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国民はそんなに搾取されているのか?
知り合いの理論です。”GNPorGDPが500兆円、1人当たり450万円の所得、私の4人家族で450万円×4人で1800万円となります。私の家族総所得と照らし合わせると、その差額が(約250兆円は搾取されている)一部の人(財界、政治家、特権階級など)に搾取されている”との理論です。私は“ごく一部の人には当てはまるけど、総額も、割合としてもたいしたことない”と根拠は無いがそう思ってます。が反論するデータがありません。本当はどうなんでしょうか?GDPの中には企業であれば、材料費、人件費などが入りますが、企業の人件費と国民の所得は等しいので、2重計上?にはなってないと思うけど・・・理系の私にも解かるようにお願いします。
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#1の回答者です。#2の方が大変詳しく書かれていて、わたしも勉強になりました。 さて、 >搾取とは、例えば”官僚の天下りでの高給。財界の高報酬。 については先の雇用報酬の266兆円に含まれますので、266兆円の個々の世帯への配分の問題で、残りの240兆円がどこへ消えたかには関係がありません。 なお、266兆円の個々の世帯への分配については毎年統計が出ています。平成18年度については http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa06/2-1.html です。世帯で2000万円以上の所得者は1.2%ですね。 一見少なくも思えますが、これって約50万世帯もありますね。 >営業余剰と固定資本減耗、生産・輸入品の課税収入とは何のことか まず、固定資本減耗(100兆円)は数字上のマジックのようなもので、会計でいう減価償却に相当します。 わたしも理系なので減価償却という概念には悩まされた経験があります。 詳しい説明は長くなりますが、要はこの100兆円は正味の生産ではないということを理解下さい。 GDPとかGNPとかいっているGはグロス(粗く)という意味ですが、じゃあネット(正味)とはなんなのかというと、この固定資本の減耗を除外したものです。 次の生産・輸入品への税(40兆円)については、これは政府の財布に入るので、みんなで決めた使い途(国の予算)として使われます。 最後に、営業余剰(100兆円)ですが、これは単純にいうと資本として企業に蓄積されるものです。 たとえば、ある会社がお客さんにモノを売ると、物を売ることにかかるお金(費用)がかかります。 費用のなかには、われわれへの報酬になる人件費も含まれていますが、 売価と費用の差分が、利益として会社に蓄積されるわけです。 会社は株をもっている人(資本家)のものなので、その意味では営業余剰は資本家に帰するといってよいでしょう。 株の配当や株の売買で得たお金は所得に勘定されますが、単に営業余剰で株価があがった場合には所得には勘定されません。 とすると、あなたのお知り合いの方が、「搾取」といっているのは、 雇用報酬:266兆円 営業余剰:100兆円 を指して、「労働者」と「資本家」の分配率が悪いと言っている、ともとれます。 (これが#2の方の解釈です。労働分配率の考え方です。) しかし、#2の方もおっしゃっているように、この資本の蓄積を0にしてしまうと、だれも新しい事業には投資してくれなくなります。 (なにせ、貸した金が返ってくるだけで利益がないですから、これなら国債でも買った方がましです。) 要は国全体として、稼いだお金で経費(国家予算)に使えるお金を除いたお金(366兆円)のうち、 266兆円は現時点で個々人に還元して、残りの100兆円は未来への投資としようということになっているだけです。 最後に、もしも一部の特権階級が甘い汁を吸っているとしたら、 それはこんな大胆な数字ではなく、こそこそとやっていると思いますよ。 甘い汁を吸おうって考える品性下劣な輩のやることは概してみみっちいものです。
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- pullmandsg
