半導体物性の本を読んでいて、電子のドリフト速度と移動度の関係のところでわからないことがあります。移動度の導出に以下の式が出てきます。
-q * E * τ = m * v
(qは電子の電荷、Eはかけた電界、τは電子のmean free time、mは電子の実効質量、vはドリフト速度)の式がでてきます。それは「電子が次に衝突するまでの間に電界からうけた力で、モーメントはm*vだけ増加する」ということ思いますが、このとき、衝突直後の電子の速度は0で、それがτ後にvまで上がり、そして衝突してまた速度が0になり、の繰り返しが起こっていると解釈しています。つまり時間を横軸、速度を縦軸に取ると、のこぎり状の状態で速度は0とvの間を動いているとイメージしているのですが、違いますでしょうか? もしこのイメージが正しいとすると、このvは電子のドリフト速度とは違うのではないかと思えるのです。電子のドリフト速度というのは、「電子の平均速度」だと思えます。一方この式に出てきているvは、「電子のトップスピード」であって、平均された速度はこれよりも遅くなるのではないかと思えるのです。この考え方のどこが矛盾していますでしょうか?よろしくお願いします。
直ぐに外出するので手短にいいますと、
全部の電子が一律にτの時間で衝突すると思っているのが原因です。実際にはそんな律儀な事にはなっておらず、衝突の間隔は、平均τのポアソン分布に従います。このあたりをきちんと考えると、
>-q * E * τ = m * v
のvが、平均速度である事が分かります。
詳しくは、Drude model(ドゥルーデモデル)について調べるといいと思います。
お礼
eatern27さん、どうも重ね重ね説明ありがとうございました。まだ心の底からは理解できていないのですが、少し手がかりがつかめてきたという感じです。もう少し自分で時間をかけて考えてみます。