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中国の歴史上の人物の読み方について
以前からずーっと不思議で、ネットをやり始めたばかりの頃yahooの掲示板でも聞いた事があるのですが(イマイチ解決がつかなかった)、中国の歴史上の人物の名前の発音はどうやって決めているのでしょう? 例えば、一律(1)「自然な日本語読み」とか(2)「中国語の発音(をカタカナで表したもの)」なら分かるのですが、実際そうではありません。 「曹参」は「ソウシン」で、「そうサン」ではないです。では、あちらの発音で読むのかと言うと(私は発音を知らないのでよく分かりませんが)、「劉邦」を「リュウホウ」と発音するのはどう考えても日本語だと思います。 (1)の場合もあれば(これが一番一般的か)、「曹参」みたいな例外もあるし、「鐘り末」は「ショウリマイ」や「ショウリバツ」と幾つかのルビを見たことがあります(ルビが正しいのかどうかは不明ですが)。 一体どうやって決めているのでしょうか?ご教示をお願いします。
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- jayoosan
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×「ホウ」は、邦を訓読みしているかもしれません。 ○「ホウ」は、邦の当時の音だったのかもしれません。
- jayoosan
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中国に関心があるので、中国の目線からみてみます。 中国の歴史書を見ると、卑弥呼より前のことを描いたと思われる書物には、倭からの使者が持参した国書(外交文書)を皇帝が見て、「なんとその地には(日本と思われる国)、これほど見事な漢文を書くものがいるのか」と驚いたといいます。 また、別の歴史書には、倭国に中国からの人間が集まって暮らす村がある(九州と思われる)と記述があります。 ですので、1~2世紀当時には、すでに中国人の集団がいたと考えられます。 日本は後に漢字を受け入れましたが、中国語が倭国に蔓延せず、日本の言葉や音を守っていたのであれば、中国の音は、やはり中国人から聞いたでしょう(現代人が、正しい英語をネイティブに頼りがちなように)。 音に関しては、時代が遅れてもその時(後に)に聞いた音や、もっと後世に中国人に読ませた音だったかもしれません。項羽や劉邦の時代の音は、誰にもわからないのです。 しかし、そこを気にするよりも、むしろ現在の中国語が1950年代からの新しい言語であることを、気にするべきです。現在の中国語は、統一言語として、北方の音、ピンイン表記、簡体字とともに人民政府から施行されました。 それ以前は、各地域の音で発音していたのですが、その方が当たり前だったのです。共通語は役人の言葉で、一般人やもしかしたら知識人さえも、使わなかったかもしれません。ですので、どこからどう伝わったかで音が変わるため、正しさはわからないのです。 (ちなみに現代中国語も、国土が広く、ラジオ放送が始まったのも地域によって20年以上ひらきがあり、標準中国語は各地で独自に普及したので、省によって発音が異なります。また南部では、舌を巻かない傾向があり、いくら標準中国語の制定があっても、音がずれるのです。これは青森の人が、標準語をうまく話せないのと同じです。その地に、当時の人がいたら、それを中国音だと思うでしょう。) 古い中国の音の多くは、現在の南部の言葉に残っているといわれます。南部とは、一般的に長江の南で、たとえば上海以南(呉服の呉の国)、福建省(台湾の対岸)、広東省などです。 曹参 をみると、日本と縁があった呉の国の音に近かったのかもしれません。 上海音で 曹参:ssoo cen/sen や ssoo see のような音です。 アルファベットは、日本のローマ字読みと異なるのと、現代中国語のようにルール化ができていないので、音を推測するのは難しいですが、 ソー ツェン/セン、ソー シー のように読めます。 これが変化して「ソウシン」の音が残った可能性はあります。 劉邦は上海音で liew baang 客家で、liu bang なので、これは現在の中国語の liu bangにも通じ、 リュウバン のような音だと思います。「リュウホウ」の「ホウ」は、邦を訓読みしているかもしれません。 どれが本当の音かは、中国の言語分布を考えても(現在の分布を考えても:下記参照)、伝えた人、聞いた国内の中国人によって、音が異なったでしょう。また、大阪近辺から出向した遣唐使や日本の船舶は、近い呉の国(上海あたり)の港に接岸していたことも、意識に留め置きたいと思います。 余談ですが、福建の音は、現在の台湾語(中国語ではない)やシンガポールの福建人の音にも残っていますが、日本語と近い音が結構あります。 数字の 1~6は、chi, ni, san ,si, go, lak チ、ニ、サン、シ、ゴ、ラック 了解 は、 liau kai リャオカイ 世界 は、se/si kai シーカイ などです。
- Big-Baby
