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動物の感情についての疑問
- 動物には感情があるのか疑問を持っています。
- チンパンジーによるエリア間の餌のやり取りを通じて、動物の感情を探る実験をしたいです。
- この実験は慈悲の表れと言えるのか、実験方法として問題があるかもしれませんが、興味を持っています。
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こんにちは。 これは感情があるかないかではなく、そのチンパンジーの「知能の高さの問題」になると思います。 チンパンジーには我々人間と全く同じ構造の「感情」があります。ですが、人間よりも知能が低いため、チンパンジーは複雑な問題に対してはその感情を働かせることができません。 我々の感情といいますのは爬虫類から哺乳類に進化する過程で発達させた「大脳辺縁系」という新皮質によって生み出されるものです。ですから、爬虫類以降の高等動物(哺乳類・鳥類)の脳内にはみな我々人間と同じ構造の「情動発生機能」が備わっています。 我々高等動物にとってこの「情動」といいますのは「生後学習の結果を基に適切な行動選択を行なうため」にあります。大脳辺縁系には生後の体験に基づく「利益・不利益」が学習され、我々高等動物はこの学習結果に基づいて「情動行動」を選択します。 我々が他人に食料を分けてあげることができるのは「可愛そう」という感情が発生するからです。このような行動は大脳辺縁系の学習結果に基づく「情動行動」であり、食欲や性欲といった規準に従う本能行動では選択することができません。 では、「可愛そう」という感情を発生させるためには、どうして可哀そうなのかということがちゃんと理解できなければなりません。そして、他者の対場を理解するというのはたいへん高度な学習行動になります。 チンパンジーには我々人間と同じにちゃんと感情があります。ですが、Bのチンパンジーの身の上を理解することができなければ可愛そうという感情は発生しませんので、AにはBに食料を分け与えるという情動行動を選択することができません。従いまして、これは感情のあるなしではなく、知能の高さの問題ということになります。 チンパンジーの知能は概ね人間の三歳児程度と考えられます。人間以外の動物にはできないと決め付ける理由は何処にもないのですが、ほとんどのチンパンジーにとってそれは至難の業ということになると思います。 では、この実験の結果、Bに食料を渡しても一切の不利益が発生しないという条件でAに何らかの報酬が発生するならば、Aには「喜び・期待」という反応が学習されますので、Bに食料を渡すという行動を選択することが可能になるのではないかと思います。 BはAから食料を獲得するためにあの手この手を考えると思います。例えばBが服従の意思表示をするならばそれがAにとっては報酬になるかも知れません。あるいは、BがAに恐怖という感情を与えて食料を脅し取るといった手段も考えられます。 このように、チンパンジーは我々人間と同様に情動行動の選択基準を学習によって脳内に獲得することができます。但し、この場合Aの情動行動の動機となるのは「自分にとっての報酬や恐怖」であり、Bの不幸に可愛そうと思う感情は発生していません。 では、他者の情動を理解するためにはそれを想定するための表象能力が必要になります。人間には言語を筆頭にたいへん高度な表象能力が備わっており、我々はこれより目に見えない様々なものを比較・分類することができます。そして、果たしてチンパンジーには他者の脳内に発生した欲求や動機を概念として扱うということが人間と同じようにはできません。従いまして、自分に発生した感情に従うことは幾らでもできるのですが、チンパンジーの知能では他者の身の上を可哀そうと感じることが極めて困難ということになります。
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- harepanda
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この実験は、チンパンジーには人間と同じレベルの感情があるのか、という観点だけから見てはいけないような気がします。もうひとつの要素として、普段は集団生活をおくっている生き物か、それとも、普段は単独行動を取っている生き物かという要素を加えたほうが、より、科学的だと思います。 猿は群れで行動することが多いため、他の個体にエサをわけてやるという行動をしても、いっこうに変なこととは思いません。これが、普段は単独行動の猫がやったら、驚きますが。 どこで読んだのか忘れてしまいましたが、ティラノサウルスの足の骨で、片足に骨折が長期間をかけて治癒した跡が見つかった例があります。常識的に考えれば、あのサイズの二本足動物が、片足を骨折してしまったら、歩けるわけがありません。ではなぜこの個体は生き延びることが出来たのでしょうか?ティラノサウルスが集団生活をする生き物で、仲間がケガをした固体に肉を運んできた、と考えるのが一番普通だと思います。ティラノサウルスの足跡は発見されていないので、直接的な証拠はありませんが、他の大型肉食恐竜が集団生活をしていたと解釈できる発掘例はあります。
動物には「群(むれ)」として繁栄するという習性(本能)もありますので、その実験では必ずしも「感情」を評価できません。
- maneater
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あなたが仰っている「動物」とは霊長類のことで、「感情」とは「感情移入」のことだと思ってよろしいでしょうか? ずばりそのような実験が過去にあったかどうかは私は知りません。ただ、他の動物と違い霊長類は、それを研究することでその進化形であるホモサピエンスを解明することにもなるので、「サル学」という独自の研究領域があります。(京都大学の霊長類研究所は有名ですね。) もしかするとサル学の分野で、霊長類の感情移入についてのフィールドワークなどがあるかも知れません。文献を当たってみることをお勧めします。
お礼
みなさまの回答、ありがとうです。 素人の考えた実験方法は、当然あまり良いものではないですね(^^; 可哀想は感情であったとしても、相手の立場で、となると知能が関わる。 言われてみれば、そんな気がします。 人間の場合は、3才から更に脳は発達する。 けど、チンパンジーの場合は発達したとしても緩やかだから、最終的にも複雑なことには対処できないわけですね。