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電子と正孔の有効質量について
正孔と電子を比べると、前者のほうが有効質量は重いわけで、 移動度∝緩和時間/有効質量 の式から、通常、正孔のほうが移動度が小さくなります。 緩和時間は不純物やフォノンとの散乱を考えるわけですが、 重い正孔のほうがフォノンと散乱しやすいということはあるのでしょうか? あるのだとすると、どうしてそうなるのでしょうか? ご教示、どうぞよろしくお願いいたします。
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正孔と電子を比べると、前者のほうが有効質量は重いわけで、 移動度∝緩和時間/有効質量 の式から、通常、正孔のほうが移動度が小さくなります。 緩和時間は不純物やフォノンとの散乱を考えるわけですが、 重い正孔のほうがフォノンと散乱しやすいということはあるのでしょうか? あるのだとすると、どうしてそうなるのでしょうか? ご教示、どうぞよろしくお願いいたします。
補足
お返事どうもありがとうございました。 ちょっと自分で調べてみたところ、下記のサイトにフォノンと電子の散乱による緩和時間に関する記述が掲載されておりました。 http://books.google.com/books?id=tpc7G3NEfHkC&dq=%E7%86%B1%E9%9B%BB%E5%A4%89%E6%8F%9B%E5%B7%A5%E5%AD%A6&printsec=frontcover&source=bl&ots=yo5Zwzb9yB&sig=z4M0oJF3w0c3-rIMJsdp7I7je5c&hl=ja&sa=X&oi=book_result&resnum=5&ct=result (URLがきちんとリンクされない場合は 「熱電変換工学-基礎と応用」坂田亮著をご覧ください) 126ページ52式によると、 緩和速度(緩和時間の逆数)はおおよそ有効質量m*の2乗に比例するとのこと。つまり有効質量が重いものほど緩和速度が速い=緩和時間が短いということがわかります。 しかし厳密に52式を議論するならば、変形ポテンシャルの項も含まれているので単純には行かないと思います。 (現に、キャリア密度が多くなるほど緩和時間が長くなる、というのは直感に反するものであり、これはおそらくキャリア密度の増加に伴う変形ポテンシャルの変化分も考慮しなければならないと思います。) またこの式はSiやGeといったバンド構造が放物線で近似できるものに限られるようです。