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共培養による卵の体外成熟について
共培養で卵成熟を行った方にお聞きしたいことがあります。 現在マウスを用いて卵丘細胞と共培養して裸化卵子の体外成熟を行っています。ペーパーを参考にしているのですが、ペーパーでは成熟率が向上していると報告していますが、私がやると成熟率がまったく変化ありませんでした。 ペーパーでは卵丘細胞培養と成熟培養にTCM199を用いてますが、私の研究室には無く、お金も無いのでもともとあったαMEMで代用していました。 やはり培養液でそこまで結果に差が出てしまうものなのでしょうか。αMEMは汎用性の高い培養液なので大丈夫かと思っていたのですが…。 または、わたしの技術不足も考えられます。 もし似たようなことをされている方がいらっしゃいましたら回答いただけませんでしょうか。よろしくお願いします。
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10年ほど前まで牛の受精卵関係の仕事をしていました。 卵丘細胞と卵子の供培養は当時既に確立していましたから、「卵丘細胞との供培養によって卵子の成熟率が向上する」こと自体には、もはや疑いの余地はないかと認識しています。まあこの10年の間に反証を提示した論文がいくつも出てきていれば話は別ですが・・・ となれば、やはり最も疑うべきはやはりメディウムでしょうね。 牛の受精卵でもTCM199でしか上手くいかないというのも、やはりスタンダードになっていました。少なくともMEMでは卵子の成熟だけでなく受精卵の培養も上手くいったためしがありませんでした。 なので質問文を読んだ私の第一印象は、「MEMで上手くいくわけがないよな」です。 まあ、上手くいかない時は、まず「ペーパーのとおりにやってみる」のが基本でもあります。自分の腕やペーパーを疑うのはそれからですね。 ちなみにMEMでうまく培養できない細胞は山ほどあります。 というわけで、とりあえずTCM199を試してみることをお薦めします。 まあおそらくそれで問題解決、と予想しているのですけどね。
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- nonnon1190
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条件がシビアであるということをNo1様もおっしゃっていることから、 質問者様も培地をかえることはわざわざ言わなくてもわかっていらっしゃると思います。 初代培養の場合、調べてみるとわかると思いますが、A細胞専用とあるくらいですから、そのくらい質問者様もわかっているかと。 培地を変えても、それだけで大丈夫ということは、実際にやっている方はわかると思いますが、そんなことはないのです。 論文上でやってあるということと、自分ができるというのにはかなりの距離があります。 そう考えてやっていくことをお勧めします。やってもいない人が「簡単だ」という雰囲気を出して述べるのはどうかと。
- tatoo
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かなり難しい質問ですね(汗 フィーダーでも細胞ですので、その活きの善し悪しで変わることはよくあります。 手技的な問題は「これ」とすぐわかるものはあまりにもクリティカルなことなので、すぐわかると思いますが、 同じ細胞を同じように飼っているように見える2人でも、実験がうまくいったり違う結果が出たりすることがあります。 ちょっとずつ違うのでしょうが、違いがわからないんですよね・・・ 他の実験でも、例えばPCRとかでも同じ薬品を混ぜているのにうまくいく人、いかない人がいるように・・・ ただ、ひとつひとつの作業を注意深く観察しながら、 うまくいったときはこうだった、とか 今回はこうだからこうなのでは、とか そうやって経験値をあげていくことが重要だと思います。 すみません、相変わらずアドバイスになっていません(汗
お礼
いえいえ、とても丁寧な回答ありがとうございます。 細胞培養の経験がいままでなかったので要領が分からず非常に困っていましたが、回答者様のアドバイスがとても勉強になりました。 これから安定した結果が得られるまでもっと経験を積んでいくしかないですね。 いろいろと注意深く観察しながら実験を進めていきたいと思います。 お礼が遅くなって申し訳ありません。 ありがとうございました。
- tatoo
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生殖細胞を取り扱っていたこともある者です。 卵母細胞に限らずですが、初代培養は確立された細胞株に比べてテクニックを要します。 また、条件も結構シビアだったりします。 同じ培地でもメーカーが違っただけで細胞の様子が違ったりしたことがあります。 また、手技的な問題は結構重要で、うまい人うまくない人は明らかに存在します。 経験値によって、向上しますが腕はかなり影響すると思います。 また、論文によっては、結構一発勝負の結果で物事を言うものがあったりします。 本当か?ってこともあるので、論文の質を疑うことも必要かもしれません。特にIFが低い論文の場合は・・・ アドバイスになっていませんが、結構難しいということですね汗
お礼
早速のご回答ありがとうございます。 なるほど、細胞培養は奥が深いのですね。細胞培養はそこまで数をこなしていないのでやはり腕に問題があるのかもしれませんね。あと論文を疑うのも必要ですね…。 再び質問で申し訳ないのですが、手技的な問題としてなにがありますでしょうか。 上手い下手によってfeederとしての機能がまったく損なわれてしまうことはあるのでしょうか。 度々申し訳ありませんが回答いただけるとうれしいです。
お礼
経験者の方からのアドバイスとても参考になりました。 ウシの共培養系に関する論文はいくつか見たことがあり、いずれもTCM199を用いていましたが、マウスに関するものがあまり見つからなかったので(私の探し方が悪かったのかもしれません)共培養における基本的な知識が足りなかったようです。 単純な体外成熟を行っていたときはαMEMでも特に問題がなかったのでそのまま用いていました…。 細胞とmediumの相性ってかなり重要なのですね…。 ペーパー通りTCM199に変えて再チャレンジしてみます。 ありがとうございました。