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高分子凝集剤のヌッチェテスト結果について
食品排水のスクリュー式脱水機で現状処理ポリ硫酸第二鉄+カチオン高分子を使用しておりますが、汚泥の含水率上昇、ろ液の濁りが発生したため、各々の添加量を増減させて調整して見ましたが結果が変わりませんでした。 そこで、某社の両性高分子でテストをしました。その結果フロックの大きさは現状のカチオン系(10mm)より小さい様(3-4mm)ですが、汚泥内部の水分は低いように思えます。しかし初期の水と汚泥との水切れが悪い様な感じです。まったくどちらが優位なのか分かりません。一般論で結構ですので、どなたかご返事下さい。
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こんにちは.当方,化学工学を専攻する大学院生です. 現場はまったくの無知であり,大変恐縮ではございますが, 排水処理や高分子電解質を用いた微粒子合成の研究経緯を踏まえ, 私が推察しうる範囲にて,参考程度にお話させていただきます. 高分子凝集剤を用いると,溶液粘度の増大等から,一般にフロックの成長速度が小さくなります. ご質問にあります様に,両性の方がカチオン系よりもフロックのサイズが小さかった,という場合, 両性の方がフロックの成長が遅くなっていると考えられます. ただし,同じポリマー濃度,同じ操作時間(フロックの滞留時間),で比較した場合の話です. 汚泥(SS)内部の含水率が両性の方が低い理由と致しましては, これは私共のノウハウですが,ゆっくり凝集成長させた方が,緻密な(ぎっしりつまった)フロックが生成するため, フロック内部への水分の取り込みが少ない為である,と考えられます. 一方,フロックの大きさが小さくなると,一般に濾過性(ご質問中の「水切れ」)が悪くなります. これは,フィルター(濾材)上に緻密なケークが形成されることにより,目詰まりして液が一層抜けにくくなる為です. また,フロックの形状も重要です. 粒状であれば濾過性は良いのですが,板状や針状の場合,フィルターの目詰まりが起きやすく,濾過性が悪くなります. 整理致しますと, カチオン性高分子を用いると,フロックが大きくて濾過性は良いものの, 凝集速度が比較的大きいため,ソフトな凝集体となり,フロック中の含水率が高い. 両性高分子を用いると,フロックが小さくて濾過性は悪いものの, 凝集速度が比較的小さいため,緻密な凝集体となり,フロック中の含水率が低い. ということになります. 以上を踏まえますと,考えうる解決策と致しましては, (1)カチオン性高分子を用いた上で,凝集成長を遅くする. (2)両性高分子を用いた上で,大きなフロックをつくる. ということになります. 上記の条件を満たしうる操作因子と致しましては, フロックの滞留時間(操作時間),高分子の分子量,凝集剤の添加方法(複数回に分けて添加する等),濾過圧等いろいろ考えられます. 両性高分子とカチオン性高分子をまぜて使ってみるのも,良いかもしれません. 以上,推察の域を出ませんが,何かの参考になれば幸いです. お仕事,ご苦労様です.
お礼
こんばんは! 大変専門的なお答えを頂きましてありがとうございます。良い勉強になりました。設備的な問題で全てを試してみることは出来ませんが、頂いたご意見を参考に、チャレンジして見たいと思います。 貴殿も更にスキルアップしてがんばって下さい。ご検討を祈っています。この度は有難うございました。