う~む・・・・
これは、いいとこを攻めてきましたね、たいへんよい質問です。
(私のなかで、「質問 of the week」を授与します)
おおもとの意味を考えてみてはどうでしょうか?
「失礼」というのは、「礼」(礼儀)を「失う」(省略する)ことです。
「します」は現在、あるいはこれから先のこと、「しました」は過去のことを示します。(あたり前じゃ)
以上を踏まえた上で、ケーススタディに入りますと・・・
「失礼します」・・・・本格的で丁寧な挨拶(本日はご機嫌麗しうetc・・・)を省略させていただき、すぐに本題に入らせていただきますよ。
「失礼します」・・・・「お部屋に入らせていただいてよろしいでしょうか」などと丁寧な礼儀もなくいきなり入らせていただきます。
「失礼しました」・・・「私のような下のものが、あなた様のお部屋にお邪魔しまして、礼儀を欠いたことでございました」
「失礼します」・・・・「では、またお目にかかる日を楽しみに、あなた様におきましてはお体ご自愛くださいますよう・・・」という正式なお別れの挨拶を省略させていただきます。
「失礼しました」・・・「ご注文の品を間違えてしまい、緊張感のない接客で礼儀を欠いておりました」
「失礼します」・・・・「お持ちした料理のお皿をお客様のテーブルに出させていただいてよろしいでしょうかというお伺いの礼儀もなく、こちらに置かせていただきます」
「失礼しちゃうわ」・・「あたしに挨拶なしで勝手なことしてなんなの、あの子」<こりゃ違うか・・
とまぁ、たいていは、本来の意味にかなった使われ方のはずなので、
>「失礼します」は単なる挨拶語
>「失礼しました」は主に、軽い謝罪の言葉
という使い分けには、まだ少々抵抗が残りますね、昭和生まれの私には・・・
でもこの先、平成生まれの人たちにとっては、「どうも~」とか「まいど!」と同様、「なんとなく都合良いことば」、あるいは、あなたがおっしゃるような「挨拶語」「軽い謝罪」になる可能性は、十分にあると思います。
古来、日本は、外国から「礼節の国」と言われていたほど「礼儀・礼節」を重んじる国民でした。
年長のもの、上位のものに対する礼節から、庶民相互の礼儀にいたるまで、諸外国を歴訪した後に渡来した外国人でも驚くほどハイレベルだったわけです。
「失礼」は、本来悪い意味合いがあったはずですが、へりくだった言い方で、自分自身に対して言うときには、ちょっと改まった言い方として定着してしまいました。
言葉は時代につれ変化して当たり前ですが、改まった言い方というのは、変化を嫌う人が(あるいはそういう人に対して)使うことが多いので、もとの意味を押さえておいたほうがいいと思います。
「礼」を重んじるはずの日本で「失礼」が多用され、定着してしまい、挙句の果てには「挨拶語」になってしまうなんて・・・
なんという皮肉でしょうかっ!!
ご先祖様に対してどのように顔向けしていいのか・・・嘆かわしいことでございます。
#ま、いいけどね、便利だし
お礼
<「質問 of the week」を授与します> とは光栄です。 人を感激させることの大切さをまたひとつ学びました。 お答えありがとうございました。 あまり、難しく考えていなかったのですが、ご丁寧にありがとうございました。