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ゼータ電位について
ゼータ電位は、イオン価数によって影響を受けると知ったのですがなぜだか解りません。 凝集剤として、三価の鉄やアルミ系化合物が使われるのはこのためだとおもうのですが。理論または原理などわかるかたいましたら、助言ください。
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「ゼータ電位は、イオン価数によって影響を受ける」のイオンとは、コロイド粒子が分散している溶液に溶けているイオンのことですね。そう理解いたしました。 「凝集剤として、三価の鉄やアルミ系化合物が使われるのはこのためだ」、これを法則化したものを、Schulze-Hardy(シュルツェ-ハーディ)則と言います。その一般的表現は、 「疎水ゾルに電解質を加えた際に起こる凝集はコロイド粒子と反対符号のイオン(対[たい]イオン)のみに影響され、そのイオン価が大きいほど凝集効果が顕著に現れる。」 です。そして、この経験的法則は、後になって、コロイド粒子間の相互作用に関する理論的研究(DLVO理論)からも成立することが証明されました。ちなみに「DLVO」とは、理論を立てた四人の研究者の名前で、 Derjaguin(デルヤーギン) Landau(ランダウ) Verwey(フェルウェイ) Overbeek(オーバービーク) の四人です。前二人がソ連の研究者グループ、後ろ二人がオランダの研究者グループです。 DLVO理論によると、コロイド系を凝集させるのに必要な最小電解質濃度(凝析価)は対イオンのイオン価の6乗に反比例することになります。すなわち、イオン価1、2、3(Na+、Ca2+、Al3+など)をもつ対イオンの凝析価、C1(イオン価1)、C2(イオン価2)、C3(イオン価3)は、 (1/1^6):(1/2^6):(1/3^6) または 100 : 1.6 : 0.13 の比になります。 ゼータ電位を勉強していくと、必ずと言っていいほどこのDLVO理論の話が出てくると思います。そして、そこで必ずと言っていいほどややこしい数式の変形が出てきて、このSchulze-Hardy則がDLVO理論から導かれることが示されると思います。「DLVO理論」と「Schulze-Hardy則」をキーワードに、ゼータ電位の教科書を勉強されることをお勧めします。
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- usokoku
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極端に簡略化します。 年度などの金属酸化物は、表面が M-O-OHとかM-OHの形態になっています。 ここに、金属Nがついて、M-O-OH - N とか M-OH - Nとなり、電荷が+に転じます。 表面のOH層についた金属によって、状態が変わってくるのです。 もし、M-OH-N-HO-M という形態になれば2つの粒子がくっついて凝集することになります。逆に、OHが増えることで M-OH , N-OH, HO-Mという3つに分かれれば分散します(Nが水素、又は、OH3+ (ヒドロキシルイオンでしたか)の場合)。しかし、N-OHにならないで、Nのままです(表面にOHがつかないでイオンのまま)と、いくらOHが増えても複数の粒子をつないでいることにはわかりません(分散しない)。 イオンのかすうのほかにイオン半径が影響します。 イオン半径の大きいものほど、イオンのかすうが大きいほど凝集しやすくなります。 たとえば、Na+はかいこですがH+は凝集です。H+には水がついていて巨大、表面のOH-を奪うので凝集作用を示します。Na+はイオンの状態で存在しますので、水中のOH-を増やします(金属酸化物表面のOHを増やす方向へ平衡が移動する)から、分散します。
お礼
非常に参考になる意見ありがとうございます。 ゼータのこともう一度勉強しなおします。