日本語では「遊離基」とか「ラジカル」とか.呼んでいます。化学屋はラジカルです。
本来.最外核の電子軌道内では.電子は2個対になっています。が.この電子が1個しか存在しない(不対電子をもつ)化合物がラジカルです。たとえば.酸素分子はO2の形状になっていて安定な化合物と見られていますが.最外核電子は2個の不対電子をもつ.極めて安定なラジカルです。
この酸素分子にちょっと変な基をつけて.残る1個の不対電子の活性が強くなった状態が.活性酸素となります。
生物の話.特に神経伝達の話では.ラジカルが神経伝達に大きな役割を果たしていて近年大きく研究が進みました。中学校・高等学校では習わない変な化学反応を引き起こす化合物がラジカルです。
ラジカルはその強い反応性を持つ為に.生体内では毒性しか示さない状態に近いです。しかし.神経伝達には必須ですし.エネルギー代謝やヘム代謝では中間体として存在します。この毒性が強いラジカルを分解する酵素がカタラーゼとか(名称忘却.アルファベット3文字でよく肝機能検査の指標として測定される酵素)です。酵素以外にも.脂質内ラジカルを分解するビタミンE.水系の近く(普通のラジカルは水と反応すると分解してしまう。生体ではなんだかの水と接触を断っている機構があるはず)に存在するラジカルを分解するビタミンCが存在します。
老化の原因としては.ビタミンの供給(吸収・移動を含めて)が低下することで.細胞再生機能(膜(脂質なのでラジカルの攻撃の対象になり易い)が分解されやすくなる)が低下すると考えています。