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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:記憶について)

記憶についての疑問

このQ&Aのポイント
  • 記憶についての幾つかの疑問があります。
  • 短期記憶は数秒~十数秒しか記憶されないという説がありますが、それが本当ならば、短期記憶を蘇らせることはできないのでしょうか。
  • 過去の経験が思い出せない場合、それはエピソード記憶ではなく短期記憶になるのでしょうか。記憶の種類は記憶の期間とは関係ないのでしょうか。

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  • ruehas
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回答No.2

こんにちは。 #1です。回答をお読み頂きありがとうございます。 >私は、時間が経っても今日の朝食を思い出す事が出来るので、短期記憶は数秒~十数秒かけて記憶された後に、蘇らせる事が出来ると解釈しましたが、その解釈は間違いの様ですね。 >その場合、「今朝、何を食べたか」という記憶は長期記憶になるという解釈が正しいですか? そうですね、 「短期記憶」といいますのは「時間が経てば消えてしまう記憶」です。ですから、消えてしまった後では再生することはできません。これは宜しいですよね。 そして、「長期記憶」といいますのは「時間が経っても消えてしまわず、何時でも再生できる記憶」です。ですが、これは短期記憶として脳内に一時的に保持された情報の「反復再生(統合リハーサル)」によって作られるのですが、この長期記憶が成立するまでには最低でも数時間から24時間程度の時間が掛かります。では、ある程度の時間が経っても思い出すことができて、長期記憶がまだ十分に形成されていないということでありますならば、それは短期記憶が消えずに残っているということです。 「短期記憶の寿命」といいますのは数秒から数時間、場合によっては数日に及びます。 「短期記憶・STMとは20数秒前後で消えてしまう記憶である」 これは、ジョン・ミラーという学者さんの研究によって明らかにされたものでありまして、「新規入力」によって脳内に獲得された情報の「保持限界」を基に短期記憶というものの「本質的な性質」を述べたものです。 この結果、「新規入力における情報の保持」には 「平均20秒前後の時間的限界がある」 「平均7~9桁の量的限界がある」 といったことが判明しました。我々の記憶能力といいますのはこの限界を超えますと急速に低下します。これにより、「短期記憶の本質的な性質」というものが明らかにされ、我々は何故それを忘れてしまうのかということが論理的に示されました。 我々の脳内で「記憶情報」といいますのは「同時入力という条件」によって「細胞同士の横の繋がりが強化された神経回路」です。これを「シナプス結合の長期増強」といい、これによって同時入力された信号のパターンが神経回路に記録されます。そして、あとでもう一度整理しますが、このメカニズムは長期記憶でも短期記憶でも同じです。 では、只今延べました「短期記憶の保持限界」といいますのは様々な条件によって伸ばすことができます。これには主に「維持リハーサル」というものが行なわれます。 「維持リハーサル」といいますのは短期記憶を扱う認知器官の中で行なわれる「内部リハーサル」のようなものでありまして、要は消えてしまわないうちにもう一度使うということです。これにより、反応が維持されるだけではなく、短期記憶を形成する細胞同士の「横の繋がり」が新規入力の段階よりも強化されます。 時間的な限界を超えるということは、脳が複数の情報を扱うためにリハーサルが間に合わなくなるということです。例えば「今朝、目玉焼きと梅干を食べた」といったリハーサルを行う場合、「今朝」「目玉焼き」「梅干」までを反復しところで20秒が過ぎてしまったならば「食べた」というリハーサルには手が廻らないということになります。通常、こんな簡単なことができないひとはいませんが、意味は分かりますよね。 数字のように意味を持たない情報は誰にとっても覚えづらいものですが、ここに「7桁前後」という平均値があるというのはたいへん興味深いですよね。私は精々4桁が限界ですから、平均を大きく下回ります。 さて、「今朝、目玉焼きと梅干を食べた」この文章を丸暗記しなければならないとしますならば、これで「16桁」の容量を使ってしまいます。ですが、日本語の全く分からない外国人であるならば丸暗記をする以外に手段はないのですが、我々にとって「目玉焼き」や「梅干」という言葉は既にしっかりと記憶されているものです。このように、既存の記憶情報を使ってリハーサルを行なう場合、「目玉焼き」という情報は「5桁」ではなく「1桁」で良いということになります。 このようにして保持限界に余裕が生まれ、「維持リハーサル」が円滑に行なわれるならば短期記憶は長期増強されやすくなります。そして、「今朝」「目玉焼き」「食べる」といった一連の単語が概念に基づいて分類されることにより、そこには「論理的に矛盾のない文脈」というものが整理されます。