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徒然草 第六十六段 岡本関白殿・・
岩波の原文で読んでいるのですが、 この段で何を言わんとしているのか、よくわかりません。 そもそも、岡本関白殿(近衛家平)が、 キジのつがいを木の枝につけて差し出すよう 武勝に命じたことにどのような意味があるのでしょうか? その後に繰り広げられる武勝の薀蓄もいまいちわかりません。
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有職故実、わかりやすく言えば作法の世界です。鷹狩の獲物をプレゼントするにはそれなりの決まりがあったのですが、ここでは主君が作法を無視したプレゼント方法を指示したのに対して、家来が作法に則ったやり方を主張し、結局主君も折れた、家来が作法を縷々説明した。兼好もこの家来を指示しつつ若干の疑問を呈しているものです。 沼波瓊音(ぬなみ・けいおん。1877-1927)の『徒然草講話』(大正十四年。修文館)の「評」には次のようにあります。 鷹の取つた鳥を枝に着けて進物にすると云事即ち所謂「鳥柴(としば)」に就ての叙説である。武勝は唯鷹飼である。しかしこの式法のオーソリチーなるが故に、主人関白の命を峻拒し、「花に鳥つくるすべ知り候はず、一枝に二つつくることも存じ候はず」と毅然として言放つたここの点が、先づ兼好の大いに気に入つた所である。なに事にまれ一事に通じた人には兼好は敬意を表するのである。(下略)
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noname#6782
回答No.1
回答ではないですが、関連性のある解説を見つけました。
質問者
お礼
ありがとうございます。 ご紹介のサイトですが、徒然草の枠を超えて、人物像や当時の時代背景などにまで 触れられていて大変興味深く思いました。 読書の「てびき」として今後も活用させていただきます。
お礼
(専門家の方のご回答を頂けるとは!) ・鷹匠が獲物を献上する際の「作法」の話であること、 ・枝に花があるかないかがポイントであること。 この二点がわかりにくかったですね。 武勝が長々と語る薀蓄の中身が、奇妙で滑稽ですらあるので、 それが実は正式な作法なのだという認識を得られませんでした。 ご紹介の『徒然草講話』からの引用文中の、 ”なに事にまれ一事に通じた人には兼好は敬意を表するのである” のくだりは今後読みすすめて行く上でもヒントになりそうです。 簡潔かつ明快なご回答ありがとうございました。