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日本人(東洋人)と西欧人の自然観の共通点と違い
タイトルのとおりで、日本人(東洋人)と西欧人の自然観の共通点と違いは何なのかがわからないので、知識のあるかた教えてください。よろしくお願いします。
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相違点は、東洋人は仏教の影響で、行けるもの全てが仏であるという考え方をします。また、日本人の場合は特に、仏教が入ってくる前の神道のアニミズム的感覚が残っており、自然のありとあらゆる場所に神が宿っていると考えます。これは、自然との共生や環境問題に対応するには適した思考法ですが、日本で被差別部落ができた理由のひとつに、殺生を嫌う仏教と血をけがれと見なす神道の影響により、屠殺や皮加工を下層民に押し付けるという構造が出来上がってしまったことも見逃せません。 西洋人は、人間は神の似姿に作られた特別な存在であって、世の中の生き物を自分のために利用する権利があるという考え方をします。特にキリスト教は、ユダヤ教の厳格な食のタブーを受け継がなかったため、ありとあらゆる動植物を自分たちの生活のために、征服し利用することを正当化するものとなりました。進化論が初めてダーウィンにより提唱された時、世間からの反発は非常に強く、ヨーロッパには猿がいないという事情もあって、進化論が科学として受け入れられるまで時間がかかりました。今でも、アメリカは、進化論を認めず、人間や動物は神に創造されたのだと信じている人が1000万人単位でいるという、恐ろしい世界です。(実際に猿を見慣れている東洋人からすれば、あれが人類と同じグループの動物であることは、明らかです) 西洋と東洋の共通点としては、自然とは自然環境のことだけをいうのではなく、人間の体の中は、内なる自然であるという考え方があります。西洋ではトイレに行くことを、自然が私を呼んでいる、と言ったりします。また、英語のNatureは自然だけではなく、物事の本性という意味があって、人間の本質とは何であるかをめぐる法学理論が自然法と呼ばれているわけです(他のヨーロッパ語でも同じです)。東洋の場合、中華料理にあるように医食同源の考え方があって、自然をいかに体内に取り込み、体内の自然環境をいかに正常に保つかが医学の本質であるという考え方をします(西洋医学と違い、中国の医学は治療ではなく予防が本質です。伝統的には、患者は普段から医者に金を払って健康にかんするコンサルティングを行ってもらうのですが、万が一、病気になってしまったら、それは医者の見逃しが原因であるという考えによって、医者から患者に金が返ってきます)。 ちなみに、中国の薬学や針灸学は日本にも影響を及ぼしているほか、盲目の人の専門職として針灸が位置づけられるという習慣が江戸時代には定着していたため、盲目の人の社会進出という点では、日本はヨーロッパの国より、はるかにすすんでいます。ヨーロッパ旅行中に、プラットフォームや道路の黄色いデコボコマークや、ひとりで棒を操りながら歩いている人を見かけたことは一度もありません。知人のドイツ人によると、盲目の人が外で事故に合うと、「ひとりで外出するほうが悪い」と言われるのが普通だそうです。
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やはり共通するのは、自然の背後には、「神」や「仏」と言った超越した存在がいるのを認めている点です。違いは、東洋では、自然と人は共存しようといった考えですが、西洋では、自然は、征服するものであると考えられているようです。(モーゼ書第7,8の書では人が神を使役する呪術が載っています。)※この書は15世紀の「カルケドン公会議」に縁って異端とされ聖書の編纂時に削除されました。
- saebou
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あまり参考になるかはわからないのですが、手始めとしてワーズワースの詩(とくに「ルーシー詩編」など)を読んだり、フランク・ロイド・ライトの建築を見たりすることをお勧めします。ワーズワースもフランク・ロイド・ライトも自然を愛した人々ですが、彼らの作った芸術作品を見ていると欧米人と東洋人の自然観はどこが違っており、どこが似ているのかなんとなく感性で理解する助けになるのでは…と思います。自然観にも個人個人でかなり違いがあるので言葉ではなかなか説明しづらいところですが、百聞は一見にしかずということで…下にライトの代表作「落水荘」のサイトを貼っておきます。 なお、共通点ということでは、アッシジの聖フランチェスコはエコロジーの守護聖人などと言われており、小鳥と話せたなどの逸話に事欠かず、西洋の著名人の中では比較的東洋人にもわかりやすい自然観を持っていたのでは…という気がします。下にウィキペディアのリンクを貼っておきます。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%83%E3%82%B7%E3%82%B8%E3%81%AE%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%82%B3
- tenten525
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難しいことはわかりませんが、身近な簡単な例では、 日本人は、虫の音を聞くと秋を感じ情緒があるなぁと感慨にふけりますが、西洋人には単なる「雑音」にしか聞こえないんだそうです。 「風流」と言う言葉が通じないのかなと思います。
- kaiserster
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一般的にいうと、 東洋的には「人間も自然の一部」よって人間と自然は共生する。 西洋的には「人間と自然は対立しあう」よって快適に暮らすには自然を征服する。 もともと西洋にも東洋的な考えがあったんですが、ルネサンス以降“モノ”を客観的に観察する。という考えが主流になり人間(主体)と自然(客体)を分けて考えるようになったんですね。キリスト教的な自然は神様からの贈り物という考え方と相まって、このような自然観が形成されたのでしょう。 共通点は難しいですね。今風に言えば「限りある資源を有効に使いましょう」とか「(動物の)命を大切にしましょう」なるのですかね・・・
お礼
ありがとうございます。 参考にさせていただきます。
お礼
詳しくわかりやすい回答、ありがとうございます。 とても勉強になります。