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金融政策の違いについて。
私は経済学を専攻する学生です。最近、金融について学習しているのですが、分からないことがあります。 それは、世界の中央銀行の金融政策は通貨価値の安定をその使命とするケースが多いと思うんですが、日本のような先進国では通貨価値の安定には為替レートはほとんど含まれず国内物価の安定のみを目標とする場合が多いのに対し、途上国の場合は逆に国内物価並びに為替レートの安定化の両方が目標になってる場合が多いと思うんです。 一体どうしてこのような違いが生まれるんでしょうか?
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先進国・途上国は余り本質的な問題ではなく、中央銀行が通貨価値(=広い意味での物価水準)の安定を確保し、政策金利のコントロールが可能な状態を維持するという責務を果たすに際して、「為替レートを意識しなくて済むかどうか」が、国の規模や経済構造によって異なっているということだと思います。 従って先進国でも、いわゆる小国の場合や近隣の大国の影響が余りにも強い場合には、為替レートを意識した政策運営をせざるを得ない場合があります。 わかりやすい例を言えば、欧州中銀が誕生する前の十数年間におけるEU諸国などでは、域内の最有力国であったドイツの通貨(マルク)との為替レートを安定させることを重視した政策運営になっていました。為替レートは長期間にわたって人為的に操作することは容易ではないため、事実上、これらの国(オランダやフランスとかですね)はドイツの中銀の政策変更に原則として追随する形で政策決定をしていました。 実際には、米国や日本でも為替レートの変動が国内物価に与える影響は完全に無視することは出来ないのですが、他国に比べるとGDPに占める輸出入のウェイトが低めであるため、為替レートを通じた輸出入物価の変動が通貨価値に与える影響は相対的に低めとなっており、(やや単純化した言い方ですが)結果として生ずる国内物価の変動をみることにより、中央銀行としての責務が遂行できるケースが多いということかと思います。
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まず、私は英国でも今の日本でも結構為替が下がると産業の競争力がよく回復してます。また乱高下には中央銀行も積極介入します。アメリカも強い通貨を維持して国に富を集める政策をとってます。途上国は金融システムの整備を進める必要があったのが、10年前のタイバーツ暴落です。途上国はまだまだ製造業を呼び込んだり、さかえたりしないといけません。日本などがあまりいえない空気があり、声高にしないのと製造業をさかんにする、これからという段階でないことにあります。
お礼
タイバーツはアジア全体として危機に陥りましたからね。やはり金融政策は深く政治、特に外交と絡んでくるわけですね。 より深くその国の金融政策について知るには国の内情なんかも学ぶ必要があるわけですね。 ありがとうございます。
- nanaji
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>又、「1ドル=0.7ユーロ」なのに・・・、ここの部分について 今、ドルはユーロに対して、30%も値を下げています。しかし、円に対しては、10%ほどですが、実際には40%近く値は下がっていると思われます。何故なら、この5年間の物価上昇率は、アメリカが最も高く、次にEU、日本はほぼゼロ%で推移しているし、生産性がさほど落ちているわけでもないからです。少なくとも、ユーロより円の価値が下がる筈はありません。 原因は、日本の超低金利政策にあると考えます。それは、ドルの暴落のカムフラージュ(ドルよりも、円が安い)、に利用されていると見ています。 しかし、「キャリートレード」による「偽装為替」の弊害は、日本の経済を狂わせ始めているようです。
お礼
なるほど。初歩的な質問に丁寧にお答えいただいてありがとうございます。 確かにお話を聞いてよくよく為替について考えてみるとかなりアメリカに利用されていそうな気はします。。
- nanaji
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>世界の中央銀行の金融政策は通貨価値の安定をその使命とするケースが多いと思うんですが、 国の金融政策は、「物価安定や況不況を調節するため」に行われている、と信じ込まされていますが、一方、国の財政や外交の手段としても利用されていると考えます。その証拠として、アメリカ・イギリス・オーストラリアなどは、高金利政策による金融資産からの莫大な税収で、軍事費を確保しています。 又、「1ドル=0.7ユーロ」なのに、「1ドル=113円」と、まさに偽装されたような為替レートになっています。これは、まさに、外交に利用されていると言えるでしょう。
お礼
外交の手段としての金融政策ですか。興味深いお話ですね。 確かにアメリカなどの金融が不安定になることによって今の原油高に繋がったりしてますからね。 >又、「1ドル=0.7ユーロ」なのに、「1ドル=113円」と、まさに偽装されたような為替レートになっています。これは、まさに、外交に利用されていると言えるでしょう。 ここの部分についてより詳しく知りたいです。
- execrable
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>途上国の為替レートの安定化 というのは、たとえば97年のアジア危機で問題になったドルペッグ制のことをおっしゃっているのでしょうか? もしそうだとしたら、先進国はすでに国際的に、安定していて信用できる存在だと見なされていますが、途上国はそうではありません。だから、自国の通貨の信用を強調する必要があると思います。つまり、自分の国の通貨はドルと連動することを、政府が保証する、という意思を示すことで、外国からの投資が来やすいようにします。「あの国の通貨は不安定だし、いつ暴落するかわかったもんじゃない」と思われたら、誰もその国に投資してくれないでしょう。 先進国には、すでに信用があるので、そういう涙ぐましく、無理のある危なっかしい政策はとる必要もないし、またとるべきでないと思っていると思います。
お礼
分かり易い回答ありがとうございます。 なるほど、信用の問題という訳ですか。うちの教授が先進国と途上国の違いを考えれば分かるといっていたのは「信用」違いということの気がしてきました。そこの違いを重点的に次は議論してみようと思います。
お礼
なるほど!非常に分かり易い説明ですね! 外交というか他の国に対する自国の影響力というのが非常に重要な気がしてきました。 確かに(規模は小さいですが)銀行なんかでもメガバンクの方針に他の地銀なんかが歩幅を合わせるようなケースがほとんどですものね。 ありがとうございます。