おはようございます。
直感的には理解していただける力はありませんが、
n次元球面でS^nで、タンジェントバンドルT(S^n)が自明なバンドル(S^n)×(R^n)と同型に
なるのは、n=1,3,7のときだけという事実が
あります。T(S^1)がトリビアルなのは、
複素数全体Cの中で考えて、S^1の元(x,y)=x+yiと考えiを翔けるとi(x+iy)=-y+ix=(-y,x)となり、
S^1のどんな元(x,y)に対しても
これに接するベクトル(-y,x)がとれるので、
ベクターバンドルの対応f:S^1×R^1→T(S^1) が、
{(x,y),α)}→ {(x,y),α(-y,x)}とできるからです。ここに、
αはR^1に含まれる任意の元とします。各点(x,y)での接線を90度上に
回転してその点でS^1に垂直に立てて一周すれば、
円筒形 S^1×R^1ができます。
ただし、接ベクトルαδ/(δx)など(ラウンドの記号がでないので)に
αが対応するとしてです。S^3のときは四元数体H=R+Ri+Rj+Rkを使って
できます。S^3の元(x,y,z,w)=x+yi+zj+wkにi,j,kを順に掛けたものから
i(x,y,z,w)=(-y,x,-w,z)とj(x,y,z,w)=(-z,w,x,-y),
k(x,y,z,w)=(-w,-z,y,x)と(x,y,z,w)の4つは互いに垂直で長さが1なので
同様にできます。S^7の場合はCayley数を使います。
これ以外の次元の球面がダメなことは
確かAdamsか、Ademの公式があるはずですが
忘れました。トーラスはT^2はS^1×S^1と同相で、
一般に
T(M×N)とT(M)+T(N) (「+」はベクターバンドルの「Whiteny sum」を
表します。)とは同型になりますから、
T(S^1×S^1)はT(S^1)+T(S^1)に同型だから結局
T(S^1×S^1)は(S^1×S^1)×R^2と同型になります。
お礼
無茶な要求ですみません。。。 > 本来TSがもっているであろうめんどそうな構造が消えて > 単なる直積になってしまうんです. 球面S = S^2のときも集合的には TS = S^2 x R^2 になっちゃうような気がするのですが、直積にならないのは位相構造や可微分構造の部分でしょうか? それとも、集合的にすら直積にはならないのでしょうか? なんにもわかってなくて、すみません > #(一般次元の)球面ってのは簡単な図形なのに, > #むちゃくちゃな構造があるものなんです. 幾何学の素人から見ると、トーラスよりも球面のほうが素直でお行儀がよさそうに見えるのですが、視点を変えると全然違うんですね とても不思議です。。。 丁寧に解説をしてくれて、ありがとうございました