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ダイオードの立ち上がり電圧について
ダイオードの立ち上がり電圧はゲルマニウム型とシリコン型とでは、それぞれ約0.2V、約0.6Vと開きがありますがこれはどのような作用によるものなんでしょうか?
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SiとGeダイオードの特性の違いは資料 [1] のように、立上がり電圧の違いが目につきます。pnダイオードの電圧 V [V] と電流 I [A] の関係は以下で表わされます。 I = I0*{ exp( e*V/k/T - 1 } e は電子の電荷 = 1.60e-19、kはボルツマン定数 = 1.38e-23、T は絶対温度(室温ならT = 300)です。V = 0 のとき、I = 0 です(当たり前)。V を大きくしていくと指数関数的に I が大きくなります。Si と Ge で立上がり電圧が違うのはこの式の I0 がSi と Ge で違うからです。I0 を逆方向飽和電流といいますが、なぜそう言うのかというと、逆バイアスをかけたときのリーク電流とこの I0 が同じ値だからです。上式で V が負の値のときが逆バイアスになりますが、V が負で大きいとき、exp( e*V/k/T ) は非常に小さくなるので、I ≒ -I0 となります。[1] の逆バイアス側(V<0)の特性を見ると、Geのほうがリーク電流(I0 )が大きいことが分かると思います。I0 が大きいと、順バイアス( V > 0 )のとき、同じ電圧V のときの I も大きくなるので、I の立上がりが早くなります。 I0 が違う理由は、Si とGeのバンドギャップ(正確には障壁高さ)が違うからです。バンドギャップが大きい材料ほど I0 は小さくなります。Si と Ge のバンドギャップはそれぞれ 0.67eV、1.11eV なので、Si のほうが I0 が小さくなり、立上がり電圧も高くなります。I0 の値は素子の大きさによって違いますが、Si では 1nA ( 1e-9 A)、Ge では 1μA (1e-6 A) 程度です[2]。バンドギャップと I0 の関係を理解するには半導体物理の知識を必要としますが、そこまで知りたいですか? [1] SiとGeダイオードの特性(1ページ目図3.1) http://133.13.40.79/book/ec2-pdf/3EC.pdf [2] http://www.nikko-denshi.co.jp/kaiseki/sentens02/page02_02.html
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- inara1
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間違いがありました。 【正】 Si と Ge のバンドギャップはそれぞれ 1.11eV、 0.67eV