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潜熱、比揮発度@蒸留計算
蒸留工程での収支を計算する際に用いる、潜熱、比揮発度とは何ですか?
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こんにちは.当方,化学工学を専攻する大学院生です. 以下,理解している範囲でお話させていただきます. >潜熱について 液を加熱していくと,やがて沸点に達しますが,さらにガスの温度を上げるには,ある一定以上の熱エネルギーが必要です. すなわち,加熱し続けているのにも関わらず,温度が上がらない期間が存在します.この期間(まるで潜んでいる?!)に費やされる熱量を潜熱といいます. 概念自体は,中学理科にて既習かと存じます. >比揮発度について 分離のしやすさを数値で表したものを分離係数と言い,特に蒸留操作における分離係数のことを比揮発度といいます(単位操作により分離係数の呼び名が異なる). すなわち,蒸留のしやすさを数値で表したものが比揮発度です. 教科書では,平衡比Kの差を分数で表わしたものを比揮発度αとして定義しているかと思います. 平衡比は,蒸発のしやすさを表しており,平衡比大→沸点低→蒸気圧大(揮発性大)の関係があります. したがって,比揮発度とは混合物を構成する成分の蒸気圧(揮発性)の差を分数で表したもの,ということになります. ふつう,比揮発度の分子に低沸点成分の平衡比,分母に高沸点成分の平衡比がきます. そう致しますと,比揮発度が1より大きければ大きい程,分離成分間の蒸気圧差が大きく,蒸留で分けやすい,ということになります. 一方,比揮発度が1の場合,分離成分間の蒸気圧に差がない,ということになり,蒸留による分離は理論的に不可能,ということになります. (不純物を添加して蒸気圧差を生成させることは可能) 今のは蒸留プロセスに限ったお話ですが,分離係数を用いることにより,ある分離対象物質における最適な分離プロセス(抽出,吸収,晶析,吸着等)を選定することができます. 分離係数の高いプロセスほど,分離を行いやすいといえます. ただし,実際に適用されるかどうかについては,生産性,コスト,環境,操作の得手・不得手等によるでしょう. 訂正等ございましたならば,宜しくご指摘いただけると幸いです. 最後までお読みいただき,ありがとうございました.
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- chem_navi
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okormazd様 「平衡比Kの差を分数で表わしたものを比揮発度αとして定義」 →「平衡比Kの比を比揮発度αとして定義」 ご指摘いただき,ありがとうございます.仰せのとおりに訂正させていただきます. ご参考までに,「差」は数学的には「引き算」を意味しますが,化学工学では,「引き算」以外にも「分数(比)」を用いて「差」を意味することもございます. たとえば,晶析は溶解度「差」を利用致しますが,溶解度差を表す結晶化の推進力=過飽和度はΔC=C-Cs,S=C/Csの2種類の表現がございます.
- okormazd
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ANo.1 です。 すみません。 訂正です。 α=(x1/y1)/(x2/y2)=P1/P2 →α=(y1/x1)/(y2/x2)=P1/P2 α=(x1y1/)/(x2/y2)=(x1/(y1)/((1-x1)/(1-y1)) →α=(y1/x1)/(y2/x2)=(y1/x1)/((1-y1)/(1-x1)) ここで、 平衡比 K1=y1/x1 K2=y2/x2 とすれば、 α=K1/K2 で、 chem_naviさんの 「平衡比Kの差を分数で表わしたものを比揮発度αとして定義」 →「平衡比Kの比を比揮発度αとして定義」 ではないかと。
- okormazd
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潜熱 蒸発潜熱 一定量の液体が蒸発するのに必要な熱量 例 水 100℃、1atm で、 538.8kcal/kg*18kg/kmol=9698kcal/kmol=40636kJ/kmol メタノール 64.6℃、1atm で、 262kcal/kg*32kg/kmol=8384kcal/kmol=35129kJ/kmol 比揮発度:α=(x1/y1)/(x2/y2)=P1/P2 です。 ここで、 低沸点成分の 液相のモル分率:x1 気相のモル分率:y1 高沸点成分の 液相のモル分率:x2 気相のモル分率:y2 等しい温度での、 低沸点成分の 飽和蒸気圧:P1 高沸点成分の 飽和蒸気圧:P2 とする。 α=(x1/y1)/(x2/y2)=(x1/(y1)/((1-x1)/(1-y1)) だから、 Raoultの法則(x-y線図の式) y1 = αx1/((α-1)x1 + 1) だけど、一般にはαは温度によって変わる。 一般にはαが大きいほうが分離しやすい。