- ベストアンサー
占有離脱物横領罪または窃盗罪について
道端に落ちている財布を自分の懐に入れると、占有離脱物横領罪にあたると思うのですが、これが道端ではなくデパートやホテルであった場合はどうなるのでしょうか? 財布はデパートやホテルが占有していたと見なし、窃盗罪になるのか。 それとも道端のケースと同じように占有離脱物横領罪にあたるのか。 いろいろ調べてみたのですが、どうしても確信が持てないので教えてください。 また、何でそうなるのか理由も書いてくれたら嬉しいです。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
今は「遺失物横領罪」という言葉のほうがauthorizeされていますが、 占有離脱物横領罪でも間違いではないので、私もこちらの言葉を使います。 で、とりあえず「気がついたらすぐ取りに戻れる状況じゃない」という前提でいいですよね? 気がつけばすぐ取りに戻れる状況なら、まだ落とし主の占有を離れていない、というのが判例の流れですので。 (大正15年10月8日大審院判決、昭和32年11月8日最高裁判決、平成16年8月25日最高裁決定など) さて、占有離脱物横領罪か窃盗罪かは物が誰かの占有下にあるかないかによって決まりますが、 このキモは、(少々抽象的な書き方になってしまいますが) ある場所にあったとき「その場所にあるものを保管すべき者がいるかどうか」 の評価にかかっていると思われます。 で、判例を見ると、旅館について既に判例がありまして、 「旅館内で落としたものは旅館主の占有に属する」となっています(大正8年4月4日大審院判決)。 ホテルもこれと同じ考え方でいいと考えます。 デパートは少し悩ましいですね。 要するにデパートで落としたものは当然にデパートの保管責任下におかれるかどうか、ということですが、 上記旅館の例もあれば、電車だと「当然に乗務員の保管責任下に置かれるとはいえない」ことから、 落し物を盗んでも窃盗罪ではなく占有離脱物横領罪になるとされています(大正15年11月2日大審院判決)。 私はデパートの占有下とみなされ、窃盗罪成立と考えますが、 デパートだとまだ公共の空間であり、当然にデパートの保管責任下におかれるわけではない、 (この場合は占有離脱物横領罪)という解釈があっても驚かないです。
お礼
ホテルのケースは既に旅館の判例があるので、窃盗罪かなとは思いましたが、デパートのケースは非常に悩みます。 僕は、デパートの件は人の出入りも多く、公共性がより強いため、落し物である財布はデパートが占有していたとは言い難いという理由で、占有離脱物横領罪かなっていうのと、 デパートが占有していたものとみなし、窃盗罪にあたるというのが50:50な感じで悩んでいます。 因みに平成16年8月25日最判は知りませんでした。ありがとうございます。こんな判例もあるんですね。 実はこれは、あした大学で議論する議題なのですが、とにかく回答ありがとうございます。 参考になりました。