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#2です。 > 例えば「史記」が日本に入ってきた頃(いつか知りませんが)、その当時(項羽と劉邦の戦争時)の発音はどうやって知ったのでしょう?ルビがあったわけでもないと思いますが・・・。 項羽と劉邦の時代の音がどうであったかは問題ではありません。唐の時代の人は古典を唐の時代の音で読んでいたのですから。日本の漢字音の場合、6世紀南朝の中国音が日本に伝わり呉音として固定しました。原則、一つの漢字に一つの呉音が対応するわけです。7世紀になって中国は統一され、都長安の音が漢音として日本に入ってきて定着しました。原則ひとつの漢字にひとつの漢音が決まったわけです。漢字音を一つにしようという命令も出たのですが徹底せず、結局、仏典は呉音で、漢籍は漢音で読む習慣が定着しました。漢籍の人名も当然漢音で読むわけです。漢字の中には「参」のように「さん」「しん」ふたつの漢音を持つものもありますが比較的少数です。 > しかし中国では幸子さんは「私は”ゆきこ”です」、「私は”さちこ”です」ってならないのですか? 中国語では「幸」はxing(シン)、「子」はzi(ツー)と決まっているので、日本語としてどう読もうが、中国語ではxingziシンツーで、簡単です。「米田」なんて名前も日本だと「こめだ」か「よねだ」か迷いますが、中国へ行けばどちらもmidianミーティエン、迷う必要がありません。金正日もチン・チャンリーだけ、朝鮮語でどう発音しているか気にする必要はありません。
- Big-Baby
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人名、地名に限らず、漢語(いちおう中国で出来た言葉にしておきます)の発音は一律当時の中国語の発音に基づいています。現代中国語の発音ではありません。日本に漢字が伝わったのは今から1500年ほど昔の話、日本語でも中国語でも当時の音と現代の音では大きく変化しています。ただ、現代語の発音を知っていると有る程度昔の発音を推測できる場合があります。「参」の字は、現代中国語でもcan(ツァン)とshen(シェン)の2通りに発音されます、古代でも(サン)と(シン)の2通りに発音されたことは間違いありません。参加のような場合は現代語で(ツァン)ですから、昔は(サンカ)、人参の場合は現代では(shen)の音ですから、古代でも(ニンジン)と発音されたはず。人名でも参はよく使われますが、これは現代語では(shen)ですから、古代では(シン)のはず。ただ、漢字は原則1字1音で、このように複数の音がある漢字は少しです。
お礼
ありがとうございます。 成程、”当時”の中国での発音(に近い音)で読むわけですか? ただ、それだと、中国から日本に書籍が入ってきたのと時間が大幅にずれますが、その点はどうなのでしょう? 例えば「史記」が日本に入ってきた頃(いつか知りませんが)、その当時(項羽と劉邦の戦争時)の発音はどうやって知ったのでしょう?ルビがあったわけでもないと思いますが・・・。 後、急に思い出せませんが、「えっ、こんな風に読むのか!」って人物もいました。それなんかはどうやって決めたのか不思議です。 例えば、Tomさんが「トム」なら不思議でありません。発音通りです。これに中国や朝鮮半島の人間のように我々日本人と同じ漢字を使うなら、我々の読みを使うのも不思議ではありません。毛沢東が「もうたくとう」と読む場合です。 つまり、金正日が「きん・にっせい」か「きむ・じょんいる」なら不思議でないのですが、「曹参」が「ソウシン」と読むのはそのどちらでもないようで不思議だったのです。 ”当時の”中国語の発音を日本人の耳で聞いたままの表記と捉えて良いのでしょうか?ならば、書物がリアルタイムで輸入されていた訳ではないので、どうやってその発音が分かったか不思議です。 それとも苗字の「曹さん」は「ソウ」と読む、人名に付いた「参」は「シン」と読むと一般的に知っていたのでしょうか?
補足
>人名でも参はよく使われますが、これは現代語では(shen)ですから、古代では(シン)のはず。 あっ、そうか、そうか。現代の中国人の名前に付いた「参」は必ず、「shen」と発音するのですか?そこからの類推で「ソウ”シン”」と読んでいるのですかね?少し納得です。これなら時代のズレも解決できますね。 しかし中国では幸子さんは「私は”ゆきこ”です」、「私は”さちこ”です」ってならないのですか? もっとも、二つの発音を持つ漢字の方が珍しいのですか?
- Mr_Holland
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想像で恐縮ですが、例に挙げられた漢字の読みは、常用音として認められたものではありませんが、辞書には音読みとしてありますので、元々の中国の発音(漢音)から来たもののように思います。(ちなみに、呉音は主に仏教関係で使われる発音です。) 「曹参」:漢音(ソウ)+漢音(シン)(3)or(4) 「曹」:《常用音》ソウ; 《音読み》漢音 ソウ(サウ)/呉音 ゾウ(ザウ) <cao> 「参」:《常用音》サン; 《音読み》(1)漢音/呉音 サン(サム) <san> (2)漢音 サン(サム)/呉音 ソン(ソム) <can> (3)漢音/呉音 シン(シム) <cen> (4)漢音/呉音 シン(シム) <shen> 「劉邦」:漢音(リュウ)+漢音(ホウ) (漢音と呉音の混在は考えられないため) 「劉」:《常用音》なし; 《音読み》漢音 リュウ(リウ)/呉音 ル <liu> 「邦」:《常用音》ホウ; 《音読み》漢音 ホウ(ハウ)/呉音 ホウ <bang> 「鐘り末」:漢音(ショウ)+(リ)+漢音(バツ) 「鐘」:《常用音》ショウ; 《音読み》漢音 ショウ/呉音 シュ <zhong> 「末」:《常用音》バツ/マツ; 《音読み》漢音 バツ/呉音 マツ/マチ <mo> (以上、漢字源より)
お礼
ありがとうございます。そうすると、「中国語での発音を日本人の耳で聞こえる音(オン)で表している」と考えて良いのでしょうかね? その後、「殷痛(イントウ)」とか「カイ通(トウ)」を思い出しました。「何で”トウ”と読むのだろう?」って不思議だったのですよ。「普通なら”ツウ”だろう」とか、「何でここだけ訓読みなんだろう?(”通る”の”トウ”)」とか。 「通」も中国語の発音で「トゥー」とかあるんですか?
補足
×「殷痛(イントウ)」 ○「殷通」でした(笑)。