• ベストアンサー
※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:核磁気共鳴 (NMR) について)

核磁気共鳴 (NMR) について

このQ&Aのポイント
  • バイオメディカルを勉強しており、化学の授業で核磁気共鳴のことを習いました。
  • 物質を静磁場において高周波の電磁波でエネルギを与えると、最外殻の電子の磁気スピンにエネルギが吸収されます。
  • 質問は、(1) 横軸が周波数ではなく '(CH3)4Si' を基準にした ppm という表現の理由、(2) 試料の分子を特定する原理についてです。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • phosphole
  • ベストアンサー率55% (467/834)
回答No.1

(1) 資料で見かけた電磁波の吸収(再放出)のスペクトルの図が、横軸は周波数かと思ったところ、『 (CH3)4Si を基準にした ppm 』 という表現になっていましたが、(CH3)4Si を基準にするのは一般的なのでしょうか? はて?これは最初に習うことだと思うのですが。 なぜ横軸が他の分光法とちがって、エネルギーあるいはそれに準ずる単位(ヘルツなり波長なり)になっておらず、無次元の数値(デルタで表される)になっているかの説明がありませんでしたか?化学におけるNMRでは最も基本的なことです。これの説明が抜けていたとしたら、講義の構成がおかしいと思います。 質問者さんのNMR信号に関する記述には、一つ重要な事がぬけています。NMRでは強力な外部磁場を常にかけながら測定を行います。これは、ラジオ波を吸収・放出するスピンのエネルギー準位分裂を起こすためで、磁場をかけていないとアルファ・ベータスピンのエネルギー差はないので、ラジオ波の吸収・放出は起きず、当然NMR信号は出ません。 ここで、エネルギー差、すなわち吸収・放出されるラジオ波のエネルギー(ひいては、波長や周波数)は、かける外部磁場の強さに依存します。したがって、同じ化合物の同じスピンでも、用いた装置によって吸収・放出されるラジオ波のエネルギーが変わってきます。これでは、他のデータと比べるのが不便ですね。いっぱんには、磁場の強さそのもの(テスラ単位)ではなくて、水素原子核スピン(NMRではプロトンと呼称される)が何MHzのラジオ波と共鳴するかによって装置の磁場の強さを表します。600MHzのマシンなら、600MHzのラジオ波を当てたときにプロトンが共鳴するということです。したがって、同じプロトンでも、300MHzの装置だと共鳴するラジオ波は半分の300MHzとなります。 こういう面倒をなくすために、共鳴するラジオ波のエネルギーを、基準となる値からのずれを用いて規格化します。詳しい操作は本に書いてあるはずです。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%96%E5%AD%A6%E3%82%B7%E3%83%95%E3%83%88 ここで、何を基準とするか?という問題が生じます。 これは我々人間が勝手に決めるものですので、できるだけ安定で、手に入りやすく、環境(溶媒とか温度とか)によって共鳴周波数が変化しにくい、といった理想に近い物質が望ましいのですが、いろいろ勘案した結果、書かれているテトラメチルシランが1H, 13C(および29Si)では基準となりました。 なお、この物質は水に溶けないので、水系の場合は他の基準物質が使われます。 また、他の核種の場合も、上述したような条件にもとづいて、適切な基準物質が選ばれています。たとえば、31PNMR(これも非常に歴史の古いNMR)ではリン酸が使われますし、19FNMR(これも歴史が古い)では、フロンの一種が用いられています。 (2) 試料の分子を構成する原子の数や付きかたはどのような原理で特定できるのでしょう? 原理をある程度深く知りたいのなら、以下の本を読まれることをおすすめします。 ・これならわかるNMR http://www.kagakudojin.co.jp/book/b50377.html ・初歩から学ぶNMRの基礎と応用 http://www.asakura.co.jp/books/isbn/4-254-14068-1/ ・有機化合物のスペクトルによる同定法 http://www.tkd-pbl.com/book/b16346.html ・有機化学のためのスペクトル解析法-UV、IR、NMR、MSの解説と演習 http://www.kagakudojin.co.jp/book/b61558.html 類似書も多数ありますし、古書店や大学図書館でも見つけられるでしょう。 この場で文章だけで苦労して説明するのはバカバカしいし、本に書いてある以上にわかりやすく伝えるのは難しいですので、上記のような定評のある学部~修士レベルの入門書を読んでください。 いずれにせよ、化学シフトやカップリングの仕方にもとづいた構造決定の方法は、現象論だと思ってもらった方が良いと私は思います。厳密な物理方程式を解いて決定されたものではなくて、構造の既に決められている有機・無機化合物のNMRの測定データから導き出されたものです。どうも、質問者さんはそこらへんが勘違いされているように思います。もしもすべて第一原理的な計算から求められたものと思われているのなら、考えを改めた方が良いと思いますし、そういうのが納得出来ないということなら、有機・無機化学には向かないと思います。

noname#248755
質問者

お礼

ご教授、ありがとうございました。 先生の説明が事前に知っていることを前提にしているようで、省略が多くて今回の質問に至りました。 私はまだ大学 2年なのですが、3年生の授業にまぜていただいているので、前提とする内容がその間の過程に含まれているのでわからなかったのかもしれません。 しかし、わからないままに前に進みたくないので質問した次第です。 また、私自身、物理系の興味が強かったせいか、化学系の 『相対的』 な世界にまだ慣れていないようです。 しかし、伺ったことは理解できたつもりです。 そのへんは慣れて行こうと思います。 いただいた文献情報も参考にさせていただこうと思います。 重ねて、ご教授ありがとうございました。 日本の『教えて』サイトはきっちり教えていただけることがわかり感謝します。 日本語がへんでしたらご容赦を。

関連するQ&A