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マルクス『資本論』の商品語とは?
こんにちは。マルクスの『資本論』に関する質問です。 私は大学で文学研究(安部公房の作品です)をしているのですが、参考にした作品研究の論文にマルクスの『資本論』が出てきて、理解できず苦戦しています。 質問は、”マルクスの言う「商品語」とは何か?”ということです。参考文献の中に次の文章が引用されているのですが・・・。 「要するに、さきに商品価値の分析がわれわれに語ったいっさいのことを、いまやリンネルが別の商品、上着と交わりを結ぶやいなや、リンネル自身が語るのである。ただ、リンネルは自分の思想をリンネルだけに通ずる言葉で、つまり商品語で言い表すだけである。」 この「リンネルだけに通ずる言葉」である「商品語」とは一体何を意味するのですか?また、この文脈での「思想」とは何なのか、リンネルは商品語で何を語るのかもよく分かりません。上着とリンネルの間の交換価値が関係しているのだとは思うのですが・・・。 どなたかわかる方、できれば専門用語は少なめで、簡潔に教えて頂けないでしょうか。よろしくお願いします。
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No1 です。浅学で失礼しました。 私はこのように考えていましたが、どうやら曲解だったようです。 No2 さんによれば、「商品語」とは「価値」のことであり、「自分と等しい価値をもつ物との比較・交換というコミニケーション」が「商品語」という事になると思います。 以下、次のようになると思います。 「思想」とは「リンネルが持つ価値」を言っており、「交わりを結ぶ」とは「比較する事」、「リンネルだけに通じる言葉」とは「リンネルが持つ普遍的価値」という事になりましょうか。 貨幣が発生する前の段階を言っているので、比較する共通尺度がない、という事を前提に考えるとわかりやすいかもしれません。 #私も昔読んだはずなのですが、不得意分野というのは、こんな曲解を起こしてしまうのですね。(恥;
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- bigorange9
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マルクス「資本論」の価値形態論に出てくる一節ですね。 ここでいうリンネルの商品語というのは、20エレのリンネルが一着の上着と等価である、ということを言っています。 マルクスは価値形態論と次の章の交換過程論で、個別具体的なモノ同士の交換から、どうやって「価値を一般的に交換する手段」=貨幣が生まれてきたか、なぜそれが資本主義経済の動力となっているかについて解明しようとしています。 そこでまずリンネルという一つの商品をとりあげて、そのリンネルの価値で表現できる(=これが商品語という意味)他の等価なモノはどのようなものか、という問いかけから出発します。その後、20エレのリンネルは10ポンドのお茶、40ポンドのコーヒー、2オンスの金・・・といった具合にさまざまなモノと交換可能であること、すなわち特定のモノ同士が交換価値をもつことを確認します。お茶もコーヒーもそれぞれに適した交換価値を持つ(=それぞれの商品語を持つ)わけです。ここから進んで、「リンネルという商品の価値による表現」(リンネルの商品語)から離れて、価値の一般形態である貨幣の機能についての説明に移っていくことになります。そこで、一般形態である貨幣として金が採用された歴史的経緯について話が展開していきます。
お礼
ご回答ありがとうございます! 商品それぞれの交換価値が商品語なのですね。 『資本論』には今回初めて触れましたが、 わかったようで、わからないような・・・。 一部だけ切り取って読んでいても理解するのは難しいのでしょうね。 貨幣の機能についても今度読んでみようかと思います。
- myeyesonly
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こんにちは。 リンネルは布の事ですね。 リンネルが材料となって上着が出来るわけですが、その際、リンネルの持つ基本的な性能が上着に提供されます。 >いまやリンネルが別の商品、上着と交わりを結ぶやいなや、リンネル自身が語るのである。 はこの事でしょう。 「語る」は言葉でしゃべっているのではなく、情報(性能)を提供する、という意味ではないかと思います。 >リンネルは自分の思想をリンネルだけに通ずる言葉で、つまり商品語で言い表すだけである。 の「思想」とは性能のことでしょう。 「リンネルだけに通じる言葉」・・・とは、リンネル(つまり自分)を加工する方法だと思います。 「商品語で言い表す」とは、実際に加工されて上着となり商品になる過程ではないでしょうか。 「リンネル」と「上着」を擬人化して、人同士の対話であると考えた場合の情報・性能の伝達を表現してる言葉だと思います。
お礼
myeyesonly様、早速の回答ありがとうございます!噛み砕いた説明をして下さって、助かりました。 なるほど、「リンネルは自分の性能の情報を上着に提供し、リンネルだけの加工方法で、上着という商品になる過程を伝達する」ということですね。 ということは、「商品語」はある物がある商品へと加工されるときに商品に提供される情報・性能の伝達ということで正しいでしょうか。
お礼
補足ありがとうございます! 「自分と等しい価値をもつ物との比較・交換というコミニケーション」 というのは、分かりやすいですね! 私は経済学は全く経験がないので、 みなさんに教えていただけて助かりました。 それにしても、マルクスは面白い隠喩を考えますね・・・。 それが分かり難くてかえって悩みましたが。