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菅原道真の和歌について
菅原道真公の和歌と伝えられ、同一と思われる次の和歌の二通りの表現に出くわしました。 「心だに誠の道にかないなば 祈らずとても神や守らん」 「心だに誠の道にたがいなば 祈らずとても神や守らん」 上の「かないなば」と「たがいなば」はどちらが正しいのか教えてください。 なお、「たがいなば」は「違わなければ」の意味との説がありますが、私には「違うならば」のように感じられ、それでは意味が反対になってしまうなあと疑問になります。 古文に詳しい方が解説くださればありがたいです。
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「かなひなば」が正しいと思います。 文法解釈すると、「かなふ(ハ行四段活用動詞『かなふ』連用形)」+「完了助動詞『ぬ』未然形」+「接続助詞順接仮定条件『ば』」ということになります。 直訳すると、「もしかなったならば」です。 歌意としては、「もし心さえ誠心誠意の人道に添うたならば、祈らなくても神様は守ってくれるだろう」という内容です。 「たがひなば」が、「違わなければ」という意味だという説がある、とのことですが、信頼できる資料によるものでしょうか? 質問者の指摘どおり、「違うならば」の意味であり、歌意が通らなくなってしまいます。 「違わなければ」という意味にするなら、「たがはずは」または「たがはざれば」(無理に順接確定条件を接続させると考えた場合、「たがはねば」)などのように、打消の助動詞が入らなければなりません。 打消の助動詞「ず」の未然形に古く「な」の活用形はありますが、「たがひ」という連用形には接続できません。 藤原時平左大臣の讒言により、太宰権帥に左遷された菅公が、自らの清廉潔白を和歌に託したものでしょう。
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質問者
お礼
ズバリ!のご解答ありがとうございました。疑問氷解!
お礼
大変遅れて申し訳ありません。 ご親切かつ詳細なご説明ありがとうございます。よく分かりました。 「たがひなば」は漠然と間違いではないかと感じておりましたが、明快なご説明をいただき確認でき、胸のつかえが取れたようなすっきりした気分です。本当にありがとうございました。