ですから、「今朝」「目玉焼き」とくれば最後まで記憶を「再生」しなくとも関連付けられた文脈によって「食べた」と「再構成」することが可能になります。 では、このような情報の分類が文脈などの関連性によって統合されますと、それは意味のあるひとつの記憶として運用できるようになります。そして、このような「統合された情報」が外部の記憶領域とやり取りされることによって長期記憶が形成されるわけですが、この過程を「統合リハーサル」といいます。 「短期記憶」といいますのは何もしなければ数秒で消えてしまうものであり、これは短期記憶というものの本来の性質です。ですが、我々はたった数秒の間にそれを学習し、全てを記憶に残すことはできません。このような経験的事実からしましても、我々の脳の「記憶の再生能力を反映して外に現れる現象」としましては以下のようなものがあります。 「短期記憶」 「中期記憶」 「麻痺耐性記憶(一夜漬け記憶)」 「長期記憶」 このようなものは「記憶の保持時間による分類」ですが、構造的な違いというものはほとんど特定されていません。ただ、「長期記憶」を除くならば他の三つは時間が経てば例外なく消えてしまうという共通の性質を持っています。ならば、この性質によって分類を行なうならば上記三つを区別する必要はなく、 「短期記憶:消えてしまう記憶」 「長期記憶:消えてしまわない記憶」 ということになります。 これにより、その寿命は数秒から数時間、場合によっては数日に及びという観測的事実と一致します。そして、この消えてしまうかどうかという性質には、はっきりとした生理学的な構造の違いがあります。 前の回答でもお話しましたが、長期記憶が消えてしまわないのは記憶回路の結合の強化と共に細胞内に「新たなタンパク質の合成」が行なわれるからです。 先に触れました通り、記憶といいますのは「シナプス結合の長期増強」によって「細胞同士の横の繋がり」が強化されることによって形成される神経回路であり、短期記憶もこれによって作られます。 では、短期記憶や中期記憶といった時間が経てば消えてしまう記憶回路というのはいったい何処が違うのかといいますと、記憶情報を獲得するために「シナプス結合の強化」はちゃんと行なわれるのですが、長期記憶のように新たなタンパク質が合成されることはなく、こちらでは細胞内に存在する既存のタンパク質が代用されます。「代用」という表現が適切かどうかはちょっと分かりませんが、少なくとも短期・中期記憶の回路では長期記憶のようにDNA情報を紐解いて専用のタンパク質が合成されるということはありません。他にも色々と条件は付くようですが、ほぼ現在ではこの細胞活動の違いが「消えてしまう記憶」と「消えない記憶」を決定しているのではないかと考えられています。 ですから、一見大雑把であるように思われるかも知れませんが、現象としての分類ではなく、はっきりとした生理学的な違いに基づくならば、 「短期記憶:消えてしまう記憶」 「長期記憶:消えてしまわない記憶」 そこにはこのような「構造分類」の適用が必要となります。 では、長期記憶とは違い、この時間が経てば消えてしまう記憶の「役割」とはいったい何でしょうか。 我々にそれが必要なのは、取りも直さず長期記憶が形成されるまでの間は獲得した情報がきちんと保持されなければならないからです。そして、もうひとつ重要なことは、外部情報といいますのは短期記憶として一旦脳内に獲得されることにより、初めて記憶に残すべき重要なものかどうかの判定が可能になるということです。判定が下せたとしましても、忘れる、捨てるという機能がなければ役には立ちませんよね。 学校の授業で先生が「これはテストに出る!」などと言えば我々はそれを意図的に行なうこともできます。これ以外にも、記憶に残すかどうかという重要な判定は我々動物の「生物学的利益」という基準に従って効率的に行なわれます。 「初めて体験した」 「たいへん得をした」 「たいへん危険な目に合った」 我々動物の記憶といいますのは与えられた環境の変化に適切に対応するために学習されるものです。ですから、このような体験が優先的に残されることによって、我々はそれを自分の未来に役立てることができます。 では、長期記憶として保管されたもの使うためには、その情報は一旦、記憶領域から認知器官に呼び出されなければなりません。通常、外部環境から獲得された情報はまず必ず短期記憶となりますが、こちらは内部情報から作られる短期記憶です。 例えば、メモを見ながら覚える電話番号は外部情報です。これに対しまして、電話の掛け方といいますのは恐らく我々が一生忘れることのない内部情報です。この二つが認知器官に短期記憶として保持されることにより、我々は電話を掛けるという作業を行います。どちらも同様に短期記憶なのですが、このようなものは特に「作業記憶(ワーキング・メモリー)」と呼ばれます。 用事が済めば電話番号はいりませんし、電話の掛け方といいますのは何時でも呼び出せる情報です。ですから、この二つの短期記憶は消えてしまっても構わないわけですし、不要なものは順に消えてもらった方が都合は良いわけです。 このように、短期記憶といいますのは長期記憶を形成するだけではなく、「情報の選別」や「行動の選択」「作業記憶」などといった役割を果たします。そして、このようなものはみな「忘れてしまう記憶」というものに共通する「短期記憶の生物学的な意義」ということになると思います。

