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死亡者の占有権・所有権
死亡者の者を盗むと窃盗になるのですか? (強盗目的で殺したりしたわけではなく、窃盗の目的で窃取した物が死んだ人のものだったり、ただ単にその人が死んでいるのを知ったうえで窃取した場合) それとも死亡者は占有権をもたないとして占有離脱物横領になったりするのでしょうか。 そもそも、死者に所有権あるいは占有権があるのか教えてください。 ややこしくてすみません。 概念もきちんと整理できていないので、間違い等もあれば指摘してください。
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死者の占有は,それ自体争いのある論点です。なので,一概に窃盗になるとか,占有離脱物横領になるとか答えることはできません。 学説上,大きくは,(1)「死者の占有」又は死者の「生前の占有」の継続を認める立場(窃盗罪を認めやすい)と,(2)死者について占有の概念は認められないとする立場(占有離脱物横領しか認められない)に分かれます。 判例は,全体として観察して,死亡直後には生前の占有の継続を認める立場に近いと考えられますが,どのような場合に継続を認めるのか,という点については,これまた論者によっても異なりますし,裁判例もケースバイケースです。(死亡後3日以上経ってから室内の物を奪った行為を窃盗としたものもあるし,9時間後に殺害現場の部屋に戻って財物を持ち去った行為を窃盗にあたらないとしたものもあります) 個人的には,天涯孤独の人の家が空き巣にあったが,その人は登山中の事故で死亡していた。というような場合に,死亡と空き巣の実行行為の前後関係が不明な場合等を考えると,生前の占有の継続が存在する場合を認める必要があるように思います。
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- watch-lot
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死者が所有していたもの(財産)は相続権をもつ相続人が所有権を引き継ぐものです。 したがって占有離脱物横領や遺失物等横領ではなく、窃盗です。
お礼
回答ありがとうございます。 なるほど確かに、相続するはずの人からしてみたら窃盗ですよね… 他の方の意見とも併せて、参考にさせていただきます。
- nob_004
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場合分けして考えるとわかりやすいです。仮に所有者をAさん、客体をAさんの腕時計とします。 1.腕時計を自分の物にするつもりでAさんを殺した。 強盗殺人罪になります。 2.Aさんの死体から腕時計をとった。 原則として窃盗にはなりません。既に死んでいるAさんには「所有の意思」が認められないからです(よって所有権、占有権とも認められません)。この場合は「遺失物等横領」になります。 例外的に、Aさんを(腕時計を奪う目的でなく)殺した直後に「毒食らわば皿まで」とばかりに腕時計を奪ったときには窃盗になります。
お礼
回答を締め切らせていただきました。 ご協力ありがとうございました。
補足
分かりやすいお答えありがとうございます。 死者には所有権も占有権も認められないというのは驚きました。 補足なのですが、Aさんが死亡した時、 車など、所有者が登録されているような物に関しても所有権は認められなくなるのでしょうか。 つまり、死亡した人の車を盗んでもやはり遺失物等横領になるのか、ということです。 重ねての質問ですが、 よろしければお答えいただけたらと思います。
お礼
詳しい回答をありがとうございます。 確かに、かなり微妙なケースもありますよね; 判例によってもまちまちなようなので、 一概に言えないものなのですね。 参考にさせていただきます。