンシャルエネルギーを電子1の座標に依存する部分と電子2に依存する部分に振り分けて、電子一つ一つに対応するエネルギー演算子(Hamiltonian)を作ります(h(r1), h(r2))。全体のHamiltonian(H)は、これら一つ一つのHamiltonianの和(h(r1)+h(r2))と考えます。分子中の一電子の運動を表す波動関数を(原子の中の電子状態をあらわす波動関数を原子軌道というのに対して)分子軌道といいます。 一電子波動方程式について hφ=εφ...(1) としてφ(固有関数)を解き、固有値としてのエネルギーを出せばよいことになります。でもこれがそう簡単にとけないのです。そこで固有関数を、もとの原子軌道(今の例なら水素原子)の一次結合で表そうというのが一番古典的なLCAO MO法です。一次結合ですから定数を掛けて足しますが、その定数を決めるのに変分法を使います。 以上の手法でなんとか(1)を解くと、εについて高い値と低い値が出てきます。 ε=(haa±hab)/(1±Sab)(複合同順)...(2) haa, hab, Sabはそれぞれクーロン積分、共鳴積分、重なり積分と呼ばれます。haa<0, hab<0,Sab>0のように考えて下さい。さて、(2)の複合で+の方がエネルギーが低いので、電子が2つそこに入れば、原子のままでいるよりもエネルギーが得になり、分子を作ります。 ヘリウムは原子核が+2で電子が4個になります。同様の計算をすると、(2)に類似するエネルギーレベルは出るのでしょうが、今度は電子が4個で、一つの軌道は2個しか入れないので、エネルギーの高い軌道((2)の複合が-のもの)にも電子が2つ入ります。そうすると全体のエネルギーの利得がなくなります。よってヘリウムはばらばらのままで、分子をつくりません。
ご質問の件に付き、式も、図も使わずに、言葉だけで説明できる人はノーベル賞もらえます。