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分子軌道法の役割?
先日、量子力学の位置づけを質問した者です。 今回は、波動方程式と原子価結合法、分子軌道法の役割について、教えていただきたいと思います。 むずかしい話はついていけませんので、以下の解釈がおかしくないかだけ教えてください。 1.波動方程式は原子や分子内の電子の状態を説くもの。 2.原子価結合法や分子軌道法は波動方程式を解くための条件付け的な役割を担う。 専門家には力のぬける質問で申し訳ございません。
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私もそれほどは詳しくないのですが、次のように解釈できると思います。 波動方程式(Schroedinger方程式)は、原子中や分子中の電子の状態を司っている方程式です。 ところが方程式が存在することとそれが実際に解けるかは別問題です。oyoyorikigakuさんは既にご存じかとも思いますが、波動方程式を数学的に厳密に解けるのは水素「原子」についてだけ(電子が1個だけ)です。水素「分子」ですらもはや厳密解は求めることができないのです。(専門的な用語では「多体問題」といいます) そこで水素原子以外の原子・分子については何らかの近似をとり入れて解く必要があります。それが原子価結合法や分子軌道法です。原子価結合法や分子軌道法は波動方程式に基づく技法であり、波動方程式を解くための条件付け、というものではないはずです。 まとめると -波動方程式: 電子状態を解くための根本となる方程式。常に正しいが、数学的厳密解を求めるのは水素原子以外不可能である。 -原子価結合法、分子軌道法: 原子や分子内の電子の波動方程式を近似的に解くための技法。 ということになるかと思います。 oyoyorikigakuさんがご質問の文章で書かれているお考えは、少し違うように思われます。 とりあえず、下記のページなど参考になると思います。(このページからpdfでダウンロードできる「講義メモ」もご参考に) http://mole.rc.kyushu-u.ac.jp/~fuchita/ChemicalBonding/10th/
お礼
ありがとうございます。 おかげさまで頭の中が整理できました。 教科書では,なかなか素人の視線に合わせた記述がされていないので苦しんでいます。 とてもわかりやすい解説で感謝しております。 今後ともよろしくお願い致します。