noname#59943
質問者

お礼

返事が遅くなってすみません。分かり易い説明で回答して頂き、ありがとうございました。 短期記憶が長期記憶になる過程について、理解する事が出来たと思います。又、作業記憶についての説明や、その他の部分の説明等を読む事で、新しく知識を増やす事が出来たと思います。 今回教えて頂いた事を参考にさせて頂きたいと思います。どうもありがとうございました。

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その他の回答 (1)

  • ruehas
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回答No.1

こんにちは。 そもそも「短期記憶」といいますのは消えてしまったならば蘇らせることのできない記憶のことを言います。これに対しまして、時間が経っても消えてしまわず、何時でも思い出せるのが「長期記憶」です。そして、これは「記憶の性質に基づく分類」です。 これに対しまして、「エピソード記憶」といいますのは「記憶の内容に基づく分類」でありまして、こちらは記憶の保持期間や性質とは関係はないです。 我々の記憶というのはどうして消えてしまうのか、このようなことはまだはっきりとは解明されていません。ですが、「長期記憶」が長期間消えずに残っている理由は概ね分かっています。 「長期記憶」といいますのは「短期記憶」として一時的に脳内に保持された情報を基に作られます。この短期記憶を基に学習が繰り返されることによってその情報に対応する神経組織に「結合の強化」及び「タンパク質の合成」といった可塑的な変化が起こり、これが記憶回路として脳内に固定されたものが長期記憶と考えられています。 このように、長期記憶の回路を構成する細胞組織には学習によってはっきりとした物理的・化学的な変化が起こるわけですから、これが元に戻されない限り記憶は消えないということになります。そして、この回路を刺激してやるならば長期記憶は何時でも蘇らせることができます。 これに対しまして、「短期記憶」の構造といいますのはまだはっきりと解明されてはいませんが、それは時間が経てば消えてしまうという性質を持っています。長期記憶を再生することができるのはその回路が物理的に固定されているからです。従いまして、長期記憶として脳内に固定されなかった場合、消えてしまった短期記憶そのものは二度と再生することができないということになります。 「エピソード記憶」といいますのは知識として身に付ける「意味記憶」などに対し、個人的な体験と関係を持つ記憶とされており、それは記憶の性質ではなく「記憶の内容に基づく分類」です。そして、これが学習記憶である以上、短期記憶として保持された情報が長期記憶として固定されるという手順は変わりません。ですから、長い間思い出すという作業を行わなくとも憶えているというならば、その情報は長期記憶として固定されているということになります。このため、通常「エピソード記憶」も「意味記憶」も性質上はどちらも長期記憶に分類されます。そして、それが「エピソード記憶」なのか「意味記憶」なのかは記憶の内容によって分類されるものです。 では、思い出すことができるならばそれは長期記憶として固定されたえエピソード記憶です。そして、長期記憶として固定はされているのに再生されないというのは「思い出せない」ということであり、そのエピソード体験が短期記憶のまま消えてしまっていた場合は「覚えなかった」ということですから、それは記憶ではありませんので二度と再生されることはありません。 ですから、覚えなかったものはリハビリをしても蘇らせることはできませんよね。因みに、記憶喪失などといった事態でない限り当人が忘れているものを思い出させるといったリハビリは恐らくないと思います。また、健忘症などの器質性傷害では「記憶機能の回復」が目的であり、何を忘れてしまうかを調べるのは傷害の場所を特定するためです。これ以外で患者の深層記憶を探るというのは記憶そのものを蘇らせるためではなく、過去の体験が「心的外傷(トラウマ)」などの原因と見なされる場合に限られると思います。

noname#59943
質問者

お礼

回答して頂き、ありがとうございました。 (2)については、エピソード記憶と短期記憶は記憶の中でも種類が異なるから、比べられないという事が分かりました。 (1)について、私が記憶に興味を持ったのは、以前、記憶についての講演会の様な物に行った事がきっかけなのですが、その時に、「朝、何を食べたのかなどの記憶も短期記憶に含まれる」という話を聞きました。私は、時間が経っても今日の朝食を思い出す事が出来るので、短期記憶は数秒~十数秒かけて記憶された後に、蘇らせる事が出来ると解釈しましたが、その解釈は間違いの様ですね。その場合、「今朝、何を食べたか」という記憶は長期記憶になるという解釈が正しいですか? 時間がありましたら、回答して頂けると嬉しく思います。宜しくお願い致します。

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