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QOL(生活の質)
楽しみとQOLの関係って何でしょうか?
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福祉系の学生さんでしょうか?QOL(クオリティー・オブ・ライフ)と楽しみですか。 私が働くF町にある施設の利用者を見ていて思いますが、I地区とS地区という地域に住む利用者がいるので、比較をします。 まずI地区に住む利用者は「農業主体で、高齢者の独居家庭が多く、貧しい地域」という特徴があります。一人暮らしをしているため、家事は自分がやらないと何もことが進みません。年金も農業主体なためもらっている利用者は少ないですから、どうしても「自分の食う分は高齢者といえども自分で稼がなければ」なりません。近隣の方と協力しながら田畑を耕したり、田植えをしたりして農業収入を得なければならないもんで、まぁ多少生活にいっぱいいっぱいという面も無きにしも非ずではありますが、結果的に『農業を通じて自分の社会的役割』を確認しながら、毎年毎年収穫が楽しみになりながら生活していけていると思います。農業のおかげでADLも結果的に向上し、より長く自立した生活を営むことにもつながっています。 一方、S地区は「お勤め人・役人」が多い地域で、生活が豊かな富裕層が多い地域です。そのせいか、定年退職後は長男夫婦が家事一切を取り仕切るため、「お役御免」になりがちで、家事も長男の嫁がやる、病院いくのは長男が車で乗せてくれるみたいな、まさに「上げ膳据え膳」の生活になります。年金も厚生年金や場合によっては共済年金もあり、豊かです。が、若い人たちに役割をみな取られてしまうため、日中家でぽつんとTVをみていることしか仕事はありません。その結果、彼ら・彼女らは「自分は社会的に必要とされていない」と思うことになり、ひいては「死にたい・生きている価値がない」と論理飛躍し、さらには認知症が加速的に進行して、その結果家族の介護負担が重くなっていくのです。もちろんお金もかかりますし、手間もかかります。 I地区の利用者は「農業」という楽しみが『生きるうえでの活力』になりかつ、ADLの向上につながっています。S地区は「TV」ぐらいしか楽しみが無く、その結果活力を失い、ひいては重度の介護度に誘うことにつながっています。 楽しみとQOLの関係はこのI地区とS地区の利用者を見ただけで、おのずと答えは出てくるのではないでしょうか。