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正孔を正の電荷として扱う理由
専門書などで、正孔は正の電荷を持った粒子のように振舞うとか、正の電荷と考えたほうが都合がいいと書かれているのですが、その理由は私が調べたいくつかの本には載っていませんでした。どうして正孔は正電荷を持った粒子として考え、またなぜそう考えたほうが都合がいいのでしょうか?
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念のため、確認しますが、 正孔が正の電荷を持った粒子のように振舞うことができる物理的なメカニズムが知りたいのではなくて、 正電荷を持った粒子として考える理由とそう考えたほうが都合がいい理由でよろしいのですね? だとしますと、例えば、 価電子帯に10の23乗個の電子がある半導体中に正孔が1個だけ存在する場合ですと 価電子帯の(10の23乗-1)個の電子のシュレーディンガー方程式を解くより 1個の正孔のシュレーディンガー方程式を解く方が圧倒的に楽だからです。 前者の描像に従う計算はスーパーコンピュータを用いたとしても難しいと思いますが 後者であれば手で解けます。 このように非常に粒子数の多い系での問題でも 基底状態からの励起している成分だけに着目すると 一体問題(自由粒子)に帰着できるケースが数多くあり、 この種の仮想粒子を素励起と呼びます。 正孔の他、 フォノン、マグノン、プラズモン、.... みんなこの類です。 例えば、格子振動は、 格子振動を波数kでフーリエ変換してしまえば 波数kの格子振動の振幅Ak(t)は一個の調和振動子と 同じ運動方程式に従うため、(フォノンの)一体問題に帰着されます。
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- BASKETMM
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私見ですが。あなたは粒子、あるいは孔などの名前に惑わされておられませんか。名前を忘れたら、疑問は解消しませんか。 ある対象に名前がなかったら、話をするのに不便です。ですから名付け親は彼のイメージに従って、孔とか、窪みとか、粒とか名付けます。 本当はAでも甲でもよいのです。 そして、Aがいくつかの属性を持つことを仮定します。質量であったり、電荷であったり、スピンであったりします。 そして、この対象を記述すべき方程式を考えるのです。 この時、対象Aを記述する方程式が、対象Bを記述する方程式と同じ形をしていることが望まれます。望みが叶ったとき、すなわち方程式の形が同じになったときに、あなたののご質問にある「都合がよい」という言葉が使われるのです。 訳の分からないことを書いたと言わないで下さい。 別の言い方をすれば、正孔を記述する方程式が、別のもの例えば電子を記述する方程式と同じ形をしていると言うことでしょう。 しつこく、繰り返します。名前に惑わされないように。
- Denkigishi
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電磁気学というのは目に見える現象をうまく説明するために幾つもの仮説をたてて構築された理論であって、(電磁気学現象理論と称す)「電荷」とか「電気力線」とかは皆、理論構築のために仮想された小道具にすぎません。その後で、物理学が発達して物質の構造とか電子とかの存在が見えてきたので、それと昔からある電磁気学とを結びつけるときに、正の電荷に相当する物質が無かったので、頭のいい学者が「正孔」をそれに当てて辻褄をあわせたということでしょう。だから、宇宙の果てにいる高度な科学を有する宇宙人の学問体系だと、原子とか正孔とかの概念はあっても、我々の使っている電磁気学は全く別の体系で出来ていると思います。