日常レベルでは深刻な影響はありません。
また、将来性に期待されて投資されているベンチャー企業等以外では通常は利益に比例して株価も上がるため、
「利益は上がっていても株価が下がる」ということは、無くはないものの、
その企業に関する悪いニュースでもない限りはそれほどあるケースではありません。
そういった企業の株価は、何か他に問題がなければそのうち利益に相応した水準まで上がっていきます。
ですが、実際に「利益は出ているのに株価は下がっている」という状態という前提で、
強いて挙げればこんな感じでしょうか。
(1)社内的には
社員持株会やストックオプションの旨みが減るので、それを気にする社員のモチベーションが下がります。
(2)社外的には
株価が下がっている状態というのは、「業績が悪いのか?」や「何か悪いニュースでも出たのか?」等の
悪印象を抱かれがちな要素であるので、それを気にする消費者の自主製品やサービスの
購買意欲・利用頻度等に悪影響を与える可能性があります。
(3)対株主的には
株価が大幅に下がった場合、配当金が出ようとも、株価が下がっている時点で
株主に損害を与えていることになりますので、株主総会でその理由を説明する必要があります。
その結果、場合によっては経営陣の進退問題に関わります。
(4)資産的には
増資や自社株売却により新規事業への投資の資金を捻出する場合等に、
株価が低いとその分多くの株式を発行・売却せざるを得なくなり、
それは中長期的に見れば経営に悪影響を及ぼす危険性が高いです。
(1)と(2)に関しては、通常、社員や消費者の中でその会社の株価を逐一チェックしているような人はごく少数と思われるので、
本当に「強いて挙げれば」といったレベルです。
(3)と(4)に関しては、問題自体はかなり深刻ですが、これも"日常的"な問題ではありません。
ですが、(1)~(4)のいずれも、放置したまま拡大してしまった場合
会社の将来性に悪影響を及ぼす危険性があることばかりですので、
それに加えて買収リスクのことも加味すると、自社株の価値を上げようとする
企業側の姿勢には、何ら矛盾点はないのではないでしょうか。
お礼
ご回答ありがとうございます。 大変理解が深まったように思います。