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可視光の吸収係数とγ線の減弱係数の関係性を教えてください。
可視光の範囲ではエネルギーが大きくなればなるほど吸収係数[cm^-1]が大きくなります。しかし、γ線(1keV以上)においてはエネルギーが大きくなればなるほど減弱係数[cm^-1]が小さくなります。 その境界部分のグラフや原理(物理)について知りたいのですが、グラフだけでも、原理だけでも、また参考資料などでもいいので、分かる方は教えてください。お願いします。
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>その間の紫外領域での有効な物理現象や式 それも、対象とする物質の性質によると思いますが、、、。 例えばダイヤモンドのバンドギャップは5.5eVくらいあるので、 波長220nm程度の紫外光を良く吸収します。 したがって、ローレンツモデルで吸収係数が議論できると思います。 ただ、10eV(100nm)を超えるとどうなるかの詳しいことは分かりません。申し訳ないです。 様々なバンド間の遷移や光電子放出などが入り混じった現象が起こると思います。 他の詳しい方の到来を待ちましょう(笑)
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- kk0902
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No.1のものです。 >吸収スペクトルが吸収係数に依存するのは物理的に考えれば納得できますが、Siの可視光での吸収係数を見ると、単調増加なので、他の要因があるとおもうのですが。 吸収スペクトルは、薄膜に光を当てて入射光に対する透過光の強度の減少分を測ります。 透過光強度の減少分は吸収係数と試料厚みで決まる量です。 試料の厚みは分かっているので、吸収スペクトルは吸収係数に『依存する』どころか、ほとんど1対1対応のようなものです。 Siが可視光領域でエネルギーに対して単調増加しているのは、『Siだから』です。 Siをはじめとするバンド半導体などは、吸収係数は可視光領域でエネルギーに対して単調に増加することが多いのかもしれません。 『光物性の基礎』などの光物性の教科書を見れば、バンド半導体の吸収係数がどのように計算されるかが載っています。 私は光電素子について詳しい知識がないのですが、光電素子に使われている物質が、主にバンド半導体だからではないでしょうか ちなみに、手元にある文献を見ますと、InSbの吸収係数は2.2eVで最大値を取ったのち減少に転じ、3eVで最小値を取っています。 最後に、バンド半導体ではなく、局在電子系からなる物質では、ある特定のエネルギーにおいて、吸収係数がピークのような構造を持ち、単調増加になりません。 *文献を添付したいのですが、学術論文なので雑誌社と契約していないPCからは見れません・・・。
補足
そうですね。金属や半導体で吸収係数の出し方は違うようです。 Alの吸収係数のピークなんか可視光でピークがありましたし。 別件ですが、吸収係数の式は可視光領域で、減弱係数の式はγ線領域で有効のようですが、その間の紫外領域での有効な物理現象や式が見当たらないのですがいい参考書とかありませんかね。
- kk0902
- ベストアンサー率75% (6/8)
>可視光の範囲ではエネルギーが大きくなればなるほど吸収係数[cm^-1]が大きくなります とありますが、それは物質によります。 光の周波数以上の電磁波を吸収するのは物質中の電子ですが、 電子の性質は当然物質によって異なるので、 どの波長を吸収しやすいかも物質次第です。 『吸収スペクトル』で画像検索をかければ、様々な物質の吸収係数とエネルギーの関係を見ることができますよ。
補足
さっそく回答ありがとうございます。 光電素子の教科書では、可視光ではエネルギーが大きいほど吸収係数が大きくなると書いていますが・・・。 吸収スペクトルが吸収係数に依存するのは物理的に考えれば納得できますが、Siの可視光での吸収係数を見ると、単調増加なので、他の要因があるとおもうのですが。
お礼
可視光領域での物理現象は「光物性の基礎」という教科書に詳しく記載されていました。X線領域では、物質によらず吸収率が減少することが分かりました。InSbでも1keV~数MeVで減少になって、それ以上のエネルギーでは電子対生成によって増加しています。他の物質でも同様の変化があります。 可視光領域の光電効果はバンド間領域での励起が主として起こるようですが、高エネルギー領域では深い(原子核に近い)電子が励起されるという物理現象の違いがあるようです。エネルギーの大きさに応じて、外側の軌道から内側の軌道に向かって、励起できる軌道と確率が決まるそうです。(例えば、鉛のK殻電子の励起が有効になるのは88.0005keV以上) 恐らくその関係で紫外線領域で相互作用を起こす確率のピークがきてX線で吸収率が下がっていくと思われます。(もちろんピークが物質によっては可視領域やX線領域のものもあると思われます。)