度々すみません。#2です。
『国際裁判管轄』について、くわしく触れなかったので、誤解があってはと思い、少し書かせていただきます。
ただし、学生時代に法律をかじっただけなので、、、その辺はご了承ください。
質問文の事件において、その会社や不法行為地が外国に属する場合、その裁判権がどこに属し、裁くことができるのかという論点が国際裁判管轄です。
簡単に言えば、裁判権(根拠規定)があれば、A国でもB国でも訴訟可能で、どちらも他の裁判に影響を与えないというのが大まかな枠組みとなっています。(通説による)
さて、わが国において裁判をすることができるかどうかの判断は、民事訴訟法4条5項に規定されています。
これに従えば、残念ながら「不法行為者」については、日本国の民事裁判所で審理することは非常に難しいと考えられます。その人が任意に、日本における代理人を立てた場合には可能となりますが、まずありえないでしょう。もちろん、中国での訴追は可能で、中国の法律に従い、中国の裁判所に訴えを提起すれば受理されるでしょう。
次に、A社についてですが、日本国内にその営業所や連絡事務所があれば、可能です。日本国内に事務所がない場合、やはり上掲個人と同じような扱いとなるでしょう。
ここで、裁判管轄について、裁判所の判例と学者との解釈とが微妙に異なっていて、判例のほうが、弾力的な運用で広く裁判管轄を認めるとの指摘があります。
これに習い、民事訴訟法4条5項を解釈すると、B社内において、A社籍の社員がいる場合、この社員を代理人とする訴訟が可能であるといえるのではないでしょうか。この場合は、B社の組織体制やA社からの指示関係が問題となりますので、質問文だけでは判断できかねます。
最後に、A社とB社との関係については、商取引上の契約において紛争が生じた場合の解決法が規定されているのが通常です。「中国法に基づく」や「東京地方裁判所を第一審裁判所とする」、「○○の提示する解決案に双方合意する」などの事前の取り決めがあるはずですので、それに従うことになります。
ここまで、非常に簡略に書きましたので、誤植、誤解釈ご容赦願います。
また、『越境侵害』については国際政治問題になりやすく、法律では解決できない事態となりうることがありますので、そのあたりもご容赦願います。
お礼
再度の回答に感謝いたします. また,今回頂いた回答は,竹を割ったごとく,すぱっと理解しやすいかたちで回答していただけて,大変嬉しいです. 本件に際し,新たな質問は新しくアップしなくてはならないルールでしょうが,何かあったら補足から質問させてください. 一般人とは思えない的確な回答でしたのでわがままを言ってしまいました.