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EPAと中国・アメリカ
こんにちは。 最近EPA、FTAについて少し勉強しているのですが、 わからないことがあります。 JETROや経済産業省などのHPを見ると、 締結済・交渉中の国などがありますが、 その中に中国・アメリカに入っていません。 何故でしょうか? 貿易額が大きくて影響が大きすぎるからかな、とも考えましたが、 ASEANとは交渉をしているようですし・・・ その理由について、お詳しい方教えて頂ければ幸いです。
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- omeger
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中国については、日本のFTA交渉の中でも 最も重要な検討事項として考えられてはいます。 経済効果の最も大きいFTAになると予想されており、 アジアに進出している日本の製造業の間では、 東南アジアや韓国よりも中国とのFTAを求める声があります。 しかし、FTA/EPAは、国内の業界団体などからの政治圧力を受けます。 農業団体と一部の衰退産業からの反対圧力が強いこと、 昨今の日本の食のナショナリズムや経済的中国脅威論を含めて 日中間の国民的な外交感情がぎくしゃくしていること、 日韓FTA(EPA)が政治的冷却を背景に長期間膠着してきたこと、 アメリカとの外交関係に障らないかという懸念があること、 中国がまだ多くの先進国とFTAを締結していないこと(最近NZと締結)、 などなど阻害要因も多く存在します。 短期間でFTA/EPAをまとめることは難しく、 構想はあるものの実際の締結はかなり先の事と予想されています。 ASEANとのFTAを拡大する形で中国・韓国とのFTAを 締結する構想もあります。 アメリカについては、求める声はあります。 日米関係を強化する意味合いから日米FTAを望む声もあります。 既に韓国がアメリカとのFTAで合意しているため、 日本からアメリカの輸出が(関税免除の)韓国より不利になるから 日本もアメリカとのFTAを進めるべきだという声も一部産業界にあります。 アメリカにはFTAによって日本の農産物輸入の自由化を求める声もあります。 しかし、元々から日米双方とも関税障壁が低く、 関税率の高い途上国とのFTAとは分けて考える必要があります。 アメリカからの市場開放要求が一部の業界団体の利害と対立し、 日本の農業団体からの反対が非常に強いこと (最近の日豪FTAも農業団体からの反発が強い)、 世界のGDPの4割以上を占めるアメリカと日本がFTAを締結すれば、 それ以外の国に負の経済効果が波及しないかという懸念、 (もし日米FTAが結ばれたらEUは黙って見ているのか?) などなどこちらも障壁がたくさんあります。 締結されたとしてもかなり先のことになるかもしれませんし、 それまでWTOの自由貿易交渉もどう動いていくかを注視する必要性があります。
お礼
詳しいご解説、どうも有難うございます!