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回答のヒントは既存の質問で出ているので、直感的な説明をします。 簡単に言えば、その知り合いさんの仰られている搾取の正体は、GDPのうち個人を介さないで政府や資本形成でぐるぐると回っているものと、社会保障で回っている経済活動です。実質的な残りは1800万円のうち1000~1300万円、これを特権階級というよりは、より高収入を得ている有能な人間が正当な報酬として得ているわけです。 >残りの125兆円が一部の特権階級(財界、政治家、高級官僚、旧華族?) >の人たちの懐に入ってる(搾取)との理論です。 これはありえません。もしそうだとすると、毎年何百兆円もの消費を少数の人間が行うようになるので、東京都内に何万坪もの個人邸宅がたくさん建ったり、個人用のジャンボジェット機を保有する人間が現われるようになるなど、その兆候があらわれるようになるはずです。財界には若干裕福な人もいるようですが、アメリカ程ではありませんし、政治家、高級官僚(天下りは確かに美味しいが、マクロ経済的には一流企業の中堅管理職程度の給料を楽してもらえるというだけの話)はそんなに儲かる職業ではありません。旧華族も成功したケースで中小企業のオーナークラスの資産規模(自由に使えるお金が年間数億円あれば庶民的には羨ましい限りだが、マクロ経済的には微々たるもの)で、搾取をしている特権階級には遠く及ばないとみていいかと思います。「特権階級=知り合いの家より数百万年収が多い人」というのであれば、話は変わってきますが、搾取というよりは知り合いさんの妬みみたいな感じになってきます。
お礼
回答ありがとうございます。>”搾取というよりは知り合いさんの妬み”が大部分かもしれません。と、裕福な人でもアメリカと違って日本人は生活は派手で無く、わかんない可能性もありますよね。
- omeger
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>私の家族総所得と照らし合わせると、その差額が >(約250兆円は搾取されている)一部の人(財界、政治家、特権階級など) >に搾取されているとの理論です そもそも「私の家族総所得」=平均の所得とは推定できないとも思いますが、 ■1 GDPと雇用者報酬の違い >”GNPorGDPが500兆円、1人当たり450万円の所得、 GDPを500兆円、日本の人口は1.25億人とすれば、 1人当たりGDPは大体400万円になります。 でもGDP(国内総生産)と別にNI(国民所得)っていうのがあって、 これだとNIを400兆円、日本の人口は1.25億人とすれば、 1人当たりNIは大体320万円辺りになります。 資本の減耗分など色々な違いが勘定されてます。 この辺りはややこしくて表にしないと整理しづらいです。 http://www.pref.toyama.jp/sections/1015/ecm/back/2001oct/shihyo/index.html 雇用者報酬 = NI × 労働分配率 で労働分配率が大体2/3位なので、これも勘定すると、 雇用者報酬は大体250兆円でGDPの半分位になります。 (雇用者1人当たりの雇用者報酬は480万円) そういう意味では、250兆円という数字自体は間違いではないかもしれません。 ただ、労働に分配されない分は搾取かというと一概には肯定できません。 資本に分配される分がなくなっても企業の設備投資が減って経済成長が止まり、 将来の労働者の受け取り分が下がってしまいます。 現在の受け取りを増やして将来の受け取りを減らすか、 現在の受け取りを減らして将来の受け取りを増やすかというジレンマがあります。 労働分配率は短期的には上がったり下がったりしても、 長期的に下がり続けたり上がり続けたりはしないとされます。 ■2 税金 税金に関していうと、政府は国民負担率という指標を用いており、 NIの40.1%ということになっています。 http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/siryou/sy1801n.htm このうち、国税で14.3%、地方税で10.7%、社会保障で15.0%となっています。 しかしながら社会保障は老後のための貯金に近い性質があり、 自分に帰ってくる分を戻したら搾取ということにはなりません。 税金の中でも年金や医療費、教育費に回されているものなども、 税金から支出するのを止めても結局は負担がかかってきます。 また、所得税の負担は所得階層によって差異が大きい点、 法人税などの企業サイドの税負担を国民に帰着させるかどうかといった点で、 色々計算に差異が出てきます。 OECDは個人がどれ位の割合を負担するかを所得階層別に推定しています。 日本の個人が負担しているのは、所得税よりも社会保障が大きく、 特に低所得層では税負担→社会保障に近くなっています。 ・日本(2006年)の個人所得税+社会保障の粗労働所得に対する寄与 http://www.oecd.org/dataoecd/44/0/1942482.xls 中央政府 (67%)3.7% (100%)4.5% (133%)5.3% (167%)7.2% 地方政府 (67%)2.0% (100%)2.8% (133%)3.6% (167%)4.6% 計 (67%)5.7% (100%)7.3% (133%)9.0% (167%)11.8% 従業員分社会保障 (67%)12.2% (100%)12.2% (133%)12.2% (167%)11.4% 計 (67%)17.9% (100%)19.5% (133%)21.2% (167%)23.2% 企業分社会保障 (67%)13.1% (100%)13.1% (133%)13.1% (167%)12.3% 総税負荷 (67%)27.5% (100%)28.8% (133%)30.3% (167%)31.6% (%)は平均賃金に対するパーセント ■3 支出側GDPで見る 国内総生産を支出側で見ると、 家計の最終消費支出というのが国民の支出できる能力に近いです。 (あと民間住宅投資というのもある) 民間企業設備というのが企業の支出能力に近く、 政府最終消費支出が政府の一般の支出能力、公的固定資本形成というのが公共事業に近くなります。 ・国民経済計算 支出側GDP http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/qe074-2/jissuu.pdf 国内総生産 515.7兆円 - 国内需要 506.8兆円 -- 民間最終消費支出 293.4兆円 --- 家計最終消費支出 286.6兆円 ----除く持ち家の帰属家賃 240.2兆円 --- 民間住宅 17.3兆円 --- 民間企業設備 81.6兆円 --- 民間在庫品増加 2.6兆円 -- 公的需要 111.9兆円 ---政府最終消費支出 90.5兆円 ---公的固定資本形成 21.2兆円 ---公的在庫品増加 0.2兆円 -- 財貨・サービスの純輸出 8.9兆円 --- 財貨・サービスの輸出 91.0兆円 --- 財貨・サービスの輸入 82.1兆円
お礼
早速の回答ありがとうございます。非常に詳細にまとめていただきましたが、私には難しすぎて半分も理解できません。が大雑把に言って約250兆円が国民所得で、残りの250兆円が資本の分配何でしょうか?知り合いの言い分は、一般国民の所得から想定すると一部の人がかなりの所得があると想定できます。それを、若干誇張して搾取といってるようです。また、残りの資本の分配250兆円が本当に資本の分配に回ってるのは半分で、残りの125兆円が一部の特権階級(財界、政治家、高級官僚、旧華族?)の人たちの懐に入ってる(搾取)との理論です。昨日ニュースでロシアとシベリアとの油田発掘共同開発を言ってましたが、これも搾取のねただといってました。予断ですが、私はロシアに搾取されるのではと思ってますが・・・心配が当たらなければいいですが・・・
- nichiyouke
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わたしも理系ですので数字で説明します。 日本の平均所得は560万円強です。 また総世帯数は4750万世帯です。 したがって、雇用報酬の総額は266兆円です。 では国民総生産との差の約240兆円はなになのか? それは営業余剰の100兆円と固定資本減耗の100兆円、あとは生産・輸入品の課税収入40兆円ですね。 「搾取」というのがなにを指すのかわかりかねますが、「税」ですかね? しかし、質問者の方の所得は900万円ということでしょうか?これより所得の多い世帯は20%くらいしかいません。 誰かが「搾取」をされているとしても、おそらく質問者の方ではないと思います。
お礼
早速の回答ありがとうございます。知り合いの搾取とは、例えば”官僚の天下りでの高給。そして、政治家、財界のODAや法人の予算支出の際の掠め取り、キックバックのようなもの。財界の高報酬。特定の法人や個人の所得・不動産・相続・などの免税処置、某○○鉄道などは代々税金を払ったことないとか”等と言ってましたが、私は他国よりは日本は少ないと思ってます。ちなみに、私は搾取している側ではありませんのでよろしく・・・。あと”営業余剰と固定資本減耗、生産・輸入品の課税収入とは何のことかピンときません。これからITで勉強してみます。
お礼
再度の回答ありがとうございます。>”甘い汁を吸おうって考える品性下劣な輩のやることは概してみみっちいものです”は私も共感します。がしかし、よくよく考えてみると、搾取しているとかしていないとかのデータの裏付けができるなんておかしいですよね。また、GNPとかその他のデータを誰がどういう考えで、どう読み取るかで結論が変わってきますよね。知り合いに反論するデータの裏づけは無理があるような気がしてきました。ありがとうございました。